
はじめに
2025年9月、Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」の利用条件を大きく見直しました。
これまで Copilot 機能を使うためには、通常の Microsoft 365 サブスクリプションに加えて 月額4,497円(税込)ほどの追加ライセンス が必要でした。
しかし今回の変更により、一部のCopilot機能は追加課金なしで利用できる ようになっています。
本記事では、この変更によるメリットと注意点、実際に利用できる範囲、そして企業利用の際に気をつけたいポイントをわかりやすくまとめます。
Copilotとは何か?
Copilotは、Microsoftが提供するAIアシスタント機能です。WordやExcel、Outlook、Teamsなどのアプリに統合され、以下のような作業を効率化できます。
- Word:文章の自動生成、要約、文体の調整
- Excel:関数の提案、データ分析、グラフ生成
- Outlook:メールの下書き作成、長文メールの要約
- Teams:会議の議事録作成、タスク抽出
つまり、「仕事のアシスタントをしてくれるAI」という立ち位置で、従来は企業向けの高額オプションとして提供されていました。
今回の変更点(2025年9月)
大きな変更点は以下の通りです。
- 追加ライセンスが不要になった機能がある
- 一部のCopilot機能が、通常のMicrosoft 365 Personal・Family・Business Standardなどのライセンスに含まれるようになりました。
- 例:WordやOutlookでの基本的な文章生成・要約
- 全てが無料になったわけではない
- Excelの高度なデータ分析やTeamsでの高度な会議要約など、ビジネス利用を前提とした高度機能は依然として有料ライセンスが必要です。
- 個人ユーザーでも試せる
- これまでは法人契約が中心でしたが、個人のMicrosoft 365 Personalライセンスでも一部機能が解放されています。
メリット(利用者にとっての恩恵)
1. コスト削減
これまで「使ってみたいけど高すぎる」と感じていたユーザーにとって、追加課金なしで試せるのは大きな魅力です。特に学生やフリーランス、個人事業主にとっては導入のハードルが大幅に下がります。
2. 作業効率の向上
文章作成やメールの下書き、資料の要約といった「時間はかかるが単純作業」にAIを活用できるため、作業効率が大幅にアップします。
3. 個人ライセンスでも利用可能
これまでは企業向けのイメージが強かったCopilotですが、個人ユーザーでも利用できるようになったことで「プライベートでも仕事でも」AIを活用できる時代になりました。
デメリット・注意点
1. 全てのCopilotが使えるわけではない
「無料化=全機能解放」ではありません。高度な機能は引き続き有料ライセンスが必要です。特にExcelでのデータ分析やPower BI連携など、ビジネスユースの中核機能は制限が残っています。
2. プライバシーの懸念
Copilotはユーザーのデータをもとに応答を生成するため、企業利用では「社内情報をAIに読ませても安全か?」という懸念があります。管理者が設定を誤ると、データ漏えいリスクにつながる可能性もあるため要注意です。
3. 管理者設定が必要な場合がある
法人アカウントでは、管理者が機能を有効化しないと利用できないケースがあります。特にTeamsやSharePoint連携は管理者側のポリシー設定に依存します。
どのプランで利用できるのか?
- Microsoft 365 Personal / Family
→ 一部のWord・Outlook機能が利用可能 - Microsoft 365 Business Standard / Premium
→ 基本的なCopilot機能+一部ビジネス機能 - Copilot for Microsoft 365(有料追加ライセンス)
→ Excel高度分析、Teamsでの高度会議要約、Power Platform連携など
👉 「どのプランならどこまで使えるのか」を明確にしておくと、読者が自分に合うプランを判断しやすくなります。
• Copilot Chat の全アプリ展開
2025年9月15日から、Word/Excel/PowerPoint/Outlook/OneNote の各Microsoft 365アプリに「Copilot Chat」が順次展開されています。これにより、これらアプリ内でサイドパネル等を使ってチャット形式でAIアシスタントと対話しながら文章生成や修正、要約などができるようになりました。
• ファイルプレビューのサポート拡充(モバイル)
iPhone/iPad向け Copilot アプリで、Word・Excel・PowerPoint ファイルのプレビュー表示機能が追加されました。これにより、アプリ側で内容を軽く確認でき、必要に応じてそれぞれのアプリで編集する流れがスムーズになります。
• Microsoft 365 アプリ → Microsoft 365 Copilot アプリへの名称・統合変更
従来の「Microsoft 365 (Office) アプリ」が「Microsoft 365 Copilot アプリ」と名称変更され、Web・モバイル・Windows でCopilot機能を含む日常の生産性アプリとして統合されています。
また、パーソナル/ファミリーライセンス利用者もこのアプリ内でCopilot Chat を使えるようになっており、アプリホーム画面にCopilotタブが現れるようになるなど、より身近な存在になりつつあります。
• 会議の「音声概要(Audio overview)」機能
9月の Microsoft 365 のロードマップアップデートにより、Teams 会議の議事録から「音声概要(Audio overview)」を生成する機能が開発中です。議事録の文字起こしデータを音声形式で要点だけ聞けるようになることで、会議後のチェックがより効率的になります。
企業利用でのポイント
- 情報ガバナンスを徹底する
- 機密情報をAIに入力しないルール作りが必要です。
- Microsoft Purviewなどの情報保護ツールと組み合わせると安全性が高まります。
- 管理者が制御できる範囲を確認する
- Copilot機能のON/OFF、利用ログの確認、ポリシー適用範囲を明確にしましょう。
- 教育・研修の実施
- 社員に「どこまで使ってよいのか」を周知することで、誤用や情報漏えいを防げます。
[スポンサーリンク]
Microsoft 365 & Copilot 活用の参考書籍
Copilotを効率的に使いこなすために、最新の解説書やトラブル対策本もおすすめです。
- Copilotの便利な使い方を学ぶ
- Windows 11最新アップデート対応
- 日常業務の効率化に役立つ情報
今後の展望
今回の「部分的無料化」は、Copilotを広く普及させるためのステップだと考えられます。
今後、個人ユーザー向けにさらに機能が拡充される可能性や、逆に「ビジネス特化機能は有料で差別化」といった方向性も予想されます。
MicrosoftがAIを「標準機能」としてどこまで浸透させるかは、2025年後半以降の大きな注目点となるでしょう。
まとめ
- 2025年9月から、一部のCopilot機能が追加課金なしで利用可能に
- メリット:コスト削減・作業効率アップ・個人利用も可能
- デメリット:全機能が使えるわけではない、プライバシー懸念、管理者設定の必要性
- 法人利用ではガバナンス・教育・設定管理が不可欠
👉 「Copilotが気になっていたけど高くて諦めていた」という方にとって、試す絶好のチャンスです。
おすすめ関連
▶︎Microsoft 365とは?料金改定後のプラン比較・Windows 365との違いもわかりやすく解説!