
はじめに
近年、YouTubeやTikTokなど動画コンテンツの需要はますます高まっています。
しかし「動画編集ソフトは難しそう」「有料ソフトは高くて手が出しにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、Windows 11に標準搭載されている無料動画編集ソフト「Microsoft Clipchamp(クリップチャンプ)」 です。
Clipchampは直感的に使えるシンプルなUIを備えており、初心者の方でも気軽に動画編集を始められます。さらに、SNS向けのテンプレートや簡易的な音声合成など、便利な機能も用意されています。
この記事では、Clipchampの基本的な使い方から応用テクニック、よくあるトラブルの解決法まで、わかりやすく丁寧に解説していきます。
Microsoft Clipchampとは?
標準搭載の無料動画編集ソフト
Clipchampは、Microsoftが提供する動画編集ツールで、Windows 11から標準で搭載されるようになりました。追加インストールの必要がなく、スタートメニューからすぐに起動できます。
無料版と有料版の違い
- 無料版
- フルHD(1080p)でのエクスポートが可能
- 基本的な編集機能(カット、テキスト挿入、BGM追加など)が利用可能
- 有料版(Microsoft 365 サブスクリプションなど)
- 4Kエクスポートに対応
- プレミアム音楽・映像素材の利用
- ブランドキットや高度なストック素材が解放
初心者がSNS投稿や学習目的で使う場合、無料版で十分対応できます。
Clipchampの始め方
Windows 11の場合
- スタートメニューを開く
- 検索欄に「Clipchamp」と入力
- アプリをクリックして起動
Windows 10の場合
Microsoft Storeから「Clipchamp」をダウンロードしてインストールすれば利用できます。
初回サインイン
利用にはMicrosoftアカウントでのログインが必要です。OneDriveとの連携も可能になるため、アカウントを使ったほうが便利です。
基本的な使い方
メディアの取り込み
- 画面左の「メディアをインポート」ボタンからPC内の動画や画像を追加
- ファイルを直接ドラッグ&ドロップしてもOKです
タイムライン編集
- 追加した動画や画像を下部のタイムラインに配置
- クリップを選択して「はさみ」アイコンで分割
- 不要部分はDeleteキーで削除できます
テキストとタイトルの追加
- 左側の「テキスト」メニューから好みのフォントやアニメーションを選択
- 画面中央のプレビューでサイズや配置を調整可能
BGM・効果音の追加
- 「オーディオ」メニューから無料素材を選択
- 自分の音楽ファイルも取り込めます
- 音量調整やフェードイン・フェードアウトも簡単に設定できます
トランジションとエフェクト
- クリップとクリップの間にドラッグしてトランジションを追加
- 色調補正やフィルターを使えば、映像の雰囲気を変えることも可能
動画の出力
- 編集が終わったら右上の「エクスポート」をクリック
- 解像度を選び、保存先を指定すれば完了です
応用テクニック(ワンランク上の編集)
テンプレートの活用
YouTube動画やInstagramリール、TikTok向けに最適化されたテンプレートが用意されています。
初心者の方でもプロ並みのデザインで動画を仕上げることができます。
クロマキー合成(グリーンスクリーン)
撮影した動画の背景を透過させ、別の映像や画像に置き換えることが可能です。
プレゼン動画や商品紹介動画で特に効果的です。
ナレーション・音声合成
- Clipchamp内で直接録音可能
- AIによる音声読み上げ機能を使えば、原稿を入力するだけでナレーション付き動画を作れます
クラウド連携
OneDriveやGoogleドライブと接続すれば、編集素材をクラウドから直接読み込めます。
複数のデバイス間で作業を進めたい場合にも便利です。
Clipchampでよくあるトラブルと解決法
1. 動画がエクスポートできない/途中で止まる
症状
動画を書き出そうとするとエラーが出たり、進行バーが途中で止まってしまう。
原因
- PCのスペック不足(CPU・GPUの性能が低い/メモリ不足)
- 保存先ドライブの空き容量不足
- Clipchampの一時ファイルの不具合
解決法
- 保存先をCドライブ以外のHDDやSSDに変更してみる
- 解像度を「1080p」→「720p」に下げてエクスポート
- 一時的にバックグラウンドアプリを終了させる
- 最新版にアップデートして再度試す
2. 音ズレが発生する
症状
映像と音声がズレて再生される。完成動画でもズレが残ってしまう。
原因
- 編集途中で音声ファイルを複数回カット・移動した
- プレビュー画質が低下しているため見た目だけズレている場合もある
解決法
- タイムラインで音声トラックを分割し、位置を微調整する
- 音声トラックを右クリックして「動画から切り離し」し、映像と別に編集
- プレビューではなく実際に一度短く書き出して確認する
3. 動画がカクカクする/動作が重い
症状
プレビュー再生がカクついて編集がしにくい。
原因
- PCスペック不足(特にGPU非搭載PC)
- 高解像度・高フレームレート素材を同時に扱っている
解決法
- プレビュー画質を「低」に設定する
- 素材を外付けSSDに保存し、読み込みを高速化する
- 他のアプリ(ブラウザやゲーム)を終了する
- 長編動画は数分ごとに分割して編集する
4. 無料版で制限がかかる
症状
「透かし(ウォーターマーク)が入る」「4K書き出しができない」など。
原因
無料版の制限によるもの。
解決法
- 無料で使える範囲は フルHD(1080p)までのエクスポート
- プレミアム素材(音楽や動画)を使うと透かしが入る → 無料素材だけを選ぶ
- 高画質やブランド素材を使いたい場合は有料プラン(Microsoft 365)にアップグレード
5. インポートできない/素材が読み込めない
症状
動画や音声ファイルを取り込もうとするとエラーが出る。
原因
- 非対応のファイル形式(例:古いコーデックのAVIなど)
- ファイル名に特殊文字(記号や絵文字)が含まれている
解決法
- 一般的な形式(MP4, MOV, WAV, MP3など)に変換してから取り込む
- ファイル名を英数字だけに変更する
- ファイルの保存先をデスクトップなどシンプルな場所に移動する
6. 字幕が正しく表示されない
症状
日本語字幕を入れると文字化けや表示崩れが起こる。
原因
- 特殊フォントが反映されない
- 文字数が多すぎる
解決法
- 標準フォントを選ぶ(日本語対応のSans系フォント推奨)
- 長文は短く区切り、複数のテキストボックスに分けて挿入する
- 必要に応じて「自動字幕」機能を試してみる
他の動画編集ソフトとの比較
- Premiere Pro:プロ向け、機能豊富だが高価
- DaVinci Resolve:カラーグレーディングに強い、無料版あり
- Filmora:初心者向け有料ソフト、UIが直感的
Clipchampは「無料で簡単に編集したい初心者・Windowsユーザー」に最適 です。
[PR] 動画編集をもっと快適にしたい方へ
Clipchampと一緒に揃えたい周辺アイテム
- 外付けSSD(高速データ保存用)大容量の動画データを扱うなら、読み書きが速いSSDが必須です。
- 高音質マイク付きヘッドセットナレーション録音やオンライン会議の音質を改善できます。
- 外付けWEBマイク音声収録をクリアに行いたい方におすすめです。
- HDMIケーブル外部モニターに接続して快適に編集したい方に。
※リンクはアフィリエイトを含みます
1. ショートカットキーで作業効率アップ
Clipchampは直感的に操作できますが、ショートカットを覚えると編集スピードが格段に上がります。
- Ctrl + B:クリップを分割
- Ctrl + Z:操作を取り消す(Undo)
- Ctrl + Shift + Z:取り消した操作をやり直す(Redo)
- Deleteキー:選択したクリップを削除
特に「Ctrl + B」の分割は頻繁に使うため、覚えておくと便利です。
2. ストック素材を活用する
有料プラン限定と思われがちですが、無料版でも利用できるストック素材があります。
背景動画やシンプルなBGMをうまく組み合わせるだけで、映像の完成度が大幅に向上します。
3. SNS別のエクスポート設定
YouTubeやTikTokなどSNSごとに推奨解像度やアスペクト比が異なります。Clipchampには「YouTube向け」「Instagram向け」といったテンプレートが用意されているので、目的のプラットフォームを選んでから編集を始めるとスムーズです。
4. ナレーションをAI音声で作る
Clipchampの音声合成機能は非常に自然で、複数の声質や言語に対応しています。文章を入力するだけで高品質なナレーションが完成するため、「自分の声で録音するのは恥ずかしい」という方にもおすすめです。
5. 動作が重いときの工夫
PCスペックによってはClipchampが重くなることがあります。その場合は以下を試してください。
- プレビュー画質を「低」に設定して作業する
- 動画素材を外付けSSDに保存して読み込みを高速化
- 編集中は他のアプリを閉じる
これらを実践するだけで、作業効率が大幅に改善されます。
まとめ
Clipchampは「誰でも気軽に動画編集を始められる」ことを目的に設計されたソフトです。
インストール不要、無料で使える、Microsoft公式という安心感があり、SNS用の動画や日常的な編集なら十分に対応できます。
本格的な映像制作には物足りないかもしれませんが、「これから動画編集を始めたい方」にとっては最初の一歩として最適な選択肢です。
おすすめ関連記事
・KB5065429 適用後に発生するAutoCADやOBS Studioの不具合と対処法
・Windows & PCニュースまとめ|Proライセンス特価&AIミニPCが話題
・ZoomやTeamsでカメラが使えない!突然フリーズする原因とすぐできる対処法[2025年9月最新版]