【2025年版】イベントビューアーでPCトラブルの原因を特定する方法|よくあるエラーの読み解き方

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突然のフリーズや予期しない再起動が続くと、原因が分からず不安になりますよね。そんなときに頼れるのが イベントビューアー(Event Viewer) です。Windows が記録している「システムの出来事(ログ)」を時系列で確認でき、トラブルのヒントが見つかります。

本記事では、イベントビューアーの基本、見るべきログ、頻出のイベントIDと対処法、詳細ログの読み方、検索のコツまでを丁寧に解説します。


イベントビューアーとは?

イベントビューアーは、Windows 内部で起きた出来事を エラー/警告/情報 といったレベルで記録するツールです。いわば「PCの活動日誌」。
アプリの異常終了、ドライバーの不具合、サービス起動失敗、電源まわりの問題など、症状の“直前に何が起きたか”を追跡できます。


イベントビューアーの起動方法

  1. 検索から
    スタートメニューを開き「イベントビューアー」と入力 → 表示されたアプリをクリック。
  2. ファイル名を指定して実行から
    Windowsキー + Reventvwr.msc → Enter。
  3. コマンドから
    コマンドプロンプト(cmd)を開く → eventvwr.msc を実行。

まず見るべきログ

  • Windows ログ → システム … OS/ドライバー/電源・ストレージ系の要因を把握。
  • Windows ログ → アプリケーション … アプリ側のクラッシュや例外を把握。

必要に応じて「カスタムビュー」でエラーと警告だけを抽出しておくと再調査が楽になります。


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よくあるイベントIDと安全に試せる対処法

10016(DistributedCOM):アクセス許可関連

アプリが DCOM コンポーネントへアクセスする際の権限不足で記録されることがあります。単発で致命的影響がなければ 経過観察でも可

原因の例

  • 特定アプリの設定不整合
  • セキュリティ設定による制限
  • ドライバーや常駐ソフトの競合

まず試すこと

  • PC/該当アプリの再起動
  • Windows Update の適用(修正が含まれる場合あり)

上級者メモ
dcomcnfg(コンポーネントサービス)で該当 CLSID/AppID のセキュリティを確認・調整可能。ただし誤設定は副作用が大きいため、十分な知識がない場合は触らないのが安全です。


41(Kernel-Power):正常に終了しなかった

突然の電源断、ブルースクリーン、ハングなどで 前回シャットダウンが正常に完了していない 状態を示します。頻発するなら 電源・熱・メモリ を疑います。

原因の例

  • 電源ユニットの劣化/容量不足
  • 熱暴走(ホコリ、ファン不良)
  • メモリやマザーボードの故障
  • ドライバー不具合/BIOS設定

まず試すこと

  • ケーブルとタップの差し直し、別コンセントで検証
  • 外付け機器を外して最小構成で起動
  • BIOS/UEFI を既定値に戻す(Load Default)
  • ケース内の清掃(ホコリ除去・ファン回転確認)

上級者メモ

  • 代替 PSU でのクロステスト
  • Memtest86+ 等でメモリ診断
  • マザーボード付属の診断ツール実行

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7000〜7026(Service Control Manager):サービス起動失敗

サービス起動に必要なファイル欠落・依存サービス未起動・権限不備などで記録されます。

原因の例

  • 依存関係の未起動/遅延
  • インストール/アンインストール時の破損
  • 実行アカウントの権限不足

まず試すこと

  • 再起動 → 再発確認
  • Windows Update の適用
  • システムの復元(発生前のポイントがある場合)

上級者メモ

  • services.msc で対象サービスを開き、依存関係ログオンスタートアップの種類を確認
  • イベントの詳細でエラーコードやファイル名を特定

1001(Windows Error Reporting):アプリのクラッシュ

アプリが異常終了した記録です。特定アプリで繰り返すなら、アプリ側の問題やドライバー・互換性を疑います。

原因の例

  • アプリのバグ/設定破損
  • メモリ不足・GPUドライバーの不具合
  • 互換性の不一致

まず試すこと

  • アプリの再起動/更新
  • 他アプリを閉じてメモリを確保
  • PC を再起動

上級者メモ
アプリの再インストール、GPU ドライバーの更新/ロールバック。イベント詳細の 例外コード/故障モジュール を手掛かりに検索。


2004(Resource-Exhaustion-Detector):メモリ不足

多アプリ同時起動や重い処理で RAM が枯渇すると記録。頻発するなら 増設 を検討。

まず試すこと

  • 不要アプリ/タブを閉じる
  • タスクマネージャーでメモリ使用率の高いプロセスを確認
  • 再起動でメモリをリフレッシュ

上級者メモ

  • 仮想メモリ(ページファイル)設定を「自動」か十分な固定値へ
  • スタートアップを見直し、常駐を削減
  • 物理メモリ増設

9 / 11 / 15(Disk):ストレージ系のエラー

HDD/SSD の読み書きエラー。物理故障・ケーブル不良・ドライバー不具合・ファイルシステム破損などが原因。データ退避を最優先

まず試すこと

  • 重要データのバックアップ
  • 内部 SATA/電源ケーブル、外付けなら USB ケーブルを再確認
  • エクスプローラー → 対象ドライブ右クリック → プロパティ → ツール → エラーチェック

上級者メモ

  • S.M.A.R.T.(CrystalDiskInfo 等)で健康状態を確認、注意/警告なら交換検討
  • ストレージコントローラー/ディスクドライバーの更新 or 直前に更新した場合はロールバック

イベントの「詳細ログ」を読んで核心に近づく

イベントをダブルクリックすると [全般][詳細] を確認できます。

  • 全般:イベントID/ソース/レベル/説明文/時刻など。
    とくに 説明 は、故障モジュール名、エラーコード、ファイルパス等の“検索キーワードの宝庫”です。
  • 詳細:XML など技術的情報。理解が難しくても コードやモジュール名 を拾って検索価値あり。

例:アプリケーション エラー(ID:1000)

  • 障害アプリ:hogehoge.exe
  • 障害モジュール:ntdll.dll
  • 例外コード:0xc0000005(アクセス違反)
    → アプリの再インストール、アドオン無効化、GPU/周辺ドライバー確認、直近の Windows 更新との相性チェック、で切り分けます。

ポイント

  • 説明全文 or 例外コードをそのままコピーして検索
  • 発生時刻を軸に前後のエラー/警告と相関を見る
  • ソース名 + イベントID の組み合わせで検索精度を上げる

調べ方のコツ(検索で迷わないために)

  1. Microsoft 公式情報を最優先
    「Microsoft イベントID 〇〇」「Event ID 〇〇 Microsoft」などでナレッジベースを当たる。
  2. 信頼できる技術コミュニティも併用
    内容に一貫性があるか、再現手順や根拠が示されているかで信頼度を判断。
  3. 英語検索も試す
    「Event ID 〇〇 error」「Kernel-Power 41 fix」など。技術情報は英語が豊富です。
  4. 環境情報をキーワードに追加
    「Windows 11 23H2」「更新プログラム KB~」「ドライバー名」などで的確にヒット。
  5. 新しい情報を優先
    検索結果を“1年以内”などに絞り、古い対処法による副作用を避ける。

さらに精度を上げる補助ツール&小ワザ

  • 信頼性モニター:スタートで「信頼性」で検索 → アプリ/更新失敗を日別で俯瞰。
  • カスタムビュー:イベントビューアー左ペイン → 「カスタムビューの作成」で レベル=エラー/警告 を保存。
  • ログの保存:再発調査や問い合わせ用に .evtx でエクスポート。
  • 最小再現:クリーンブートやセーフモードで再現性を確認し、ソフト競合を切り分け。
  • ミニダンプ:ブルースクリーンが出る場合は自動的に生成されることが多い。C:\Windows\Minidump を解析ツール(WhoCrashed / BlueScreenView など)で参照(利用は自己責任で)。

まとめ

  • イベントビューアーは “症状の直前に何が起きたか” を教えてくれる 原因特定の近道
  • まずは システム/アプリケーション ログの エラー/警告 を時系列で確認。
  • 10016/41/7000台/1001/2004/Disk(9/11/15) は頻出。本文の手順で安全に切り分けましょう。
  • 詳細ログの説明文・例外コード・モジュール名 は検索キーワードの核心。
  • 公式情報を軸に、複数ソースで裏取りしながら最新情報を優先して対処してください。

「なんとなく難しそう…」と感じるツールですが、見る場所と順序さえ押さえれば、原因に手が届きます。今日の手順を保存しておき、トラブルの際は落ち着いて一つずつ確認してみてください。きっと解決への糸口が見つかります。


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