【介護業界のリアル】誰でもできる給料アップ術3選と負担軽減の秘策

介護業界は日本の高齢化社会を支える重要な仕事ですが、その現実は厳しいものがあります。

低賃金、過酷な労働環境、人手不足…。

私は介護施設の経理主任を2年間担当し、多くの職員が心や体を壊していくのを目の当たりにしました。

介護する人、される人

しかし、現状を嘆くだけでは何も変わりません。

今日は、介護施設に勤め、補助金申請にも携わっていたからこそわかる

働く人が少しでも報われるための方法

について考えていきます。

介護業界の現状|なぜ給料が上がらないのか?

こんなに老人がたくさんいて、介護士が不足しているのに、なぜ給料が上がらないのでしょう?

実際、介護請求や申請、給与計算をしていたからこそわかる『その理由』を紐解いていきます。

 介護業界の給与が低い理由

公的な介護報酬に依存している

介護事業者の収入は、国の「介護報酬」によって決まります。

企業のように自由に価格を設定できないため、収益を増やすのが難しいのです。

介護報酬とは?

介護報酬は、介護サービスを提供する事業者(施設や訪問介護事業者)が国から受け取る報酬のことです。

これは、介護保険制度に基づいて決められ、全国一律の料金になっています。

また、介護サービスの費用は、

「介護保険からの給付」+「利用者の自己負担」 

の2つで成り立っています。(下記の表参考)

介護サービス費の例

介護サービス費の例

サービス内容介護報酬(総額)利用者の負担額(1割負担)
訪問介護(30分)約3,000円約300円
デイサービス(1日)約7,000円約700円
特養の入居費(月額)約150,000円約15,000円

このように、介護費用の約90% を国や自治体(介護保険)から支払い、1割を利用者が負担しています。

こう考えると、老人1人にかかる国の費用(負担)は大きいです。

コスト削減の圧力が強い

介護施設は人件費がコストの大部分を占めます。

そのため、収益が伸びないと職員の給与に還元するのが難しくなります。

人材不足による負担増

人手が足りないことで、1人あたりの仕事量が増え、長時間労働が常態化しています。

しかし、労働時間が増えても給与が劇的に上がるわけではありません。

介護職員が直面する過酷な現実

私が直接、目の当たりにした介護の現実は、とても過酷なものでした。

入居者様に思い切り噛まれ、腕から流血している職員さんは沢山いました。

 身体的・精神的負担

• 利用者の介助(入浴、排泄、食事)による腰痛や関節痛

• 夜勤や長時間労働による慢性的な疲労

• 認知症対応などでの精神的ストレス

 人間関係のストレス

• 職場内での人間関係(職員間の軋轢、管理者との衝突)

>管理者は、たまに見に来て『できていない』と文句を言う人が多くて驚きました。

『実際、1日中対応してから言いなさい!』

と言いたくなるほど、現場の職員と、管理者の温度差は大きかったです。

• 利用者やその家族からのクレーム対応

>家族から見ると『介護のプロ』なのでしょうが、ご家族より今の利用者さんの状況を知っています。

「昔、大福が好きだったから」とか

「のど飴が好きだった」など、今はそれが無理な状況を受け入れられず

『好きなものも食べられなくて可哀想』と言って、隠れて勝手に食べさせて、救急搬送されていく老人を見ました。

でもそのクレームは

「食べさせてなかった施設のせい」

と言いきる理不尽なご家族も多くいるので、介護士さんは大変です。

 「やりがい搾取」の問題

「利用者さんのため」との思いから頑張りすぎてしまう職員が多く、適正な労働環境や給与を求める声が上がりにくいのが現状です。

介護業界で生き抜くための戦略

そんな介護業界ですが、もうどんなに頑張っても給与は上がらないのでしょうか?

いえ、ちょっと頑張れば昇給できるチャンスはあります。

 スキルアップで給与を上げる

介護業界には資格手当があります。例えば…

介護福祉士(資格手当1~3万円アップ)

ケアマネージャー(さらに給与アップが期待)

福祉用具専門相談員(デスクワーク寄りの仕事に転職しやすい)

→ 資格取得を目指すことで給与アップを狙うのは有効な戦略です。

*私のいた施設も、皆国家資格を目指していました。

(手続きに必要な書類もあるので、経理の方と仲良くなっておいた方がいいですよ)

 職場環境の良い施設を選ぶ

介護施設には「ブラック施設」と「ホワイト施設」があります。←本当にあります。

ブラック施設:人手不足、残業が多い、パワハラがある

ホワイト施設:人員配置が適正、休みが取りやすい、給与が高い

施設の口コミサイトやハローワークの情報を活用し、労働環境が良い施設を選ぶことが重要です。

 副業・転職を視野に入れる

「介護職のままでは生活が苦しい」

と感じるなら、副業や転職も選択肢のひとつです。

副業例:夜勤専従で働きながら、空いた時間にライターや動画編集の仕事

転職例:介護経験を活かして、福祉用具販売や介護保険関連の仕事へシフト

介護士は現在、就職率が良い職種です。

経験者なら尚更!より良い職場を目指して転職活動することをおすすめします!

>リハビリ職専門転職サイトレバウェルリハビリ
介護職応援プロジェクト実施中の介護・福祉の転職サイト『介護JJ』

介護業界のリアル・本当に介護の未来は明るい?

現在、国も介護職の待遇改善に向けた取り組みを進めています。

• 介護報酬の引き上げ

• 介護ロボット導入による負担軽減

• 外国人労働者の受け入れ拡大

先日、取材でハローワークへ行った際に「介護業界の求人状況」を聞いてみると
『介護業界への就職率は100%超えです』
という話でした。
求人の方が多く、介護士や介護する側が全く足りていない状況だそうです。

まとめ

すぐに大きな変化は期待できませんが、今後、待遇が改善される可能性はあります

介護業界は厳しい現実がありますが、資格取得や職場選び、副業などの工夫で収入アップや負担軽減を目指すことができます。

「給料が低いから」

と諦めるのではなく、自分に合った働き方を見つけ、無理なく長く続けられる道を探していきましょう。

<関連サイト>厚生労働省「介護士の給与一覧