「自分が本当にやりたいことが分からない」と悩む人は、少なくありません。
むしろ、多くの人が同じような悩みを抱えていると思います。
進学や就職、あるいは人生の節目で
「これでいいのだろうか?」
と立ち止まり、何かを探しているような感覚に襲われることもあるでしょう。
今日は、そんな方に寄り添いながら、どうやって「やりたいこと」を見つけるのか、
あるいは、見つからない自分をどう受け入れるのかについてお話ししたいと思います。
答えは人それぞれですが、少しでもあなたの心が軽くなり、自分を肯定するきっかけになれば幸いです。
まず最初に知っておいてほしいのは
「やりたいことが分からない」
という状態は、ごく普通のことだということです。
特に、情報があふれ、多様な選択肢がある現代では、自分の道を見つけるのは簡単ではありません。
周囲の人と比べて、
「あの人は夢を持っているのに、自分は何もない」
と焦ったりすることもあるかもしれません。
でも、夢や目標が明確な人も、実はその道にたどり着くまでにたくさんの迷いや葛藤があったのです。
彼らもまた、自分のやりたいことを探して、何度も試行錯誤を繰り返してきたはずです。
だから、「まだ見つかっていない自分」を責める必要はありません。
それどころか、「探している」ということ自体が、大切な一歩なのです。
何がやりたいか分からない原因とは?
「やりたいことが見つからない」と感じる理由には、いくつかの共通点があります。
現代社会では、インターネットやSNSを通じてさまざまな情報が手に入ります。
それ自体は素晴らしいことですが、選択肢が増えると逆に
「何を選べばいいのか分からない」
という状態に陥ることがあります。
「自分には才能がない」
「自分なんてどうせ…」
という考え方が強いと、やりたいことに挑戦する前に諦めてしまうことがあります。
自己評価が低いと、どんな選択肢も魅力的に感じられず、自分の可能性を狭めてしまいがちです。
自己固定観念が低い(=自己評価が低い、自己肯定感が低い)場合、人が考えがちな思考には、以下のようなパターンがあります。
1. 「自分には才能がない」
自分に価値があると信じられず、何かを始める前から諦めてしまうことがあります。
「自分は特別な能力や才能を持っていない」
と考え、結果として
「やりたいことなんてあっても無理」
と思いがちです。
しかし、才能やスキルは最初から備わっているものではなく、経験を重ねる中で育まれるものです。まずは「やってみる」ことからスタートしてみましょう。たとえ小さな一歩でも、その積み重ねが未来につながります。
2. 「失敗したらどうしよう」
「何かに挑戦して失敗したらどうしよう」
と考え、行動を起こせないこともあります。
周囲の目を気にしてしまい、「自分は失敗する価値のない人間」と思い込むこともあるでしょう。
失敗は、成功へのステップであり、経験を積む大切なプロセスです。誰もが最初は失敗を繰り返して成長します。小さな失敗を恐れず、「試してみた」こと自体を自分の価値として受け入れましょう。
3. 「自分には何も取り柄がない」
自分の長所や魅力を見つけられず、
「どうせ自分なんて…」
と自己否定的な思考に陥ることがあります。
その結果、「何をやっても自分には向いていない」と感じてしまいます。
そういう思考に陥ってしまった時は、自分では気づきにくい長所や魅力を周囲の人に聞いてみるのがおすすめです。
「そんなこと、人に聞けない」という場合は、自分で小さな成功体験を振り返り、自分ができたことを再確認することも有効な方法ですよ。
4. 「他人と比べて自分は劣っている」
周囲の成功している人や夢を追いかけている人と比べて、
「自分は何もできていない」
と思い込むことが多いです。
他人の華やかな部分だけを見て、自分の現状を過小評価してしまいます。
しかし、人はそれぞれ違うペースで成長します。
他人と比較するのではなく、昨日の自分と今日の自分を比べて、少しでも進歩している点に目を向けてみてくださいね。
5. 「自分は何をやっても続かない」
これは私もありがちなのですが、何かに挑戦して途中で挫折した経験があると、
「自分はどうせ最後までやり遂げられない」
と決めつけてしまうことがあります。
その結果、新しいことを始める勇気を持てなくなります。
しかし、「続けること」よりも、「始めたこと」にまずは価値を見出しましょう。
また、一度に完璧を目指すのではなく、小さな目標を設定し、少しずつ進めることで達成感を得やすくなります。
6. 「やりたいことなんて、自分には関係ない」
「やりたいことを見つけるのは一部の特別な人だけ」
と考え、自分はそれを追い求める資格がないと思ってしまうことがあります。
そのため、「自分の人生はこのままで仕方ない」と諦めがちになります。
「やりたいこと」は特別なものだけではありません。日常の中で少しでも「好き」と思えることを増やしていくことで、自分の心が自然と動く方向を見つけられるようになります。
思考の転換が「やりたいこと」への道を開く
このように、自己固定観念が低いと、つい自分を否定する思考に囚われがちになります。
しかし、その考え方を少しずつでも変えていくことが大切です。
「まだ見つかっていない」
ことをポジティブに捉え、自分を責めるのではなく、できることから一歩ずつ進んでみましょう。
それがやがて、「やりたいこと」を見つけるきっかけにつながります。
(私も常々自分に言い聞かせています)
家族や友人、社会の期待に応えようとするあまり、本当は自分がどうしたいのかが分からなくなってしまうこともあります。特に、日本では「こうあるべき」という無言のプレッシャーが強い傾向があります。
日々の忙しさに追われていると、自分の気持ちや感情に目を向ける時間がなくなります。「何が好きか」「何に興味があるか」といったシンプルな問いに答える余裕がなく、結果として「やりたいこと」が分からなくなってしまうのです。
次に、「やりたいこと」を見つけるためのいくつかの具体的な方法をご紹介します。これらを試してみることで、少しずつ自分の方向性が見えてくるかもしれません。
大きな夢や目標をいきなり見つけようとするのではなく、まずは日常の中で「好き」と感じることに目を向けてみてください。例えば、「本を読むのが好き」「友達と話すのが楽しい」「美味しいものを食べるのが嬉しい」といった小さなことでも構いません。
「好き」を積み重ねていくことで、自分が本当に興味を持っていることや、大切にしたい価値観が見えてくることがあります。
何かを始める前に、「これが自分に合うのだろうか?」と悩むことはよくあります。でも、実際にやってみないと分からないことも多いものです。興味を持ったことがあれば、とりあえず挑戦してみるのがおすすめです。
新しい趣味やスキルに挑戦することで、「これは違う」と分かることもあれば、「意外と楽しい」と感じることもあるでしょう。大切なのは、失敗を恐れずに行動することです。
子どもの頃に夢中になっていたことや、これまでの人生で「楽しい」と感じた瞬間を振り返ってみるのも効果的です。過去の自分が何を大切にしていたのかを思い出すことで、未来へのヒントが見つかるかもしれません。
例えば、小学生の頃に絵を描くのが好きだったのなら、イラストやデザインに興味があるのかもしれません。昔を振り返ることは、自分の根本的な興味や価値観を再発見するきっかけになります。
自分のことは意外と自分では分からないものです。信頼できる友人や家族に、「私の長所って何だと思う?」と聞いてみるのも一つの方法です。他人の視点から見た自分の魅力や得意なことが、新しい可能性を教えてくれるかもしれません。
「やりたいことが見つからない」と感じる期間は、決して無駄ではありません。それどころか、悩みや迷いの中にこそ、成長の種があります。焦らず、自分に優しく接してあげてください。
もしかすると、「何がやりたいか分からない」という状態そのものが、あなたにとっての大切なプロセスなのかもしれません。この時間を通じて、あなたは自分自身と向き合い、本当に大切なことを見つける力を育んでいるのです。
やりたいことが分からないと悩むのは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、それだけ真剣に自分の人生を考えている証拠です。だからこそ、焦らずに、自分のペースで「やりたいこと探し」の旅を続けてほしいと思います。
あなたが歩む一歩一歩が、必ず未来につながっています。この文章が、その旅路の少しでも助けになれば幸いです。
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