それでは、iDeCoとNISAについて詳しく解説します。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(Individual-type Defined Contribution pension plan)は、個人が将来のために積み立てを行う年金制度で、以下の特徴があります。
1. 特徴
• 節税効果が大きい
毎月積み立てた掛金が全額所得控除の対象となり、税金が軽減されます。
• 例: 年間掛金36万円の場合、所得税率20%で72,000円の節税効果。
• 運用益が非課税
投資信託や預金の運用益に通常20.315%かかる税金が、iDeCoでは非課税です。
• 受け取り時も控除あり
受け取る際(60歳以降)、退職所得控除や公的年金等控除が適用され、税負担が軽減されます。
2. 利用条件
• 20歳以上65歳未満の日本国内に居住する人が対象。
• 職業に応じて、積み立てられる掛金の上限が異なります。
• 会社員:月額12,000~23,000円程度(企業型年金の有無で異なる)
• 自営業者:月額68,000円まで
• 公務員:月額12,000円
• 専業主婦(夫):月額23,000円
3. メリット
• 節税効果が非常に大きい。
• 自分で運用商品を選べる(投資信託、定期預金、保険など)。
• 確定した老後資金を準備できる。
4. デメリット
• 原則として60歳になるまで引き出し不可。
• 運用次第で元本割れの可能性あり。
• 手数料が発生(口座管理費用など)。
NISA(少額投資非課税制度)
NISA(Nippon Individual Savings Account)は、投資にかかる運用益が非課税となる制度で、以下の種類があります。
1. 種類と特徴
• つみたてNISA
• 長期投資に特化した制度。
• 年間投資上限:40万円。
• 非課税期間:20年間。
• 対象商品:金融庁が厳選した低コストで安定性の高い投資信託。
• 一般NISA
• 幅広い金融商品に投資可能。
• 年間投資上限:120万円。
• 非課税期間:5年間。
• 対象商品:株式、投資信託、ETF、REITなど。
• ジュニアNISA(2024年で終了予定)
• 未成年者向けのNISA。
• 年間投資上限:80万円。
• 非課税期間:成人になるまで。
2. メリット
• 運用益が非課税(通常20.315%の税金がかからない)。
• 少額から投資を始められる。
• 投資商品の自由度が高い(一般NISAの場合)。
3. デメリット
• 投資による元本割れのリスク。
• 一般NISAは非課税期間が短い(5年)。
iDeCoとNISAの違い
項目 iDeCo NISA
目的 老後資金の準備 資産運用・貯蓄
対象年齢 20歳以上65歳未満 20歳以上(ジュニアNISAは0歳~18歳)
非課税対象 掛金全額、運用益、受取時の一部 運用益
引き出し制限 原則60歳まで引き出し不可 制限なし
投資上限 職業によって異なる(例: 月68,000円) 年間40万円(つみたてNISAの場合)
商品種類 投資信託、預金、保険 投資信託、株式、ETFなど
項目 | iDeCo | NISA |
---|---|---|
目的 | 老後資金の準備 | 資産運用・貯蓄 |
対象年齢 | 20歳以上65歳未満 | 20歳以上(ジュニアNISAは0歳~18歳) |
非課税対象 | 掛金全額、運用益、受取時の一部 | 運用益 |
引き出し制限 | 原則60歳まで引き出し不可 | 制限なし |
投資上限 | 職業によって異なる(例: 月68,000円) | 年間40万円(つみたてNISAの場合) |
商品種類 | 投資信託、預金、保険 | 投資信託、株式、ETFなど |
どちらを選ぶべき?
• 老後資金が目的の場合:iDeCo
節税効果が高く、計画的に老後資金を準備したい方におすすめ。
• 資産運用が目的の場合:NISA
比較的自由に資金を引き出したい、または投資の初心者にもおすすめ。
両方を組み合わせる方法
iDeCoで老後資金を確保しつつ、NISAで中期的な資産運用を行うのも一つの方法です。
iDeCoとNISAは、それぞれの目的やライフプランに応じて使い分けることが重要です。不明点があればお気軽にご質問ください!
まとめ:年金の未来に備え、自分らしい老後を目指そう
基礎年金の引き上げや厚生年金の減少は、避けられない現実かもしれません。
しかし、だからこそ、早めに情報を集め、自分に合った備えをすることが大切です。
老後の生活は、一人ひとりの選択によって大きく変わります。
今回の記事が、皆さんの将来設計のお役に立てれば幸いです。
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