
カフェや駅、空港でよく見かけるフリーWi-Fi。便利な反面、「個人情報が抜かれるのでは?」「VPNがないと危険?」と心配になる方も多いでしょう。
確かにVPNは非常に有効なセキュリティ手段ですが、VPNが使えない状況でも最低限できる対策はあります。この記事では、VPNなしでもフリーWi-Fiを比較的安全に使うための方法を8つにまとめました。
1. HTTPS接続のみを利用する
HTTPS(暗号化通信)のあるサイトだけを利用することで、通信内容を盗み見されるリスクを大幅に減らせます。
アクセスする際はURLが「https://
」から始まっているか、鍵マーク(🔒)が表示されているかを必ず確認しましょう。
*現代の多くのウェブサイトはHTTPSに対応していますが、一部の古いサイトでは未対応の場合もあるため注意が必要です。
2. 共有フォルダやプリンター共有を無効にする
同じWi-Fiに接続している他のユーザーから自分のPC内のフォルダやプリンターが見える設定になっていると、情報漏洩の危険があります。
フリーWi-Fiに接続する前に、ファイル共有機能はオフにしておきましょう。
*Windowsでは「コントロールパネル」→「ネットワークと共有センター」→「共有の詳細設定」で確認できます。
3. 接続先ネットワークは「パブリック」として設定する
WindowsやMacでは、ネットワークの種類を「パブリック」に設定することで、外部との通信が制限され、防御力が高まります。
ネットワーク接続時に「このネットワークを信頼しますか?」と聞かれたら「いいえ」を選択してください。
「パブリック」設定にしておくと、自動的に共有機能などが制限され、セキュリティが強化されます。
4. 自動接続を無効にする
一度使ったフリーWi-Fiに次回も自動接続してしまうと、悪意ある同名のWi-Fi(なりすまし)にもつながってしまうリスクがあります。
フリーWi-Fiは「手動接続」が原則です。
接続設定で「自動的に接続する」のチェックを外すか、接続後に「このネットワークを削除」しておきましょう。
5. ファイアウォールを有効にしておく
ファイアウォールを有効にしておくことで、不審な通信や外部からのアクセスをブロックすることができます。
特にフリーWi-Fiでは、他のユーザーが同じネットワーク上に存在しているため、知らないうちにアクセスされる危険性があります。
Windowsの場合、「Windowsセキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」から確認できます。
6.2段階認証を設定する
Windowsの場合
「Windowsセキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」
から確認できます。
万が一、フリーWi-Fi使用中にログイン情報が漏れても、2段階認証があれば第三者はログインできません。
7.ソフトウェアやブラウザを常に最新に保つ
古いバージョンのOSやブラウザには脆弱性が残っていることが多く、フリーWi-Fi下で狙われやすくなります。セキュリティ更新を怠らず、定期的にアップデートを行いましょう。
特にChromeやEdgeなど、ブラウザの更新はワンクリックでできるので習慣にするのがおすすめです。
8.フリーWi-Fi使用中は「重要な操作」を避ける
ネットバンキング、オンラインショッピングでのクレジットカード入力、個人情報の入力などは、フリーWi-Fi上では極力避けましょう。必要な場合はモバイル回線やVPNを使用し、安全性を高めてください。
「見るだけ」であれば大丈夫でも、
「入力する」行為は盗み見のリスクが跳ね上がることを理解しておく必要があります。
なぜVPNがないと不安なのか?リスクを具体的に知っておこう
「VPNを使わないと危ない」とよく言われますが、それはなぜでしょうか?理由は、フリーWi-Fiの多くが暗号化されていない通信を行っているため、第三者が通信内容を盗み見ることができてしまうからです。
例えば、次のようなリスクがあります。
- 通信の盗聴:パスワードやクレジットカード情報などが漏洩する可能性
- 偽Wi-Fiに接続してしまう:「Free_WiFi」などの名前に偽装された危険なアクセスポイントに自動で接続
- セッションハイジャック:ログイン中のアカウントを第三者に乗っ取られる可能性
これらは実際に世界中で報告されている被害で、特にITリテラシーが高くない人ほど狙われやすい傾向にあります。
どうしても不安なときの対処法
もし対策をしても不安が残る場合、以下のような裏ワザもあります。
- スマホのテザリングを使う:一番安全なのは自分のモバイル回線を使うことです。
- メールなどはアプリで開かない:ブラウザから開くことで、より安全に利用できる場合があります。
- ログイン後すぐにログアウト:セッションハイジャックを防ぐため、用が済んだらすぐにログアウトしましょう。
また、クラウドやSNSなどの重要なアカウントには、あらかじめ「ログイン通知」や「新しいデバイスからのアクセス通知」をオンにしておくことで、異常をすぐに察知することができます。
旅行や出張時にも使える!持ち歩きセキュリティTips
旅行先や出張中など、どうしてもフリーWi-Fiを使わざるを得ない場面では、以下のような準備をしておくと安心です。
- USB型Wi-Fiルーターを持参(日本でもAmazonなどで入手可能)
- 事前にVPNをインストールしておき、必要なときにだけ起動
- クラウドには必要最低限のデータだけを置いておく
つまり「できるだけ通信を発生させない工夫」こそが最大の防御策です。どうしても使いたい場合でも、アクセス先や操作内容を慎重に選ぶようにしましょう。
スマホ・タブレットでもDNSとVPNを設定しよう(iOS対策)
iPhoneやiPadなどのモバイル端末をフリーWi-Fiで使う場合も、セキュリティ意識がとても重要です。近年は、スマホを狙った「偽Wi-Fi」や「中間者攻撃」も増えており、端末側の対策が欠かせません。
特に重要なのが以下の2つです。
- ① VPNをオンにする(自動接続設定がおすすめ)
- ② DNSを信頼できるものに手動で変更(例:1.1.1.1、8.8.8.8など)
DNSを手動で設定することで、悪意あるネットワークが勝手に不正なDNSに切り替えるリスクを防げます。また、VPNと併用すれば、通信の暗号化と経路の安全性が大きく向上します。
iPadやiPhoneでは、「設定 → Wi-Fi → 使用中のネットワーク → DNSを構成 → 手動」で1.1.1.1
と1.0.0.1
などを入力すればOKです。
そもそもDNSとは、インターネット上の「住所録」のような仕組みです。
私たちがWebサイトの名前(例:google.com)を入力すると、DNSがその名前をIPアドレスに変換して、正しい場所に案内してくれるのです。
このDNSを手動で設定することにより、アクセス履歴の追跡を防ぎ、セキュリティとプライバシーの保護につながります。
私自身も、事務所のフリーWi-Fiを使うときは、毎回この「手動DNS設定」を行っています。
では、なぜ 1.1.1.1 と 1.0.0.1 の2つを入力するのかというと、それぞれに役割があります。
1.1.1.1 … 通常使用されるメインのDNSサーバー
1.0.0.1 … 1.1.1.1 が使えない時の予備サーバー(バックアップ)
この2つのDNSは「Cloudflare(クラウドフレア)」という会社が提供しており、高速かつプライバシーを重視した設計で、セキュリティ意識の高いユーザーには“定番の構成”として知られています。
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サービス名 | 特徴 | スポンサーリンク |
---|---|---|
ExpressVPN | 業界最速・安定。世界中で高評価。動画配信にも強い | ▶︎ 詳細を見る |
NordVPN | 信頼性・速度・コスパすべて◎。日本語対応も充実 | ▶︎ 詳細を見る |
Surfshark | コスパ最強&同時接続無制限。初心者でも簡単 | ▶︎ 詳細を見る |
Millen VPN | 日本企業が運営。安心感がありテレワークにも最適 | ▶︎ 詳細を見る |
セカイVPN | 日本から海外アクセスに強い。操作もシンプル | ▶︎ 詳細を見る |
上記のVPNは、どれも信頼性が高く、セキュリティ対策に優れたサービスばかりです。
「どれを選べばいいか迷う…」という方は、まずはExpressVPNやNordVPNから検討するのがおすすめです。高速かつ安定していて、初心者にも使いやすい構成になっています。
一方で、コスパを重視するならSurfshark、日本企業のサポートが欲しいならMillen VPNやセカイVPNも安心です。
それぞれ無料体験や割引キャンペーンもあるので、気になったサービスをぜひチェックしてみてください。
フリーWi-FiのSSIDは「正規のものか?」必ず確認しよう!
近年、「Free_WiFi」「○○_Guest」など、本物に似せた偽のWi-Fi(なりすましアクセスポイント)も多数存在します。
フリーWi-Fiに接続する際は、必ず以下の点を確認してみて下さい。
- 店舗や施設内に掲示されたSSID名と一致しているか
- 正規のWi-Fiにパスワードが設定されているか(パスなしのWi-Fiは特に注意)
- 以前使ったことのあるWi-Fiと同じ名前でも、自動接続せず再確認する
また、Apple IDの「iCloudキーチェーン」経由で他の端末にWi-Fi設定が共有されてしまう場合もあるため、不要なWi-FiはiPhone・iPadの設定から削除しておくことをおすすめします。
まとめ
【VPNなそでもできることはある】
VPNが使えない状況でも、上記の8つの対策を取るだけで、被害のリスクを大幅に減らすことができます。
しかし、やはりVPNは最も強力なセキュリティ対策のひとつです。「フリーWi-Fiをよく使う」「仕事や重要な操作をする」なら、導入を検討してみても良いでしょう。
安全対策チェックリスト(おさらい)
対策方法 | 有効度 | 備考 |
---|---|---|
HTTPS接続の確認 | ★★★★☆ | 通信の暗号化 |
ファイル共有・プリンタ共有の無効化 | ★★★★☆ | 自分のPCを守る |
「パブリックネットワーク」設定 | ★★★★☆ | 自動で防御レベルが上がる |
自動接続の無効化 | ★★★★☆ | なりすましWi-Fi防止 |
ファイアウォールの有効化 | ★★★☆☆ | 外部からの不正アクセス防止 |
2段階認証の導入 | ★★★★☆ | アカウントの乗っ取り防止 |
ソフトウェアの更新 | ★★★★☆ | 脆弱性を突かれないようにする |
重要操作の回避 | ★★★★★ | 金銭被害など深刻な被害を防げる |
上記の対策は、どれか1つだけを実行するよりも、複数を組み合わせて実行することが重要です。たとえVPNが使えなくても、こうした基本的なセキュリティ設定を徹底することで、多くのリスクを回避できます。
また、公共のWi-Fiを利用する際は「何のために接続するのか」を意識し、必要以上の操作は避けることも安全に使うコツです。
この記事で紹介した対策に加えて、スマホやタブレットでも「DNSを手動設定する」「VPNをオンにする」「怪しいSSIDを使わない」といった基本動作を習慣化することで、さらに安全にフリーWi-Fiを活用できるようになるので、おすすめします。
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