
「ノートPCの画面は見たくない。
外部モニターと大きいキーボードだけで作業したい…」
そんな人にぴったりなのが、
ノートPCを“デスクトップPC”のように使う設定 です。
実は Windows 10/11 には、
- ノートPCのふたを閉じたまま
- 外部モニターだけをメイン画面にして
- キーボード・マウス・USB機器も普通に使える
という、とても便利な機能が最初から用意されています。
この記事では、
- 外部モニターだけにすべて表示する方法
- ノートPCのふたを閉じてもスリープしない設定
- 富士通ノートPCで実際に試して分かった“起動がスムーズな方法”
- 元に戻したいときの手順
- デメリットと熱対策・トラブル対策
まで、初心者の方でも迷わないように順番に解説します。
1. 仕組みをざっくり理解しておく
今回のポイントは大きく分けて2つです。
- 画面の出力先を「外部モニターだけ」にする
- ノートPCのふたを閉じたときに「スリープしない」ようにする
この2つができれば、
ノートPCは机の横や足元に置いたままでもOK。
外部モニター+外付けキーボード+マウスだけで作業できます。
2. 外部モニターだけをメイン画面にする(Windowsキー+P)
まずは「どの画面に表示するか」を切り替えます。
手順(表示モードの切り替え)
- キーボードの Windowsキー + P を押します。
- 画面の右側に、次の4つのモードが表示されます。
- PC画面のみ
- 複製
- 拡張
- セカンドスクリーンのみ
- ここで 「セカンドスクリーンのみ」 を選びます。
これで、
- ノートPC側の画面は消える
- 外部モニターだけにデスクトップが表示される
- デスクトップアイコンもタスクバーも外部モニターに移動する
という状態になります。
うまくいかないときは「ディスプレイ設定」を確認
もし「セカンドスクリーンのみ」にしても挙動がおかしい場合は、
ディスプレイ設定を確認してみてください。
- デスクトップを右クリック → 「ディスプレイ設定」
- 上部に「1」「2」などの四角が表示される(接続中の画面)
- 外部モニター側をクリックして選択
- 下の方にある 「これをメイン ディスプレイにする」 にチェックを入れる
これで、外部モニターが“メイン画面”として扱われます。
3. ノートPCのふたを閉じてもスリープしないようにする
次に、ノートPCのふたを閉じても電源が落ちないようにします。
ここができていないと、ふたを閉じた瞬間に画面が消えてしまいます。
手順(ふたを閉じたときの動作の変更)
- コントロールパネル を開きます。
- スタート横の検索ボックスに「コントロールパネル」と入力すると出てきます。
- 「ハードウェアとサウンド」 → 「電源オプション」 をクリック。
- 左側のメニューから 「カバーを閉じたときの動作を選択する」 をクリック。
- 画面上部にある 「現在利用可能ではない設定を変更します」 をクリック。
- 下の「カバーを閉じたときの動作」の項目で、
- バッテリ駆動:何もしない
- 電源に接続:何もしない
を選びます。
- 右下の「変更の保存」をクリック。
これで、ノートPCのふたを閉じても、
スリープせずにそのまま動き続けるようになります。
| 項目 | バッテリー | 電源接続時 |
|---|---|---|
| 電源ボタンを押したとき | スリープ or 何もしない | スリープ推奨 |
| スリープボタンを押したとき | スリープ | スリープ |
| カバーを閉じたとき | 何もしない | 何もしない |
※ 「電源ボタンを押したとき」「スリープボタンを押したとき」まで「何もしない」にすると、かえって扱いづらくなるので、基本は変えなくてOKです。
4. 実際の起動はこうするとスムーズ(実体験ベース)
ここからが実際に使うときの“コツ”です。
多くのノートPC(とくに富士通)は、
- 起動直後のBIOS画面やメーカーのロゴ
→ ノートPCの内蔵画面にだけ表示される - Windowsが立ち上がってから
→ 外部モニターに映像が切り替わる
という動きをします。
そのため、外部モニターだけを見ていると、
- 起動直後は「シグナルが検出されません」
- 数秒してから画面がつく
という“時差”が生じます。これは正常動作です。
一番スムーズな起動手順
実際に試してみて、一番安定しているのは次の方法です。
- ノートPCを開いた状態で電源ボタンを押す
- メーカーのロゴ(Fujitsu など)が出る
- 少し待つと、外部モニターが「信号あり」と認識して画面が点く
- 外部モニターにWindowsのログイン画面が表示されたら
- ノートPCのふたを閉じる
この流れにすると、
- 起動に失敗しない
- 外部モニターへの切り替えがスムーズ
- 「No Signal」に不安にならずに済む
というメリットがあります。
ポイント:
「No Signal」→ 数秒待つ → 外部モニターに映る
は“失敗”ではなく、外部への切り替え待ち時間 だと思っておけばOKです。
5. 少し上級者向け:ノートPCを開かずに起動したい場合
「ノートPCを開くのも面倒。完全に本体は隠しておきたい」
という場合は、USBキーボードからの起動(Wake on Keyboard) を使える可能性があります。
Wake on Keyboard / USB Wake とは?
対応しているPCでは、
- スリープ状態のとき
- USBキーボードのキーを押すだけで
- ノートPCの電源が入る/復帰する
という機能です。
設定の概要(BIOSで行う)
これは上級者向けなので、慣れている方だけでOKですが、
流れとしては次のようになります。
- PCを再起動する
- 起動直後に F2 / F12 / Esc などを連打して BIOS(UEFI)画面を開く
- 「Power」「Advanced」などの項目の中から
- Wake on Keyboard
- USB Wake Support
- Wake from USB
などの項目を探す
- あれば Enabled(有効) に変更して保存
ただし、
- BIOS画面は外部モニターに映らず、ノートPC側にしか出ないことが多い
- 間違った設定をすると起動しなくなるリスクもゼロではない
という理由から、無理に触らなくても大丈夫 です。
とくに、
- 「開いて電源ON → 映ったら閉じる」で不自由していない
- なるべく安全第一で運用したい
という場合は、この部分は読み流してOKです。
6. ノートPCを閉じたまま使うデメリットと対策
とても便利な“デスクトップ化”ですが、
事前に知っておいたほうがよい注意点もあります。
① 熱がこもりやすい
ノートPCは「開いた状態」での使用を前提に排熱設計されています。
ふたを閉じると、どうしても熱がこもりやすくなります。
対策
- ノートPCを 縦置きスタンド に立てる
- 下に本やスタンドを置いて、底面に隙間をつくる
- 長時間負荷がかかる作業では、USB扇風機で軽く送風 してあげる
とくに外部モニター+ブラウザタブ大量+画像編集…という使い方では
熱が上がりやすいので、冷却だけは意識しておくと安心です。
② トラブル時はノートPCを開く必要がある
- BIOS画面
- セーフモード
- 黒い画面でのエラー表示
など、Windowsが起動する前の画面 は外部モニターに出ないことがあります。
その場合は、慌てずに ノートPCを開いて画面を確認 すればOKです。
③ 内蔵カメラ・マイクは使えない(使いにくい)
ノートPCを完全に閉じていると、内蔵カメラは当然使えません。
- Zoom / Teams などを使う場合は
→ 外付けWebカメラ+マイクを用意すると快適です。
7. 元に戻したいときの方法(表示モード・ふたの動作)
「やっぱり普通のノートPCスタイルに戻したい…」
というときも、設定を戻すのは簡単です。
① 画面の出力を元に戻す(Windowsキー+P)
やりたいことに応じて、Windowsキー+Pで切り替えます。
- ノートPCだけで使いたいとき
→ Windowsキー+P → 「PC画面のみ」 - ノートPC+外部モニターの両方を使いたいとき
→ Windowsキー+P → 「拡張」 - 外部モニターだけで使いたいとき(今の状態)
→ Windowsキー+P → 「セカンドスクリーンのみ」
慣れてくると、このショートカットだけで
その日の気分や作業内容に合わせて、すぐに切り替えられます。
② ふたを閉じたらスリープに戻したいとき
ノートPCを持ち歩く前に、
- 「閉じたら普通にスリープしてほしい」
- 「外出先では、うっかり開きっぱなしにしたくない」
という場合は、ふたの動作設定も戻しておきましょう。
手順はさきほどと同じで、
- コントロールパネル → 電源オプション
- 「カバーを閉じたときの動作を選択する」
- バッテリ駆動・電源接続の両方を
→ 「スリープ状態」 に戻す
これで、ノートPCを閉じると、
従来どおりスリープに入るようになります。
8. まとめ:ノートPCは閉じたままでも、外部モニターだけで快適に使える
今回紹介した設定を使うと、WindowsノートPCを
- ノートPC本体は閉じたまま
- 外部モニターだけをメイン画面にして
- 静音キーボード+マウス(ラットパトロールなど)で操作し
- ほぼ“デスクトップPC”のように使う
というスタイルに変えることができます。
ポイントは次の3つです。
- Windowsキー+P で「セカンドスクリーンのみ」にする
- 「カバーを閉じたときの動作」を“何もしない”に変更する
- 起動時は、開いた状態で電源ON → 外部モニターに映ったら閉じる
この3つさえ押さえておけば、
外部モニターだけでの作業がとても快適になります。
「ノートPCの画面まで手を伸ばすのが面倒…」という方は、
ぜひ一度この“デスクトップ化”を試してみてください。
一度慣れてしまうと、もう元のスタイルには戻れないかもしれません。
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