日が落ち、静寂に包まれる夜。多くの人がようやく一息つけると感じる一方で、ふとした瞬間に、心のざわつきや不安、孤独に襲われることもあるのではないでしょうか。
「なんとなく不安になる」
「一人でいると嫌な記憶がよみがえる」
「胸の奥がざわざわして落ち着かない」
そんな夜を何度も経験しているのなら、それはあなたの心が「何か伝えたいことがある」と優しくサインを送っているのかもしれません。
そこで今日は、心理士として、夜に心がざわつく原因やその背景、そして今夜から実践できる心の整え方をご紹介します。
なぜ夜になると心がざわつくのか?
1. 一日の終わりに“空白”ができるから
昼間は仕事や家事、人との会話で埋め尽くされています。しかし、夜はふと空白の時間が生まれます。そのとき、心の奥に沈んでいた感情や記憶が浮かび上がってくるのです。
2. 過去の「記憶」が動き出すから
人間の脳は、静かな時間になると記憶を整理し始めます。昼間に抑えていた不安、悲しみ、怒りといった感情が、夜にふっと顔を出すのです。これは決して「弱いから」ではなく、心の正常な働きのひとつです。
3. ホルモンバランスの影響
夜になると、ストレスホルモンであるコルチゾールが減り、逆に不安を増幅させる「セロトニン不足」状態になりやすくなります。これは脳内の自然な変化ですので、「私だけじゃない」と知ることが大切です。
こんな人は夜のざわつきを感じやすいかもしれません
- 感受性が高く、人の言葉や表情に敏感な人
- 日中、頑張りすぎて自分の感情を後回しにしている人
- 心に傷や喪失体験を抱えている人
- 一人の時間になると、自分を責めてしまう傾向がある人
これらは「弱さ」ではなく、むしろ『自分の感情に正直で、内面と向き合う力がある証』です。
今夜からできる“心の整え方”
1. 「不安」を否定せず、言葉にしてみる
不安やざわつきは、抑え込もうとするほど大きくなります。ノートに「今感じていること」をただ書き出すだけでも、心は落ち着いていきます。
例:「今日も疲れた」「なんか寂しい」「心が落ち着かない」
と、心で感じたことをただ書くだけで、ぐるぐると頭に巡っていた不安が整理されていきます。
2. 静かな音楽や自然音を流す
心をリラックスさせるには、外部からの安心感が効果的です。雨音や川のせせらぎ、ピアノの優しいメロディなどを小さな音で流してみてください。心拍数が自然と整っていきます。
アプリやYouTubeなどでも見つけると沢山の音楽があります。自分に合った音を見つけてみるのもいいかもしれませんよ。
3. 小さな“決まりごと”をつくる
寝る前の5分、ハーブティーを飲む。好きな香りのアロマを焚く。お気に入りのぬいぐるみにおやすみを言う。
そんな小さな儀式は、心に「安心」をもたらし、ざわつきを和らげます。
4. 自分を責める言葉をやめてみる
夜にざわつくと「またこんな気持ちになってしまった…」と自分を責めてしまう人がいます。でも、そんな自分を責めずに「そう感じる日もあるよね」と声をかけてあげましょう。心は、安心を感じると回復していくものです。
どうしてもつらい夜は、誰かに話そう
人に話すことが苦手な方もいると思います。けれど、信頼できる人や、専門家に「なんとなく不安になる夜がある」と伝えてみるだけで、心の負担は半分以下になります。
もし、話せる人がいないと感じているなら、傾聴サービスも選択肢の一つです。
最後に:ざわつきは大切な心からの声
夜のざわつきは、あなたが壊れてしまったからではありません。
むしろ、「本当は気づいてほしかった思い」が優しく語りかけているのです。
そんな夜には、無理に答えを出さなくてもかまいません。
ただ、少しだけ自分の心の声に耳を傾けて、優しくそっと寄り添ってあげてください。
あなたの心に、あたたかな静けさが訪れますように。
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