近年、副業を始める方が増えています。政府の「働き方改革」や収入源の多様化のニーズにより、副業を解禁する企業も増えました。
しかし、会社の就業規則で副業が禁止されている場合や、周囲に知られたくない場合、副業が「バレる」ことに対する不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
今日は、副業がバレる原因やその対策を丁寧に解説したいと思います。
実際、私(もと税理士事務所勤務)が、この時期、社員さんに聞かれる質問の第一位が
「副業したら会社にばれますか?」
なのです(笑)
副業を始める際に必要な心構えやリスク回避のポイントについても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
副業がバレる主な原因
まず、副業がどのような経緯でバレるのかを知ることが重要です。
よくある原因を解説していきます。
1. 住民税の増加
住民税は、会社の給与所得と副業の所得を合算して計算されます。
そのため、副業をしている場合、住民税の額が増えることがあり、
経理担当者が異常に気付く可能性があります。
多くの会社では、従業員一人ひとりの住民税を給与から天引きする
「特別徴収」
を採用しているため、この方法で副業が発覚することが少なくありません。
2. 同僚や上司への口外
副業の内容や収益について、つい同僚や上司に話してしまうことが原因でバレる場合があります。
お酒哉休憩時間など、つい信頼して話してしまう事が多いようです。
いくら近しい間柄だとしても、思わぬ形で情報が広まることがあるため注意が必要です。
3. SNSやネット上の活動
ブログやYouTubeなど、インターネットを活用した副業の場合、
・自分の顔
・名前
・仕事内容
など公開することがあります。
それが会社関係者の目に触れることで発覚するケースは多々あります。
SNSが普及しまくっているので、簡単に見つかってしまうのです。
4. 副業時間の管理ミス
本業中に副業に関する作業を行ったり、長時間の副業で本業に支障が出たりすると、副業がバレるリスクが高まります。
本業のパフォーマンス低下や遅刻・早退が頻繁になると、上司からの追及を受けることがあるので気をつけてください。
5. 顧客や取引先からの情報漏洩
副業の顧客や取引先が、本業の会社と関わりがある場合、情報が漏れる可能性があります。
特に、副業での名刺交換やメールのやり取りが会社の同僚に知られることがきっかけとなる場合があります。
副業がバレないための対策
次に、副業がバレないようにするための具体的な対策をご紹介します。
1. 住民税の支払い方法を変更する
副業がバレる大きな要因である住民税ですが、
「普通徴収」
という方法を選ぶことでリスクを回避できます。
>>普通徴収とは<<
住民税を自分で納付する方法です。
確定申告の際に「給与所得以外の住民税は普通徴収」と指定することで、本業の会社には副業の所得に関する情報が届きません。
「普通徴収」の手続きをするには、確定申告の際に適切な方法で手続きを行う必要があります。以下に具体的な手順を詳しく説明します。
普通徴収にするための手続き方法
1. 確定申告書の準備
副業の所得が20万円以上の場合、確定申告が必要です。
確定申告書には「住民税の徴収方法」を選択する欄があります。
ここで適切に「普通徴収」を選択することで、副業所得に関する住民税を自分で支払う形に変更できます。
使用する申告書
• 確定申告書 B様式(自営業や副業の収入がある場合)
• 副業所得が給与収入以外(フリーランス収入や物販収入など)の場合、この書類を使用します。
2. 住民税の徴収方法を「普通徴収」に設定する
確定申告書の中に「住民税・事業税に関する事項」という項目があります。この項目で「自分で納付(普通徴収)」を選択します。
手順:
1. 確定申告書の最終ページにある「住民税・事業税に関する事項」を探す。
2. 「給与所得以外の所得にかかる住民税の徴収方法」の欄にある選択肢から「自分で納付」を選択し、チェックを入れる。
• このチェックを入れることで、住民税の通知があなたの自宅に届くようになります。
3. 副業収入を分けて記載する
副業が給与以外の収入(事業所得、雑所得など)の場合、確定申告書で収入源を明確に記載する必要があります。
記載ポイント:
• 本業の給与収入は「給与所得」の欄に記載。
• 副業の収入(事業所得や雑所得)は別の欄に記載し、「住民税の普通徴収」を指定する。
4. 住民税の通知が自宅に届くことを確認
普通徴収を希望して確定申告を提出した場合、副業の住民税は本業の会社に通知されず、自宅に納税通知書が届きます。確定申告後、以下の点を確認してください。
• 納税通知書が自宅に届いたか。
• 副業分の住民税が正確に記載されているか。
もし、普通徴収の希望が通らず会社に住民税が通知される場合があるため、自治体に確認することも必要です。
5. 普通徴収が認められない場合の対応策
一部の自治体では、住民税の徴収方法を自動で「特別徴収」に設定する場合があります。
以下の対応策を検討してください。
1. 自治体に問い合わせる
• 普通徴収が希望通りに適用されるか確認しましょう。
>>特別徴収に変更される理由についても説明を求めることができます。
2. 副業収入を雑所得に分散する
• 特別徴収の影響を減らすために、副業収入を給与所得ではなく雑所得として扱うよう調整するのも一つの手です。
注意点
1. 副業禁止規定がある会社の場合
本業の給与所得と副業の所得が自治体で一括管理されるため、完全に情報漏洩を防ぐことは難しいケースもあります。
2. 所得税と住民税の両方を確認する
住民税だけでなく、所得税の申告内容もきちんと整理しておきましょう。
3. 確定申告の期限を守る
確定申告期間(通常は2月16日~3月15日)内に手続きを行うことが重要です。遅れるとペナルティが発生する可能性があります。
このように「普通徴収」の手続きは、確定申告時に「住民税の徴収方法」を選ぶことで対応できます。
ただし、自治体によっては希望通りにならない場合もあるため、自治体への事前確認が安心です。
また、確定申告の際に適切に手続きを進めることで、副業がバレるリスクを抑えることができます。
2. 副業について口外しない
信頼できる相手であっても、副業について話すことは控えましょう。
特に同僚や上司に話すことで、思わぬトラブルを招くことがあります。
副業については、家族や親しい友人など限られた人だけに相談し、情報を慎重に管理しましょう。
3. 匿名で活動する
ネット上で副業を行う場合、匿名で活動するのが賢明です。
私も会社員時代は、ペンネームでしたし、絶対に本名に繋がる文字は一言も入れませんでした。
ブログやSNS、YouTubeなどでは、本名や顔写真を公開せずに運営することで、会社関係者に見つかるリスクを減らせます。
また、副業用のメールアドレスや電話番号を用意し、本業と副業の連絡手段を完全に分けることも重要です。
4. 本業に支障が出ないようにする
本業があってこその副業です。
本業のパフォーマンスが低下しないよう、副業の時間管理を徹底しましょう。
>>例えば、平日は副業にあまり時間を割かず、週末や休日に集中する方法がおすすめです。
また、副業の労働時間が長すぎると健康を損なう恐れもあるため、無理のない範囲で計画を立てましょう。
5. 副業がバレにくい職種を選ぶ
副業にはさまざまな種類がありますが、中にはバレにくい職種も存在します。
例えば、以下のような職種がおすすめです。
• クラウドソーシング
ライティングやデザイン、プログラミングなど、インターネット上で完結する仕事
• 物販
ネットショップやフリマアプリを活用した物販ビジネス
• ポイントサイト
アンケートや広告クリックなどの簡単な作業で収益を得る方法
これらの職種は、顔出しや実名を必要としない場合が多いため、リスクを抑えることができます。
副業をする際の心構え
副業を始めるにあたり、いくつかの心構えが必要です。
次にポイントを押さえておきましょう。
1. 就業規則を確認する
まず、自分の会社の就業規則を確認しましょう。
「副業禁止」と明記されている場合は、慎重に行動する必要があります。
副業が許可されている場合でも、会社に申告する義務がある場合があります。
2. 税金の知識を持つ
副業の所得が20万円以上の場合、確定申告が必要です。
税金の計算や申告方法を学び、トラブルを避けるようにしましょう。
3. 長期的な視点を持つ
副業は一時的な収入増加だけでなく、将来的なキャリア形成にもつながります。
スキルアップや経験を重視し、本業に活かせる副業を選ぶと良いでしょう。
副業のリスクとメリットを理解して始めよう
副業にはリスクもありますが、正しい知識と対策を持つことで、安心して取り組むことができます。
また、副業は収入を増やすだけでなく、スキルアップや自己実現の機会でもあります。
もし、副業に興味があるけれど不安がある方は、まず小さなステップから始めてみましょう。
バレるリスクを最小限に抑えながら、コツコツと進めることが成功への鍵です。
安心して副業に取り組むために、本記事が参考になれば幸いです。