
「Chromeがまったく動かない」「白ウィンドウが一瞬出て消える」
そんな時は、原因を安全な順番で切り分けるのが最短です。本記事は、GPU・拡張機能・プロファイル・セキュリティ・OS側の競合まで、初心者でも迷わず進められるように手順化しました。
まず結論(TL;DR)
- ① 一時プロファイル+GPU無効+拡張無効で起動確認 → 開けば「設定/拡張/プロファイル」起因
- ② プロファイル再生成 → 既存データ破損が多い
- ③ セキュリティと権限(Windows/他社AV/制御されたフォルダーアクセス)を見直し
- ④ グラフィックドライバー/Windows更新を適用
- ⑤ クリーン再インストール(オフラインインストーラー推奨)
- ※それでもダメなら上級者向けセクション(イベントログ、SFC/DISM、ポリシー/注入検知の切り分け)へ
症状の例
- アイコンを押すと白いウィンドウが一瞬出て消える/ウィンドウが全く開かない
- タスク マネージャーにchrome.exeが一瞬出てすぐ消える/状態が変化しない
- エラー表示が出ない/ログが残らない
原因のよくあるパターン
| カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| プロファイル/拡張 | 拡張機能の衝突、ユーザープロファイル破損 |
| GPU/描画 | ドライバー不整合・ハードウェアアクセラレーション起因 |
| セキュリティ | 他社AV/Windowsの保護機能・制御されたフォルダーアクセスでブロック |
| OS/アプリ競合 | 他プロセスの注入・ポリシー/制限、古い常駐の干渉 |
手順①:一時プロファイルで“素のChrome”を起動(最短の切り分け)
Windowsキー + R → 次を貼り付けてEnter(一時プロファイル+GPU無効+拡張無効)
chrome.exe –user-data-dir=”%LOCALAPPDATA%\ChromeTemp” –disable-gpu –disable-extensions
これで起動すれば、拡張/設定/既存プロファイルのいずれかが原因。次の②へ。
手順②:プロファイルを再生成(最も効果的)
- Windowsキー + R →
%LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data DefaultフォルダーをDefault_oldへリネーム- Chromeを通常起動(新規プロファイルが作成されます)
起動できたら、拡張は1つずつ戻す(原因拡張を特定)。ブックマーク等はGoogleアカウント同期で復元可。
手順③:セキュリティ機能のブロックを解除
- Windows セキュリティ → ウイルスと脅威の防止:許可リストに chrome.exe
- ランサムウェア対策 → 制御されたフォルダーアクセス:一時的にオフで起動確認 or chrome.exe を許可アプリに追加
- 他社AVを使っている場合は保護を一時停止→起動確認→例外に登録→保護を再オン
注意:保護をオフにしたまま常用しないでください。確認後は必ず元に戻します。
手順④:GPU/ドライバーを更新・設定変更
- グラフィックドライバーを最新へ(Windows Update/メーカー提供)
- Chromeが起動できるなら 設定 → システム → ハードウェア アクセラレーションをオフ → 再起動
- Windows 設定 → システム → ディスプレイ → グラフィックで chrome.exe を省電力にする(外部GPU切り分け)
手順⑤:クリーン再インストール(確実化)
- Chromeをアンインストール(「閲覧データを削除」にチェック)
- %LOCALAPPDATA%\Google の残骸フォルダーを削除
- 公式オフラインインストーラーで再インストール(ネットワークや常駐の影響を受けにくい)
※どうしても起動しない場合は、Canary / Beta で一時回避できることがあります(通常版と併存可能)。
上級者向け:根本原因の追跡
- イベント ビューアー:Windows ログ → アプリケーション で chrome.exe/Code Integrity/.dll関連のエラーを確認
- システム修復(管理者のPowerShell/コマンド): sfc /scannow DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 拡張の強制無効:起動オプション
--disable-extensions単体で再確認 - DLL注入の疑い:古い常駐が chrome.exe に注入→クラッシュする例。レジストリの AppInit_DLLs は業務用途/検証時のみ、空にして再起動(一般ユーザーは非推奨)
- ポリシー/保護の干渉切り分け:企業環境のWDAC/Exploit Protection/ASRでブロックされる場合は一時除外で実験(戻し忘れ注意)
やらない方がいいこと:--no-sandbox 常用、恒久的な保護オフ、根拠のない互換モード常用。いずれもリスクが高く推奨しません。
代替ブラウザ(作業継続のための一時措置)
| ブラウザ | ポイント |
|---|---|
| Microsoft Edge | Chromium系で互換性◎。Windows連携が安定 |
| Brave | Chromiumベース。標準で広告ブロック |
| Firefox | 非Chromium。拡張/プライバシー重視 |
一時移行のコツ:まずは代替ブラウザの設定 → 取り込み/インポートから、Chromeのブックマーク・履歴・パスワード(Googleアカウント同期)を読み込みます。既定のブラウザを一時的に変更し、業務で使う拡張機能は代替品(例:広告ブロック/パスワード管理/翻訳)を1つずつ追加。
復旧後にChromeへ戻す場合は、代替側からエクスポート(ブックマークHTMLなど)→ChromeでインポートすればOK。想定以上に快適なら、そのまま乗り換えても問題ありません(Chromium系はショートカットや拡張の互換が高めです)。
よくあるFAQ
Q. タスク マネージャーの「一時停止」って何?
Windowsがアプリを省リソース化する状態の表示です。Chromeが起動直後から継続的に一時停止なら異常。上記の手順で切り分けを。
Q. 再インストールしても直らない…
プロファイル破損や拡張衝突が多いので、手順②(プロファイル再生成)を先に実施。次に手順③〜④で権限/ドライバーを確認。
Q. データは戻せる?
Googleアカウント同期なら、ログイン後にブックマーク/履歴/パスワードは復元可能。ローカルのみの場合は旧フォルダー(Default_old)から手動移行します。
[スポンサーリンク] 切り分け・再インストール・バックアップをスムーズに
まず揃えておくと安心の3点
- USBメモリ(32〜64GB):オフラインインストーラーや一時バックアップに
- 外付けSSD(500GB〜1TB):プロファイル退避/データ保全に高速・安心
- USB-Cケーブル(データ対応):周辺機器接続や給電を安定化
※再インストール前に重要データは必ず外付けへ退避。USBはexFAT推奨で大容量ファイルも安心。
まとめ
- 一時プロファイル+GPU/拡張オフでまず起動確認
- プロファイル再生成が最も成功率高い
- セキュリティ許可/制御フォルダ/ドライバーの順で詰まりを解消
- 最終手段はオフラインでクリーン再インストール、作業継続は代替ブラウザで
Chromeが起動しない原因は、拡張機能の衝突やプロファイル破損、セキュリティ機能のブロック、GPU/ドライバー不整合などが複合することが多いです。上の手順どおりに軽い対処から順番に切り分ければ、高確率で「起動する状態」に戻せます。特にプロファイル再生成と権限(制御されたフォルダーアクセス等)の見直し、ドライバー更新/ハードウェアアクセラレーション無効化の3点が効きやすいポイント。改善しない場合はイベントログ確認→SFC/DISM→オフライン再インストールへ進み、作業は一時的にEdge/Brave/Firefoxで継続して業務を止めないのがおすすめです。
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