はじめに

2025年9月第2週から第3週にかけて、Microsoft は Windows 11 の次期大型アップデート「25H2」 の準備を進めると同時に、AIを使った新機能やセキュリティ改善を次々と展開しました。今回の動きは「大規模な新機能」ではなく「日常的な使いやすさと安定性の向上」に重点が置かれています。
本記事では、Windows 11 25H2 の概要、Insider ビルドでの最新改善点、AI・セキュリティ関連の動き、国内での影響や展望をまとめて解説します。
Windows 11 バージョン 25H2の登場
● 提供方式と特徴
- 25H2は 有効化パッケージ(enablement package)方式 を採用。すでに配信されている24H2をベースに、スイッチを入れるように機能を有効化する仕組みです。
- これにより、従来のような「数GB単位の置き換え型アップデート」ではなく、軽量かつ短時間で完了するのが特徴。
● 新機能よりも安定性重視
- 25H2には目を引く新機能は少なく、主に 不要機能の整理 が進みます。たとえば、古い PowerShell 2.0 や WMIC の削除。
- 「派手さはないが安心感を増すアップデート」と位置づけられています。
● サポート期間のリセット
- 25H2にアップデートすることで、Home/Pro は24か月、Enterprise/Education は36か月のサポートが新たに開始。
- 企業や教育機関にとっては、長期運用を見据えた安定した選択肢となります。
Insider ビルドでの新機能
25H2の正式公開を前に、Insider Programで先行テストされている機能が注目を集めています。
● File ExplorerのAIアクション
- 画像ファイルを右クリックすると「背景ぼかし」「オブジェクト消去」「背景除去」「Bing検索」などのAI操作が可能に。
- 将来的にはWordやPDFなどにも拡張される可能性があり、日常業務を効率化する一歩といえます。
● Click to Doの進化
- Copilotとの統合が進み、タスクをすばやく呼び出せる「プロンプトボックス」が追加。
- ジェスチャー操作やタグ付け改善により、操作性がさらに直感的になりました。
● UIとアクセシビリティ改善
- 時計に「秒表示」を追加可能に。細かいがユーザー要望が多かった改善点です。
- WidgetsやLock Screenのカスタマイズ性強化、検索結果の写真表示グリッドなど、日常で目に触れる部分のアップデートが多数。
- 視覚・聴覚サポート機能(ナレーター、Emoji 16.0対応)も進化し、誰にとっても使いやすいOSを目指しています。
セキュリティと安定性の改善
● 9月のセキュリティ更新(Patch Tuesday)
- 今月の更新では、脆弱性修正に加え、前述のUI改善も含まれています。
- 特に企業向けに Windows Backupの一般提供(GA) が進められ、重要なデータをクラウドに自動保存しやすくなりました。
● SSD故障の噂と調査結果
- 一部で「Windows UpdateがSSDを壊す」という声が広がりましたが、MicrosoftとSSDメーカーの調査により 大規模な問題は確認されず。
- 限定的な事例に過ぎず、安心して更新してよいと結論づけられています。
その他注目のトピックス
● ISOメディアの公式リリース
- Windows 11 25H2のISOファイルが公開され、Insiderユーザーはクリーンインストール可能に。
- IT管理者や検証環境を持つ企業にとっては重要なステップです。
● Copilot+ PC向け機能強化
- AI機能を活かす新世代PC向けに、スタジオエフェクト(背景ぼかし、自動フレーミング)が外付けWebカメラでも利用可能に。
- リモート会議やオンライン授業での利便性が向上します。
● 軽量版「Tiny11」人気
- 非公式ながら「Tiny11 Builder」が25H2対応に。不要なアプリやAI機能を省いた軽量Windowsを作成でき、古いPCでも動作可能に。
- ただしサポート外のため、利用は自己責任です。
日本国内での影響
- 日本語ISOも提供予定 → 国内ユーザーも早期に25H2を試せる環境が整います。
- 自治体との連携強化 → 大阪府がAIエージェント導入を進めるなど、国内でもAI活用の広がりが見えます。
- ハードウェア要件の壁が低下 → 軽量アップデート方式により、日本の一般家庭や中小企業でも比較的導入しやすいのが特徴。
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今週のまとめと展望
今週の動きから見えてきたポイントは次の通りです:
- 大規模更新ではなく小粒改善を積み重ねる方向へ
- AIを日常操作に組み込む流れが加速
- セキュリティ・安定性を軸に、長期利用を支える基盤を整備
- 国内でもAI行政活用や企業導入が進み、Microsoftの存在感が増す
今後数か月で25H2が正式リリースされると、「Windows 10終了(2025年10月)」を控えたユーザーの移行需要とも重なり、大きな注目を集めるはずです。
まとめ
2025年9月第2〜3週のMicrosoftは、 Windows 11 25H2の安定性強化、AIアクション機能の追加、アクセシビリティ改善 といった「小さな便利」を積み上げる方向にシフトしていました。これらは派手ではないものの、確実にユーザー体験を向上させる要素です。
日本ユーザーにとっても、来月以降のアップデート準備やWindows 10終了への移行戦略に関わる重要な時期となります。
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