「最近、売上が落ち込んできちゃって…このままだと資金がショートしそうなんです。カードローンって手軽に借りられるけど、どう思いますか?」
先日、個人事業を営む友人から、深刻な相談を受けました。フリーランスや個人事業主の皆さんも、一度は同じような悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか?
不安定な収入、予期せぬ出費、そしてなかなか改善しない状況…焦る気持ちは痛いほどよく分かります。しかし、安易なカードローンの利用は、一時しのぎにはなっても、状況をさらに悪化させる可能性があることを忘れてはいけません。
この記事では、経営が苦しい個人事業主がカードローンに手を出す前に、絶対に知っておくべきリスクと、他に検討すべき現実的な選択肢を徹底解説します。
なぜ安易なカードローン利用は危険なのか?
手軽に借りられるイメージのあるカードローンですが、個人事業主にとってはその特性が大きなリスクとなる可能性があります。
①高い金利負担
カードローンの金利は、一般的に事業融資と比較して高めに設定されています。一時的に資金繰りが改善したとしても、毎月の返済額と利息負担が重くのしかかり、さらなる経営悪化を招く可能性があります。
②返済期間の短さと返済額の大きさ
カードローンは、比較的短い期間での返済を前提としている場合が多く、毎月の返済額が大きくなる傾向があります。売上が不安定な個人事業主にとって、固定の大きな支出は経営を圧迫する要因となりかねません。
③事業資金としての不確実性
カードローンは、本来、個人の消費を目的とした融資です。事業資金としての利用は規約で禁止されている場合や、認められていても一時的な利用に限定されていることがあります。長期的な事業資金としては不向きと言えるでしょう。
④信用情報への影響
もし返済が滞ってしまった場合、信用情報に傷がつき、将来的な事業融資やその他のローン審査に悪影響を及ぼす可能性があります。これは、個人事業主にとって非常に大きなデメリットです。
カードローンに頼る前に検討すべき現実的な選択肢
経営が苦しい時こそ、冷静になり、カードローン以外の選択肢を検討することが重要です。
①まずは徹底的なコスト削減
固定費、変動費を見直し、徹底的に無駄なコストを削減しましょう。
オフィスの見直し: よりコンパクトなオフィスへの移転や、シェアオフィスの利用を検討してみましょう。
私も事務所を持っていますが、1.5坪で光熱費込み22,000円です。本当に22,000円しか払っていませんが、東京駅に近いところにある、24時間利用できるシェアオフィスです。
業務効率化・・無駄な作業を省き、効率的な業務フローを構築する。
経費の見直し・・通信費、交通費、交際費など、あらゆる経費を見直す。
サブスクリプションの見直し・・利用頻度の低いサービスは解約する。
どうしても必要なもの以外は、見直しも必要かも?と思います。
既存顧客へのアプローチ強化
既存顧客との関係性を強化し、リピート率向上や追加の取引を目指しましょう。
丁寧なアフターフォロー・・今以上に顧客満足度を高め、リピーターの獲得を目指しましょう。
新しい提案・・顧客のニーズに合わせた新しい商品やサービスを提案してみるのも良いかも?です。
紹介キャンペーン・・よくある「紹介キャンペーン」を導入することで、既存顧客から紹介してもらいましょう。
新規顧客開拓
新たな収益の柱を確立するために、積極的に新規顧客を開拓しましょう。
①ターゲットの見直しや、効果的なマーケティングを展開してみてはどうでしょう?例えば、オンライン広告、SNS活用、コンテンツマーケティングなど、効果的な手法は手軽に取り入れられます。
ターゲットの見直しと効果的なマーケティング手法
ビジネスや個人活動で成果が出にくいと感じたら、まずはターゲットの見直しと、手軽に始められるマーケティング手法の導入を検討してみましょう。ここでは、オンライン広告、SNS活用、コンテンツマーケティングについて、初心者でも取り入れやすい方法を紹介します。
1. オンライン広告を手軽に始める
オンライン広告は予算に合わせて少額から始められます。特におすすめなのは、以下の2つの方法です。
- Google広告:「1日500円」などの低予算で設定可能。キーワードや地域、年齢層など細かくターゲティングできます。
- InstagramやFacebook広告:画像や動画を使って視覚的に訴求。投稿をそのまま「広告」として出すこともできます。
まずは、無料で使える「Google広告アカウント」や「Meta広告マネージャー」に登録してみましょう。
2. SNS活用は“習慣化”がカギ
SNSの投稿は無料ででき、継続することでファンが増えていきます。以下の方法がおすすめです。
- Instagram:ビジュアル中心で訴求力が高く、商品写真や日常の様子などを定期的に投稿。
- X(旧Twitter):トレンドに乗った投稿や、自社の想い・サービスの価値を「一言」で伝えるのに最適。
- ThreadsやTikTok:若年層向けにおすすめ。動画やストーリーズで親しみやすさをアピール。
毎日投稿するのが難しい場合は、「週に2〜3回」から始めて、習慣にしていきましょう。
3. コンテンツマーケティングで信頼を育てる
コンテンツマーケティングとは、ブログやYouTubeなどを通じて「価値ある情報を発信」し、見込み客との信頼関係を築く手法です。
- ブログ:商品の使い方や専門知識を記事にすることでSEO効果も期待できます。
- 動画:1〜2分の紹介動画やチュートリアルをスマホで撮影・投稿しても効果的。
- 無料PDF資料:登録特典として配布することで、リスト獲得にもつながります。
記事や動画は「あなたが誰のどんな悩みを解決できるのか」を軸に発信することで、共感が得られやすくなります。
このように「お金がかかる」「難しそう」と思われがちなマーケティングですが、実は手軽に始められる方法がたくさんあります。まずはできることから一つずつ、あなたの活動に合った方法を試してみましょう。
②営業活動の強化でビジネスチャンスを広げよう
成果が伸び悩んでいると感じたら、積極的な営業活動を取り入れてみましょう。展示会への出展、セミナーの開催、個別訪問などは、直接相手にアプローチできる効果的な方法です。ここでは、それぞれの具体的な進め方を紹介します。
1. 展示会への出展
展示会は、新規顧客との接点をつくる絶好のチャンスです。以下のステップで準備しましょう。
- 出展目的を明確にする:新規顧客の獲得か、既存顧客へのフォローかを決めます。
- ターゲットに合った展示会を選定:業界専門イベントなど、自社の商材と親和性が高い展示会を選びます。
- ブースの設計:キャッチコピーやビジュアルで注目を集め、資料・試供品・動画などで訴求力を強化。
- 当日の対応体制:説明員の配置、名刺交換、来場者フォロー体制を整備。
- 事後フォロー:名刺情報を管理し、3営業日以内にメールや電話でアプローチ。
2. セミナーの開催
自社の知識やノウハウを伝えるセミナーは、信頼を高める絶好の場です。オンライン・オフラインどちらでも可能です。
- テーマ設定:顧客が知りたい情報(例:導入事例・業界動向・成功事例)をテーマに選ぶ。
- 告知方法:Webサイト、SNS、メール配信などを活用して広く告知。
- 参加フォームの設置:GoogleフォームやPeatixなどで簡単に作成可能。
- 当日の流れ:冒頭に自己紹介・会社紹介を入れ、最後に質疑応答と個別相談への案内を。
- アンケートとフォロー:参加者の満足度調査と、営業に活かせる情報収集。
3. 個別訪問で関係構築
個別訪問は、相手の課題やニーズを直接聞き出せる貴重な機会です。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 訪問前準備:相手企業の情報を事前に調べ、関心を持ちそうな提案を準備。
- 訪問時の流れ:自己紹介→課題のヒアリング→提案→次回アクションの確認。
- ヒアリングの工夫:「どんなことに困っていますか?」とオープンクエスチョンを活用。
- 資料の持参:パンフレットや導入事例など、説得力のある資料を用意。
- 訪問後のフォロー:当日中にお礼メール、翌週までに見積や提案書の送付。
このように営業活動の強化は、信頼関係の構築と新規顧客の獲得につながります。展示会、セミナー、個別訪問と、それぞれに応じた手法を取り入れながら、継続的にアプローチしていくことが成果につながります。
資金調達の相談
専門機関に相談し、事業に合った資金調達方法を検討しましょう。
①日本政策金融公庫・・低金利で利用しやすい融資制度があります。
②制度融資・・地方自治体や金融機関が連携して提供する融資制度です。
③補助金・助成金・・要件を満たせば返済不要の資金を得られる可能性があります。
④専門家への相談・・税理士や中小企業診断士などの専門家に相談し、経営改善のアドバイスや資金調達のサポートを受ける。
親族や友人からの支援
なかなかお願いしずらいですが、もし可能であれば、親族や友人に事情を説明し、一時的な資金援助をお願いすることも検討してみましょう。ただし、金銭的なやり取りは慎重に行い、後々のトラブルにならないように注意が必要です。
どうしてもカードローンを利用する場合の注意点
上記のような選択肢を検討した上で、どうしてもカードローンを利用せざるを得ない場合は、以下の点に十分注意してください。
①必要最低限の金額に留める・・借り過ぎは禁物です。本当に必要な金額だけを借りましょう。
②返済計画を明確にする・・いつまでに、どのように返済するのか、具体的な計画を立てましょう。
③金利や返済計画をしっかり確認する・・複数のカードローンを比較検討し、選びましょう。
④安易な借り換えをしない・・目先の返済負担を減らすために安易に借り換えると、さらに金利負担が増える可能性があります。
最後に
経営が苦しい時期は誰にでも訪れる可能性があります。大切なのは、焦らず冷静に状況を分析し、適切な対策を講じることです。安易なカードローン利用は、一時的な解決にしかならず、長期的に見ると事業をさらに苦境に陥れる可能性があります。
まずは、この記事で紹介した選択肢を検討し、専門家にも相談しながら、持続可能な経営改善を目指してください。皆さんの事業が再び軌道に乗ることを心から応援しています。
【読者の皆さんへ】
もし、今まさに経営のことで悩んでいるフリーランスや個人事業主の方がいらっしゃいましたら、一人で抱え込まず、信頼できる専門家や仲間に相談してみてください。きっと、新たな解決策が見つかるはずです。
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(注)
この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品を推奨するものではありません。
カードローンの利用はご自身の判断と責任において行ってください。
具体的な資金調達や経営改善については、専門家にご相談ください。