
BluetoothスピーカーとPCは接続済みなのに音が出ない…。そんなときは、原因が「出力先のズレ」「プロファイルの選択ミス」「一時的な接続不良」「ドライバや設定の不整合」に集約されることがほとんどです。この記事では、最短で直すチェックリスト → 症状別の深掘り手順 → それでもダメなときの最終手段の順で解説します。
まずは最短チェック(1分でできる)
- 音量アイコン右クリック → 「音量ミキサーを開く」で、アプリ別の出力先がPC内蔵のままになっていないか確認(ブラウザだけ無音の典型)。
- 設定 → システム → サウンド → 「その他のサウンド設定」(従来画面)で、「既定のデバイス」「既定の通信デバイス」の両方をBluetoothスピーカーに。
- サウンドの出力が「Headphones(Stereo)」ではなく「Headset(Hands-Free / AG Audio)」を選んでいないか確認(音楽・動画はStereo)。
- Bluetoothを一度オフ→オン/スピーカーを切断→再接続/必要なら削除→再ペアリング。
ここまでで直るケースが多数です。改善しない場合は、以下を順にどうぞ。
よくある症状と原因
症状 | 主な原因 | 対処の方向性 |
---|---|---|
接続済み表示なのに無音 | 出力先のズレ/Hands-Free選択 | ミキサーでアプリ別出力をBluetoothへ/Stereoを選ぶ |
YouTubeだけ無音、通知は鳴る | ブラウザの出力先だけ内蔵に固定 | 音量ミキサーでブラウザの出力先をBluetoothへ |
音が極端に小さい | Absolute Volume相性 | 上級者向けの回避策(後述) |
通話すると音質が急低下 | Hands-Freeプロファイルへ自動切替 | Stereoを選択/LE Audio対応なら設定ON |
接続が不安定・途切れる | 干渉/ドライバ古い/距離 | 2.4GHz干渉回避/ドライバ更新/距離短縮 |
手順1:出力先を正しくそろえる
(A)アプリ別の出力先を合わせる
- タスクバーの音量アイコンを右クリック → 音量ミキサーを開く
- 「アプリ」欄でブラウザ(Edge/Chromeなど)を開き、出力デバイスをBluetoothスピーカーへ
(B)「既定のデバイス」「既定の通信デバイス」を両方設定
- 設定 → システム → サウンド → 詳細設定 → その他のサウンド設定
- 「再生」タブでBluetoothスピーカーを右クリック → 既定のデバイスに設定と既定の通信デバイスに設定
古いアプリや通話アプリは「通信デバイス」に音を出すことがあります。両方そろえると安定します。
手順2:Stereo / Hands-Free を正しく選ぶ
同じ機器でも「Headphones(Stereo)」と「Headset(Hands-Free/AG Audio)」が別表示されます。音楽・動画はStereoを選択してください。Hands-Freeは通話用で、無音・低音質の原因になります。
手順3:Bluetoothをリフレッシュ(切断→再接続/再ペアリング)
- 設定 → Bluetoothとデバイス → デバイス
- スピーカーを切断→数秒待って接続
- 直らなければデバイスの削除→再ペアリング
接続情報が不整合を起こした場合、削除→再ペアリングで改善します。
手順4:音量・ミュート・キーボードの誤操作を確認
- スピーカー本体のボリューム/ミュート
- Windowsの音量、アプリ個別の音量(音量ミキサー)
- Fn+音量キーでミュートしていないか
手順5:トラブルシューティングを実行
- 設定 → システム → トラブルシューティング → その他のトラブルシューティング
- 再生オーディオを実行 → 案内に従う
よくある設定ミスやドライバの不整合を自動診断・修復してくれます。
手順6:ドライバを更新/入れ直す
- スタートを右クリック → デバイス マネージャー
- Bluetooth/サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラーを展開
- 対象デバイスを右クリック → ドライバーの更新(またはデバイスのアンインストール→再起動で自動再導入)
メーカー配布のユーティリティやWindows Update経由の更新も確認してください。
補足(対応機器向け):LE Audioの活用
- 設定 → Bluetoothとデバイス → デバイスにある「使用可能な場合はLE Audioを使用」をON(表示がなければ非対応)
Windows 11ではLE Audio対応デバイスでの体験が向上しています。24H2以降では、対応ヘッドセットでマイク使用中もステレオ品質を維持できる設定が追加されています(機器・PC側の対応が必要)。
それでもダメなときの最終チェック
- 干渉回避:2.4GHz帯の干渉(Wi-Fi、電子レンジ等)を避ける/PCとスピーカーの距離を詰める
- 別デバイスで検証:スマホや他PCで音が出るか → 切り分け
- オーディオサービス再起動:サービス管理で「Windows Audio」「Windows Audio Endpoint Builder」を再起動
- 設定のリセット:サウンド設定を初期化(音量ミキサーのリセット等)
上級者向け:Absolute Volume相性の回避
一部スピーカーで音が極端に小さい/出ない場合、WindowsのAbsolute Volumeと相性が出ることがあります。自己責任で以下を試してください。
Win + R → regedit
を開くHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Control\Bluetooth\Audio\AVRCP\CT
へDisableAbsoluteVolume
(DWORD 32bit)を作成/値を1 → 再起動
Windows Updateで設定が元に戻ることがあります。再発時は同様に設定してください。
補足情報(2025年版)
Bluetooth 6.1が2025年に公開され、プライバシー保護や省電力などの強化が進んでいます。今後の対応機器では、接続の安定性や電池持ちの改善が期待できます(導入には対応ハードが必要)。
まとめ
- まずは音量ミキサーでアプリ別の出力先をBluetoothへ、既定の2種類(通常/通信)をそろえる。
- 音楽・動画はStereoを選ぶ(Hands-Freeは通話用)。
- 直らなければ切断→再接続/再ペアリング、トラブルシューティング、ドライバ更新。
- 対応機器ならLE Audioも確認。
ほとんどのケースは設定の見直しで解決します。順番に落ち着いて確認してみてください。
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接続が不安定/非対応PC向けの解決策
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