はじめに
「Windows 11の更新後、なぜかパソコンがものすごく重い…でもCPU使用率は低いまま」
今、2025年6月のWindowsアップデート適用後に、こうした「謎の重さ」に悩む方が急増しています。
- タスクマネージャーを見てもCPUは20%以下
- ディスク使用率もそこまで高くない
- なのにマウスがカクカク、アプリがワンテンポ遅れる
- 最悪フリーズに近い状態になることも
この記事では、まさにこの「CPUは暇なのに重い」という厄介な症状について、原因と対処法をわかりやすく解説します。
どんな現象が起きているのか?
更新直後のPCで以下のような症状が報告されています。
現象 | 詳細内容 |
---|---|
マウス・キーボードの遅延 | カーソルが遅れる、キー反応が鈍い |
アプリが引っかかる | ウィンドウ切り替え時にプチフリーズ |
ファイル操作が異常に遅い | コピー・移動・保存が引っかかる |
起動後しばらく重い | 数分経過しないと安定しない |
CPU使用率は低い | 5〜20%程度しか使っていない |
このように、通常の「CPU使用率が高くて重い」というパターンとは違い、今回多発している現象は一見システムは余裕があるように見えても、裏側でストレージアクセスやプロセス待機が積み重なり、結果として極端な操作遅延が発生しています。とくに今回のWindowsアップデートでは、このタイプの「隠れた重さ」に悩むケースが増えています。
今回の6月アップデートとの関係
今回の2025年6月のWindows Update(特にKB5039302など)では、以下の要素が絡んでいます。
- カーネルレベルのセキュリティ強化
- ストレージI/O制御の最適化変更
- デバイスドライバーの互換性調整
- 新たなWindows Copilot関連のバックグラウンドプロセス
これらが影響して、一部の環境で「表面上は負荷が低いのに、実際は待機処理が積み重なっている」現象が起きています。
主な原因として考えられるもの
① ストレージI/Oの遅延
- SSDやHDDのI/O待機時間が高騰しているケースあり
- 特に古いSSD・外付けドライブ併用環境で報告多数
② プロセス間の待機・競合
- 非表示のバックグラウンドプロセスが大量に動作
- Windows Copilot、クラウド同期、Defenderスキャン、更新タスクなどが積み重なる
③ メモリリーク
- 一部の常駐アプリ(例:セキュリティソフト・クラウドアプリ)がメモリを食い続ける
④ Windows Defenderのリアルタイムスキャン暴走
- 更新直後に全ファイル再スキャンが入るケースがあり、表面上CPUは低くてもI/Oに負荷集中
⑤ USB・周辺機器ドライバーの不具合
- ドライバーの微妙な非互換がI/O全体に影響を及ぼす
対処法① システムファイル修復
更新プロセス中にシステムファイル破損が起きている可能性もあります。以下のコマンドを順に実行しましょう。
次に
システムファイルの破損は、アップデート適用中の小さなエラーや、ドライバー競合によって知らないうちに発生していることがあります。この修復作業を行うだけで、動作の引っかかりやアプリの異常が改善するケースも多いため、最初に試しておきたい基本の対策です。
対処法② ドライバー更新・見直し
- ストレージコントローラー(NVMe/ACHIドライバー)
- USBコントローラー
- チップセットドライバー
上記の最新ドライバーをメーカー公式からダウンロードし、適用します。
👉 逆に「最近更新して重くなった場合」はロールバックも検討。
対処法③ Windows Defenderの一時設定確認
Defenderが過剰に動いていないか確認します。
- セキュリティ → ウイルスと脅威の防止 → スキャン履歴確認
- 定期スキャンのタイミングをずらす
👉 完全無効化は非推奨ですが「スケジュール調整」は効果的です。
対処法④ 起動時常駐アプリの見直し
更新後にバックグラウンドアプリが増えていないか確認します。
- スタートアップアプリの整理
- OneDrive・Dropbox等の初期同期負荷の確認
- クラウド同期を一時的にオフにして負荷軽減
アップデート後は、意図せず自動起動が有効になったアプリが増えていることがあります。特にクラウド同期や常駐型のセキュリティソフトは、バックグラウンドで静かにCPUやストレージへの負荷をかけ続ける原因になりやすいため、一度整理しておくとパフォーマンスが大きく改善することもあります。
裏ワザ・補足情報
セーフモードでのI/O負荷確認
- セーフモード起動で一時的に動作が軽快なら、ドライバー起因の可能性大です。
LatencyMonで待機時間を可視化
- 無料ツール「LatencyMon」でDPC遅延やI/O待ちを可視化できます。
BIOSの設定確認
- 特に「ストレージ電源管理設定(APST)」が影響することがあります。
- BIOSを最新バージョンにアップデートしておくことで、こうしたストレージ制御の不具合が修正されるケースもあります。アップデートは、必ずパソコンメーカーやマザーボード製造元の公式手順に従って慎重に行ってください。
Windowsイベントビューアの確認
- 更新後に「待機」や「I/O遅延」に関係するエラーログが記録されている場合もあります、
- 特に System ログ → Event ID 129 (Storport) や Event ID 153 (Disk) は要注意です。
仮想メモリ(ページングファイル)の最適化
- 実メモリは十分でも、更新後に仮想メモリ設定が影響するケースがあります。
- 一度「自動管理」から「手動設定」にして容量を最適化すると改善することもあるようです。
補足コラム:なぜ「CPUは低いのに重い」現象が起こるのか?
一般的にパソコンの動作が重くなると「CPU使用率が上がっているのでは?」と思いがちですが、実際はストレージの読み書き待ちや、バックグラウンドでのプロセス競合が原因になるケースも多くあります。
特に最近のWindowsでは、セキュリティ強化やクラウド連携が進む中で、目に見えない部分での負荷が積み重なりやすくなっています。こうした「隠れた重さ」を解消するには、表面上のCPU使用率だけでなく、ストレージI/Oやメモリ消費、ドライバー状態まで広くチェックすることが重要です。
まとめ表
今回、ご説明した原因・症状・対策をわかりやすく表にしてみました。
原因 | 症状 | 対策 |
---|---|---|
ストレージI/O遅延 | 操作の引っかかり・保存遅延 | ドライバー更新・システム修復 |
プロセス競合 | アプリ切替遅延・マウス遅延 | 起動時常駐アプリ整理 |
Defender暴走 | 目に見えない重さ | スキャン履歴確認・スケジュール調整 |
メモリリーク | しばらくすると異常に重くなる | 常駐ソフトの更新・再インストール |
「CPU使用率は低いのに、なぜこんなに重いのか…」という状況は、今回のアップデート後に悩んでいる方が非常に多い現象です。焦らず原因をひとつずつ切り分けていけば、必ず改善できます。今後の更新で修正が進む可能性もありますので、状況を見ながら落ち着いて対応していきましょう。
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