最近話題の『不機嫌ハラスメント』・心理士が考える具体例と3つの対処法

現代の職場や家庭、学校など、さまざまな人間関係の中で

「不機嫌ハラスメント」

が問題視されています。

職場の風景

不機嫌ハラスメントとは、周囲に対して意図的または無意識に不機嫌な態度を取り続け、他者に心理的な負担やストレスを与える行為を指します。

今日は、不機嫌ハラスメントの定義や具体例、影響、対処法について上級心理士の私が詳しく解説します。

最近話題の不機嫌ハラスメントの定義と具体例

不機嫌ハラスメントは、

「パワーハラスメント」

「モラルハラスメント」

の一形態とされ、以下のような行動が含まれます。

不機嫌ハラスメントの具体例

不機嫌ハラスメントは、多くの場合、直接的な暴言や暴力ではなく、周囲にじわじわと影響を与える

「間接的な攻撃」

です。以下では、状況別に具体例を詳しくご紹介します。

職場での不機嫌ハラスメント

1. ため息や舌打ちを繰り返す

• 会議中や仕事中に、明らかに不満を示すため息や舌打ちを繰り返し、他のメンバーを萎縮させる。

>>「またミスか……(大きなため息)」と態度で圧をかけてきます。

2. 意図的な無視

• 必要な業務連絡や相談を無視し、相手が話しかけても一切返事をしない。

>>チームメンバーの質問に「後で」と言って無視し続け、結果的に業務が滞る。

3. 不機嫌な雰囲気での仕事指示

• 明らかに機嫌が悪い状態で指示を出し、「どうせ失敗するんだろう」というような皮肉を含む。

>>「まあ、やってみれば?」と相手を信用しない態度をとる。

4. 共感を強制する行為

• 自分の不満を周囲に延々と話し続け、同調を求める。

>>「上司のやり方、納得いかないよね?」と周囲を巻き込んで愚痴の輪を広げる。

家庭での不機嫌ハラスメント

1. 無言の攻撃

• 家庭内で、不機嫌を態度や行動で示すが、具体的な理由を話さない。

>> 食事中に皿を強く置いたり、無言でテレビをつけっぱなしにする。

2. 冷たい返事や無視

• 家族の話しかけに短く冷たい返事をしたり、あからさまに無視する。

>>子どもが「今日学校でこんなことがあったよ!」と話しかけても、「ふーん」とだけ答える。

3. 家事や役割を放棄する

• 自分の機嫌が悪いことを理由に、家事や親としての役割を突然やめてしまう。

>>「今日は気分が悪いから全部あなたがやって」と配偶者に押し付ける。

学校や友人関係での不機嫌ハラスメント

1. 感情の押し付け

• 友人関係で、機嫌が悪いときに態度を変えてグループ全体を支配する。

>>「今日は話しかけないで」と言って無視し、周囲に罪悪感を植え付ける。

2. 集団の中での空気を悪化させる行為

• クラスや部活動で、不満そうな態度をとり続け、他のメンバーを居心地悪くさせる。

>>チームでの活動中に「やってらんない」と言いながら道具を乱雑に扱う。

3. 友人へのあてつけ発言

• 不機嫌なときに、友人に直接は言わずとも、聞こえるように文句を言う。

>>「何でこんなことするの?意味わかんない」と周囲に聞こえるように独り言を言う。

公共の場での不機嫌ハラスメント

1. 店員やスタッフへの攻撃的態度

• レストランや店で、自分が気に入らないことがあると、不機嫌な態度を露骨に示す。

>>オーダーミスがあったときに「これ、違いますよね?」と冷たく言い放つ。

2. ため息や不満を周囲にアピールする行為

• 電車やバスなどの公共交通機関で、不満を態度で示す。

>>混雑しているときに大きなため息をついたり、「狭いな……」と独り言を言う。

など、不機嫌ハラスメントの多くは、意識的な行動ではなく、

感情のコントロール不足

から発生します。

具体例を知ることで、自分自身や周囲の行動を見直してみましょう。

また、家庭や職場、友人関係において、不機嫌な態度がどのような影響を与えるかを理解し、互いに尊重し合える環境を築く努力が必要です。

不機嫌ハラスメントがもたらす影響

職場での影響

生産性の低下

不機嫌な人がいると、職場全体の雰囲気が悪化し、コミュニケーション不足や業務効率の低下を招きます。

メンタルヘルスの問題

周囲の人々がストレスを感じ、最悪の場合、離職やうつ病の原因になることも。

家庭での影響

子どもの精神的な影響

家庭内で不機嫌ハラスメントが続くと、子どもが萎縮し、自己肯定感が低下します。

夫婦関係の悪化

不機嫌が一方的に続くと、パートナー間で信頼が失われる可能性があります。

不機嫌ハラスメントへの対処法

被害者側の対処法

1. 感情を自分に引き込まない

相手の不機嫌に巻き込まれず、「自分の問題ではない」と切り離して考えるようにしましょう。

メンタルを強く持てない人にとっては、やや難しいかもしれませんが、相手の不機嫌に引きずられてしまう必要はどこにもありません。

そのような目に遭ってしまった時は、帰りに贅沢をしてみたり、甘いものを買ったりして自分にご褒美をあげてください。

2. 冷静にコミュニケーションを取る

感情的にならず、最低限の対応をして近ずかないようにしましょう。

それでもどうしてもの時は、具体的な問題について冷静に話し合う姿勢を持ちましょう。

私も、以前いた職場に極度の不機嫌ハラスメントを取る高齢女性がいました。その人のせいで新入社員が沢山辞めていった程です。しかし当の本人は、全く「自分が悪い」とは思っていません。逆に「最近の若いものは・・」と愚痴放題言っていましたね。恐ろしい・・

3. サポートを求める

信頼できる同僚や上司、家族、専門家に相談することで、状況を改善できる可能性が高まります。

加害者側が意識すべきこと

万が一、不機嫌ハラスメントをとっている本人が「自分の事だ」と気づけている場合は、改善の余地はあります。(自覚ない人は治りません)

1. 自分の感情を客観視する

不機嫌な原因を冷静に分析し、それが他者に与える影響を考える。

2. ストレス発散の方法を見つける

運動や趣味、カウンセリングなどで感情を上手にコントロールする習慣を持つ。

3. 謝罪する

不機嫌な態度で周囲に迷惑をかけた場合、率直に謝罪することが大切です。

不機嫌ハラスメントを防ぐためにできること

1. 職場や家庭でのルール作り

不機嫌な態度が及ぼす影響について話し合い、ルールを設けてみましょう。

>>ルールを設けたところで『自覚のない不機嫌ハラスメント』は改善できる可能性が本当に少ないです。

これが会社の場合『自分が辞める』または『転勤願いを出す』しか、自分を守る方法がありません。

(自分の心を守ためには、その人から逃げる事が大切です)

しかし、家族の場合は、その人が『頭が上がらない人』に忠告してもらうと言う方法しかありません。

2. メンタルヘルスのケア

される側がストレスを感じる場合は、早めにケアをしましょう。

また、不機嫌ハラスメント予備軍の人には

「今のはちょっと良くないかも」

など忠告をしてみましょう。早めの対策がお互いの関係を守ります。

3. 互いの感情を尊重する文化を育てる

職場や家庭で、オープンなコミュニケーションを重視することが予防につながるといわれています。

とは言っても、本当に難しい問題です。

自分で解決が難しい場合は、会社では上司に相談してみましょう。

不機嫌ハラスメントについてのまとめ

不機嫌ハラスメントは、特別な言動ではなくても、周囲に大きな影響を与える行為です。

被害者も加害者も意識を変えることで、健全な人間関係を築くことができるといわれていますが無理は禁物です。

「不機嫌」

という小さな態度の変化が、大きなトラブルに発展する前に、できることから対処していきましょう。

そして「無理だ」と思った場合には、自分の心を守る事を一番に考えてくださいね。

>職場にいる嫌な上司の対策法の話

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