不景気な世の中、趣味を活かして起業を考えている方が増えています。
『好きなことを仕事にできれば、毎日がもっと充実するかも』
という気持ちになるのは本当によくわかります!
しかし、その一方で
「趣味起業で失敗」
してしまう方も少なくありません。
趣味を生かした起業はとても魅力的ですし、InstagramやXでも
『こんな私でも成功したー!』
的な話題が飛び交っていますから「私もできる」という思考になっても当然です。
当然、成功する人も一定数いるのですが、そんな人は他人に言わないだけで、準備や心構えを充分行っているのです。
趣味とビジネスの違いを理解していない人の話
趣味は楽しむことが目的ですが、ビジネスでは収益を上げることが目的となります。
この違いを軽視してしまうと、起業後に
「こんなはずじゃなかった」
と後悔し、やる気も無くしてしまうパターンが多いように感じます。
<実例>
>>趣味でハンドメイド作品を作っていた友人が、突然ネットショップを始めた話です。
最初は楽しく仕事に励んでいましたが
・顧客対応
・在庫管理
・マーケティン
・宣伝
・お金の管理
などなど、趣味では経験しなかった業務が増えて負担に感じてきました。
おまけに、商品の値段を値切る人まで出てきてしまい
『思っていたのと違いすぎる』
と愚痴を言っていましたが、それから半年も経たないうちに辞めてしまいました。
考察
「これはビジネス」とうまく割り切る事が出来ていたら辞める必要はなかったでしょう。
問題は2点。
①忙しくなった時点で人を雇えば良かった。
自分の不得意な所をやってもらえる人を雇用すべきだったのでしょう。しかし「自分1人でやりたい」という思いが強すぎて、失敗してしまいました。
②販路を間違えた
友人が使っていた販路は某有名ネットショップでした。そこは集客はすごいのですが「値切り交渉OK」のサイトでした。集客重視で選んでしまった結果なのですが、そうではなくクリエイターを大事にしてくれるショップも多くあるので、そこを選べばうまく行ったのでは無いかな?と思っています。
しかし、結局のところ『自分の考えだけで突き進んでしまった』という背景があり、改善点はいくつもあったので惜しい結果だと感じました。
自分ができる対策:ビジネスの基本を学ぶ
まずは、最初にビジネスプランを作成し、自分の趣味をどのように収益化するかを考えてみる事をオススメします。マーケティングや財務管理など最低限のビジネススキルを学び、売り上げに応じて専門知識を持つ人を雇うなどしましょう。それらを含めて起業の醍醐味だと認識してから始めると「理想と違った」とはならないはずです。
情熱だけで始めてしまう事で起きる失敗
「好きだからうまくいくはず!」
と思い込んでしまうのも失敗の原因に繋がります。
趣味に情熱を注ぐのは素晴らしいことですが、ビジネスにはそれ以上に計画性が必要です。
たとえば、料理が好きな人がカフェを開業するケースを考えてみてください。
料理が得意でも、立地選びや集客、競合との差別化などを考えずに始めてしまうと、思うようにお客様が来ないという結果になりかねません。
対策:実店舗を構えるなら市場調査を徹底するべし
起業前には、自分の趣味がどの程度市場に需要があるのかをリサーチしてみましょう。
同じ分野で成功している人の事例を数多く調べたり、ターゲット層となる人に直接意見を聞いたりする事をオススメします。そういう人たちは案外聞けば快く教えてくれます。情熱を活かしつつ、冷静な判断を忘れないことが大切です。
コスト管理を考える
趣味の延長線上で起業を考えると、ついコスト計算を甘く見てしまうことがあります。
↑これは本当に多くの人がやってしまう失敗です
特に、収益が安定する前に多額の初期投資をしてしまうと、経営が苦しくなります。
冷静に、そういう話を聞くと「当然、そうよね」と思うのですが、起業することに注力しすぎる人は後々のことを冷静に考えることを忘れています。
対策:具体的な予算計画を立てる
事業を始める前に、初期費用や運転資金を明確にしましょう。
これは近くの商工会や銀行などでも相談にのってくださいます。本やYouTubeで勉強するのも良いですが、資金関係は直接聞いてみる事をオススメします。
私はかつて銀行員でしたが、巷に流れている情報の全てが正しいとは思えません。もちろん、裏情報もあるし、未来に向けた話もしてもらえるので、専門的な場所で専門の職員にしっかり聞くべきです。
また、最初は小規模から始めるのがおすすめです。
小さく始めて、小さな成功を積み重ねることで、事業を成長させることができるのです。
趣味が義務になると情熱を失う
これは恐ろしい話ですが・・・
趣味をビジネスにしたものの、仕事としての責任感から「好きだったはずのこと」が苦痛に感じるようになる方が多くいらっしゃいます。
その苦痛が続くと、結果的に大好きだった趣味が大嫌いになってしまいます。
これは、私の友人にもいましたが、ケーキ作りが好きで
「絶対、街のケーキ屋さんより私が作るケーキが美味しい!」
と、豪語し開業しましたが、材料にかける原価が高額だったので、ありえない値段をつけて販売していました。お店にお客さんが来ないので、私や友人同士に「きてきて!」とまめに連絡がありましたが
「あの値段じゃ、なかなか買いに行けないね」
と言っていました。友人たちが「買いにきて攻撃」に辟易し、居留守を使っていると噂を聞いてしばらく後、結局、全く売れないままお店は閉店してしまいました。
どうやら閉店までの期間、原価を下げた商品も作っていたようですが
「こんなんじゃ無い」
「楽しくない」
と愚痴ばかり吐いていたそうです。(聞いてる方も疲れますよね)
お店も無くし、友人も無くした悲しい例でした。
対策:バランスの重要性
趣味を続ける楽しさを保つためには、無理をしない範囲で事業を進めることも大切です。
個人の趣味の範囲と、起業で収入を得るのとは全然違います。利益を出すために、原価計算をし販売価格が適正かどうかをしっかり見極めましょう。
また、業務の一部を外注したり、自分が楽しめる部分に集中する時間を意識的に作るのも効果的でしょう。
アピール不足で集客に苦戦する
趣味で起業する人の多くは
「良いものを作れば売れる」
と考えがちです。
確かに辺鄙な場所でも繁盛店はあるので、それを目指しているのかもしれませんが、普通は集客やマーケティングは販売する上でとても大事です。たとえ素晴らしい商品やサービスでも、誰にも知られなければ売上にはつながりません。
対策:SNSや広告を活用
集客のためには、自分の商品やサービスを知ってもらう努力が必要です。
SNSやブログで発信したり、適切な広告を利用することで、認知度を高めることができます。
また、継続的な発信が信頼感につながるので、こまめな情報発信を心がけましょう。
最後に
趣味を生かして起業することは、多くの人にとって夢のような挑戦です。
ただし、現実的な視点を持ち、必要な準備を怠らないことが成功の鍵です!
私も、失敗した事例を数多くみてきました。だからこそ、ここで紹介したポイントを意識して、一歩ずつ計画的に進めていって下さい。
趣味をビジネスに変えることで、充実した新しい人生を歩むお手伝いができれば幸いです。