Excel365を使用していると、セルを複数選択した際に右下に表示される「合計」「平均」「データの個数」などの情報が、本来ならきちんと表示されるはずなのに、一部が切れて見えないというトラブルがあります。
実際、この現象は「同じファイル」「同じバージョンのExcel」でも、PCを入れ替えたタイミングで発生することが多く、「以前のPCでは表示されていたのに、新しいPCでは文字が途中で途切れる」と感じている方も多いようです。
この問題には、主に以下のような原因と解決策があります。
- 1 原因1:ディスプレイのスケーリング設定
- 2 原因2:Windowsの画面解像度やレイアウトの違い
- 3 原因3:Excelの表示倍率(ズーム設定)
- 4 原因4:ExcelやOfficeのバグや一時的な表示不具合
- 5 原因5:フォントや言語設定の違い
- 5.1 対処法
- 5.2 補足①:Officeアプリ全体の表示スケーリング設定を変更する方法
- 5.3 補足②:Officeのハードウェアグラフィックアクセラレーションを無効にする
- 5.4 補足③:複数モニターを使用している場合のチェック
- 5.5 補足④:表示が崩れているのは「Excel」だけか?
- 5.6 補足⑤:ステータスバーを一度「非表示→再表示」にしてみる
- 5.7 補足⑥:同じOffice365でも「Excel Online」ではこの問題は起きにくい?
- 5.8 補足⑦:「合計」や「平均」が表示されない=選択範囲に空白や文字が含まれている可能性も
- 5.9 補足⑧:一時的なバグの可能性もあるため、Officeサポートへの問い合わせも検討
- 6 まとめ
原因1:ディスプレイのスケーリング設定
最近のPCは高解像度ディスプレイが標準化しており、Windows側で自動的に「拡大率(スケーリング)」を125%や150%に設定している場合があります。
この設定がExcelのUI(ユーザーインターフェース)に影響し、ステータスバーが正しく描画されず、文字が切れることがあります。
対処法
- デスクトップ上で右クリック →「ディスプレイ設定」
- 「拡大縮小とレイアウト」項目の「拡大縮小」を確認
- 100%に設定してみて、Excelを再起動
ただし、100%にすると文字が小さく見にくくなる場合があるため、適宜調整が必要です。

原因2:Windowsの画面解像度やレイアウトの違い
以前のPCとは画面サイズや解像度が異なる場合も要因のひとつです。特に、ウルトラワイドモニターや4Kディスプレイを使用していると、Excelの下部が微妙にカットされて表示されることがあります。
対処法
画面の解像度を一段階下げて、Excelの表示が改善されるか確認してください。
原因3:Excelの表示倍率(ズーム設定)
Excel内でズーム倍率が変更されていると、ステータスバーの表示にも影響します。
対処法
Excelの画面右下にあるズームスライダーで「100%」に戻してみてください。
原因4:ExcelやOfficeのバグや一時的な表示不具合
まれに、Excelの更新直後やOfficeバージョンアップ直後などに、ステータスバーの描画不具合が一時的に発生することがあります。
対処法
- Excelを一度閉じて、PCを再起動する
- Officeの更新プログラムを確認し、最新状態に保つ
- セーフモードでExcelを起動して確認する([Ctrl]キーを押しながらExcelを起動)
原因5:フォントや言語設定の違い
Officeの言語設定や、PCにインストールされているフォントが異なることで、微妙なレイアウト崩れが起きるケースもあります。
対処法
Officeの言語設定が旧PCと同じになっているかを確認してください。
「ファイル」→「オプション」→「言語」から確認できます。
補足①:Officeアプリ全体の表示スケーリング設定を変更する方法
Windowsの設定だけでなく、Office側に「高DPI対応のモード切替」オプションがあります。
操作手順
- Excelを開く
- 「ファイル」→「オプション」→「全般」
- 画面下部の「ユーザーインターフェイスのオプション」にある
「ディスプレイに最適な表示を使用しない(互換モード)」にチェック - Excelを再起動して確認
これで、Excel側がディスプレイの拡大率にうまく対応できる場合があります。
補足②:Officeのハードウェアグラフィックアクセラレーションを無効にする
環境によってはグラフィック表示の問題がUIに影響している可能性があります。
操作手順
- Excel →「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「表示」カテゴリ内の「ハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にする」にチェック
- 再起動して改善するか確認
補足③:複数モニターを使用している場合のチェック
ディスプレイが複数台ある場合、それぞれに拡大率(スケーリング)が異なると表示崩れが起きることがあります。特に、Excelのウィンドウをサブディスプレイに移動したときにだけ文字切れが起きるような場合は、すべてのディスプレイのスケーリングを揃えることで改善されることがあります。
補足④:表示が崩れているのは「Excel」だけか?
他のOfficeアプリ(Word、PowerPoint)では問題がないかも確認しておくと、Excel固有の問題なのか、PC環境全体の問題なのかを切り分ける手がかりになります。
補足⑤:ステータスバーを一度「非表示→再表示」にしてみる
まれにUIのリフレッシュで直ることがあります。
操作手順
- ステータスバー上で右クリック
- 「合計」「平均」などのチェックを一度外し、再度チェックを入れ直す
- Excelを再起動
補足⑥:同じOffice365でも「Excel Online」ではこの問題は起きにくい?
実は、ExcelのWeb版(Excel Online)では、こうした表示崩れはあまり見られません。これはWebブラウザ上で動作しているため、Windows側の表示スケーリングや高DPI設定の影響を受けにくいためです。
ただし、Web版には機能制限があり、ステータスバー自体が表示されないなど、確認できない項目もあります。あくまで一時的な確認手段として考えるのが良いでしょう。
補足⑦:「合計」や「平均」が表示されない=選択範囲に空白や文字が含まれている可能性も
これは見逃しがちですが、選択したセルに「空白セル」や「文字列」が混ざっていると、「合計」や「平均」が表示されない場合があります。
「切れている」と思っていた表示が、実は「出ていない」だけだったというパターンもあるため、セル内容も確認しておくと安心です。
補足⑧:一時的なバグの可能性もあるため、Officeサポートへの問い合わせも検討
どうしても改善しない場合は、Microsoftのサポートに直接問い合わせるのも選択肢です。Office365ユーザーであれば、サブスクリプションに「サポート付き」が含まれており、チャットや電話で迅速な対応を受けることができます。
また、フィードバック機能から「問題を報告する」を送信することで、将来的なアップデートで修正対象になる可能性もあります。
まとめ
このように、Excel365の右下に表示されるステータスバーの文字切れ問題は、「PCの表示設定」や「ディスプレイ環境」「Officeの挙動」によって左右される繊細な問題です。
以前のPCで問題なかったからといって、新しいPCでも必ず同じように表示されるとは限りません。まずは、表示倍率や拡大率、解像度を確認し、それでも改善しない場合は、ExcelやOfficeの再起動・更新を試してみてください。
【おすすめ記事】
▶︎『お仕事テクニック』WindowsでGoogleスプレッドシートを“Excel感覚”で使うコツ