アイドルを引退に追い込んだ「強迫性障害」を現役心理士がその症状と克服方法を解説します。

強迫性障害と周囲の理解

1. 周囲のサポートが重要

強迫性障害の人は、自分でも「やり過ぎ」「考え過ぎ」だと分かっていることが多いです。しかし、他人から「ただやめればいいのに」と言われることで、さらに罪悪感を抱え込んでしまうこともあります。家族や友人は、患者の気持ちを受け止め、過剰に行動を制止しようとしないことが大切です。

2. 話を聞くことの重要性

相手が感じている不安を否定せず、受け入れる姿勢を持つことで信頼関係を築くことができます。「それは気にしなくても大丈夫だよ」と軽く言うよりも、「そんな気持ちになるのは自然なことだね」と共感を示す方が効果的です。

強迫性障害の克服に向けた具体的なステップ

1. トリガーを特定する

まず、自分が強迫行為を始めてしまうきっかけ(トリガー)を明確にすることが大切です。たとえば

• 手洗いが過剰になっている場合、何が「手が汚れている」と感じさせるのか。

• 確認行為が止まらない場合、どんな状況で不安を感じるのか。

2. 不安を小分けにして向き合う

不安を完全になくそうとするのではなく、少しずつ慣れていくことが重要です。たとえば、暴露反応妨害法を活用する場合、以下のように段階を踏みます:

• 「手洗いを5回から3回に減らす」

• 「確認を5分以内に終えるようにする」

3. ポジティブな自己対話を練習する

強迫的な考えが浮かんできた際には、「これは本当の危険ではない」と自分に言い聞かせる練習をします。これにより、脳が「安全である」という信号を受け取り、不安を軽減することができます。

強迫性障害と予防策

1. 早めの相談

症状が軽度のうちに精神科や心理士に相談することで、長引くことを防げます。

2. 無理をしない生活スタイル

強迫性障害は、完璧主義的な性格や環境が関係していることが多いため

• 「失敗してもいい」

• 「できる範囲でやれば十分」

という考えを持つことが大切だと言えます。

3. リラクゼーション技術の習得

瞑想や呼吸法、趣味に没頭する時間を作り、心を休めることが必要です。

最後に

強迫性障害は、本人にとって非常に辛いものですが、治療を通じて回復することが十分に可能です。

アイドルの方がその経験を公表したことで、多くの人が

「自分だけではない」

と感じ、前向きな気持ちになれたのではないでしょうか。

専門的な助けを求めながら、生活の中でできる対処法を取り入れていくことで、強迫性障害を克服する道筋が見えてきます。

まずは小さな一歩から始め、自分の心と体を大切にしていきましょう。

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心療内科に通う女性
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