近年、「副業でイラストを描いて収益化しよう」と考える人が急増しています。SNSやイラスト投稿サイトでは、個人が自由に作品を発信できるようになり、クリエイターが活躍できる時代が到来したかのように見えました。
私も別サイトでフリーイラストを配布しています。
✒️私のサイト>きみよの部屋ー無料で使えるイラスト素材
しかし、2023年頃から急速に広がったAIイラストの登場により、状況は一変しています。
「イラスト副業はもう稼げない」
そんな声が出始めたのには、確かな理由があります。
この記事では、なぜ今、イラスト副業が難しくなっているのか、その背景とこれからの戦い方について私の感じている状況を丁寧に解説したいと思います。

AIイラストの台頭と市場の変化
AIによるイラスト生成技術は日々進化しています。現在では、プロ顔負けのクオリティを持つイラストが数十秒で生成可能となり、多くの人が無料または安価でAIツールを利用できるようになりました。
これにより、次のような変化が起きています。
- クラウドソーシングでの単価下落
「1枚500円未満」のような低価格案件が増加。手描きの価値が埋もれがちに。 - フリー素材の氾濫
AIが生成したイラストを素材サイトにアップする人が急増。商用可の素材もあり、購入されにくくなっています。 - 「人が描いた価値」が伝わりにくい
パッと見ただけではAIか人間か見分けがつかず、「こだわって描いた」ことが評価されにくい傾向があります。
なぜ「儲からない」と言われ始めたのか
以下のような要因が複合的に重なり、従来のような収益が得られにくくなってきています。
1. 市場の供給過多
AIによってイラストの供給量が爆発的に増加した一方で、買い手の需要は大きく増えていません。結果的に、1点ごとの単価が下がり、埋もれる作品が多くなっています。
2. オリジナリティの差が伝わらない
どれだけ丁寧に描いても、AIが生成した“それっぽい”イラストと比較されてしまい、購入者にとっての「選ばれる理由」になりにくいのです。
挿絵イラストやアイコンも、手描きより、AIの描いたものを選ばれる時代になっています。
3. SNS・販売サイトのアルゴリズム
X(旧Twitter)やイラスト投稿サイトでは、表示アルゴリズムが日々変わっており、個人クリエイターの投稿が人目に触れにくくなっています。結果として「描いても見てもらえない」という事態に陥りがちです。
それでも描きたい人へ ― これからの戦い方
AIの進化は止まりませんが、「人間にしかできないこと」もまだたくさんあります。ここからは、今後イラスト副業で生き残っていくためのポイントをお伝えします。
1. あなたの「世界観」を武器にする
AIには出せないもの――それは人生経験や感情、物語性です。
日常の気づき、季節の風、育児のリアル、介護の苦労…そうした「背景」を持つイラストは、人の心に響きやすく、ファンを作る力があります。
2. ジャンルを絞って「専門家」になる
「なんでも描けます」はAIと戦うには不利です。
たとえば「和風の動物イラスト専門」「赤ちゃんと親の暮らし絵日記」など、特化型のスタイルを持つことで差別化しやすくなります。
「いらすとや」さんくらいの専門家になれば・・と思うのですが、私には難しい。。
今は、自分にしか描けないものをコツコツ描くしかないなーと思っています。
3. イラスト+αの商品展開を考える
イラスト単体での販売が厳しいなら、「グッズ化」「電子書籍」「LINEスタンプ」「カレンダー」など、別の形で展開するのも有効です。自分のブランドを構築しやすくなります。
4. 自分の想いを発信する
作品だけでなく、「どうしてこの絵を描いたのか」「どんな気持ちだったのか」を発信しましょう。人柄や考え方に共感したフォロワーは、長くあなたを応援してくれます。
最後に:AIは敵ではなく、共存の対象かもしれない
AIの登場は確かに脅威ですが、「使いこなす」という選択肢もあります。
たとえば構図や色の参考としてAIを使い、自分のタッチに活かすことで、作業効率を上げたり、発想の幅を広げることもできます。
副業としてのイラストは、確かに以前より厳しい状況です。ですが、「それでも描きたい」という気持ちがあるなら、それを武器に変えていく工夫と行動が、次の一歩につながるはずです。
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