近年、芸能界でパニック障害を公表するアイドルや有名人が増えています。
その中でも、timeleszの松島聡さんは、2018年にパニック障害を理由に活動を休止し、多くのファンに衝撃を与えました。しかし、彼は適切な治療とサポートを経て見事に復帰を果たし、その姿は同じ症状に悩む人々に勇気を与えています。
アイドルに多いと言われるパニック障害ですが、最近では一般の方も多く発症しています。
このパニック障害が、なぜ発症しやすいのか?どのような症状が現れるのか、そして改善や再発防止のために何ができるのかを、原因と対策について上級心理士の私が詳しく解説します。
パニック障害とは?
パニック障害は、突然の強い不安感(パニック発作)が繰り返し起こる精神疾患です。
これらの発作は予測が難しく、生活に支障をきたす場合が多々あります。
主な症状
1. 身体的症状
• 動悸、息切れ
• 発汗、震え
• 胸の痛み、不快感
• めまい、吐き気
• 息苦しさ、窒息感
2. 精神的症状
• 強い恐怖感(死ぬかもしれない、気が狂うかもしれないという思い)
• コントロールできない不安感
3. 行動への影響
• 発作が起こるのを恐れて外出を避ける(広場恐怖)
• 予期不安(次に発作が起きるかもしれないという恐怖)
アイドルや有名人に多い理由
アイドルや芸能人は、以下の要因によりパニック障害を発症しやすいとされています。
1. ストレスの多さ
• 忙しいスケジュールや過度のプレッシャー。
• ファンやメディアからの期待。
2. 休息不足
• 十分な睡眠やリフレッシュする時間が取れない。
3. プライバシーの欠如
• 自分自身の時間が制限され、自由に行動する機会が少ない。
4. 孤独感
• 表面的には多くの人に囲まれているものの、本当の理解者が少ないことによる孤独感。
松島さんは、活動休止(2018年)して治療に専念する約一年前から体調を崩し始めていたようです。学業とアイドルの両立は大変だったと思います。しかし、今では誰からも愛されるアイドルとして輝いて活動されています。
改善方法
そんなパニック障害も、適切な治療や生活の見直しで改善可能なのです。
1. 医療的アプローチ
• 薬物療法
• 専門医で受信すると薬が処方されることが多い病気です。
• 症状を和らげるための頓服薬も使用される場合があります。
• 認知行動療法(CBT)
• 恐怖や不安の原因となる思考のパターンを変える治療法。
• 過呼吸や発作への対応スキルを学ぶこともあります。
2. 生活習慣の改善
• 十分な睡眠
• 不規則な睡眠は不安感を増幅させるため、毎日一定の睡眠時間を確保する。
• 運動
• 軽い有酸素運動(ウォーキングやヨガ)がストレス軽減に効果的です。
• 食生活の見直し
• カフェインやアルコールの過剰摂取を避け、バランスの取れた食事を心がける。
• ストレス管理
• 趣味やリラクゼーション法を取り入れるのも良い方法です。
3. サポートの活用
• 家族や友人に状況を理解してもらう事はとても大切です。
• 同じ症状を持つ人たちとの交流(サポートグループへの参加)する場もあり、症状などを共有したりする活動がされています。
生活で(適応力)をつける方法
1. 発作時の対応法を身につける
• 呼吸法やリラクゼーション法を学び、発作を和らげる技術を習得する。
2. 小さな成功体験を積む
• 無理のない範囲で行動範囲を広げる。
• 「今日は短時間外出できた」というような小さな達成感を重ねる。
3. スケジュールの管理
• 無理のない計画を立て、余裕を持った行動を心がける。
再発のリスク
パニック障害は再発しやすい病気です。
それは、習慣など変える事ができない場合が多いのも原因の一つだと言われています。
しかし、次の点に注意することで再発リスクを減らせます。
ストレスの管理
• 大きなストレスを避ける、またはストレスを発散する方法を持つ。
治療の継続
• 症状が改善しても医師の指導に従い、薬や治療を急にやめない。
規則正しい生活
• 不規則な生活や疲労の蓄積を防ぐ。
早期対応
• 再発の兆候があれば早めに医師に相談する。
松島聡さんが休業後に復帰できた背景には、適切な治療、周囲のサポート、そして自身の努力があったと思われます。同じような症状を抱える人々にも、彼の体験は勇気を与えるでしょう。
パニック障害のまとめ
1. パニック障害とは
• 定義: 突然の強い恐怖や不安感(パニック発作)が繰り返し起こる疾患。
• 主な症状: 動悸、息切れ、発汗、めまい、強い死の恐怖や不安感など。
• 影響: 日常生活に支障をきたす場合があり、予期不安(次の発作への恐怖)や広場恐怖を伴うことも。
2. 主な原因
• ストレスやプレッシャー: 特にアイドルや芸能人など、高い期待を受ける職業に多い。
• 生物学的要因: 脳内の神経伝達物質の異常や遺伝的要素。
• 環境的要因: 過去のトラウマや生活環境の変化。
3. 治療・改善方法
1. 薬物療法
• 抗不安薬や抗うつ薬(SSRIなど)で症状を緩和。
2. 心理療法
• 認知行動療法(CBT)で恐怖や不安の思考パターンを改善。
3. 生活習慣の見直し
• 規則正しい睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事。
4. ストレス管理
• リラクゼーション法や趣味を取り入れる。
4. 再発リスクと予防策
• パニック障害は再発することがあるが、次の方法でリスクを軽減可能:
• ストレスを避ける: 大きな負荷をかけない生活設計。
• 治療の継続: 症状が改善しても医師の指導に従う。
• 早期対応: 発作の兆候を感じたら早めに相談する。
このように、パニック障害は適切な治療とサポートで改善が可能です。
特に、周囲の理解と協力が重要となってきます。
症状がある場合は無理をせず、まずは専門家に相談しましょう。
パニック障害は、より快適な生活を取り戻すことができる「完治する病気」だということを知ってもらいたくて、今日は記事にしてみました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。