【2025最新】Copilot「Notebooks」機能の使い方｜長文プロンプト・複数手順を一発で処理できる新モード解説

Copilot「Notebooks」とは？

「Copilotに長い指示を書いたら、途中で話がズレてしまう…」
「プロジェクトごとに会話やファイルをまとめて、AIに手伝ってほしい」

そんな悩みを解消するために登場したのが、Microsoft 365 Copilot の「Notebooks（ノートブック）」機能です。

Copilot Notebooks は、

• 1つのテーマ・プロジェクトのための 専用ワークスペース
• 関連する ファイル・リンク・会話履歴をまとめて登録
• その内容だけを「土台（コンテキスト）」にして、Copilotが回答・下書きを生成

…という仕組みの機能です通常の「その場限りのチャット」と違い、“長文・複数手順・継続プロジェクト” に強いモードと考えるとイメージしやすいです。

※本記事では、主に Microsoft 365 Copilot（仕事用ライセンス）で使える Copilot Notebooks を扱います。個人向け Bing/Copilot のシンプルな「ノート」機能とは別物です。

1. Copilot Notebooksでできること｜通常チャットとの違い

まずは「普通のCopilotチャット」と何が違うのかを整理しておきます。

①通常チャットとの主な違い

■ 通常のCopilotチャット

• 1つの画面で会話するだけ
• コンテキストは「そのチャットの流れ」と「一部のM365データ」
• 別のプロジェクトと混在しやすい

■ Copilot Notebooks

• プロジェクトごとに「ノートブック」を作成
• そのノートブックに、
  • Word / Excel / PowerPoint / OneNote
  • 会議メモ / Copilotとの会話履歴
  • Webリンク などを参照（Reference）として登録
• Copilotはそのノートブック内の内容だけを使って回答・下書きを生成

→つまり、「プロジェクト専用のAI作業部屋」 のようなイメージです。

①OneNoteノートとの違い

「ノートブック」と聞くと、OneNoteと混同しがちですが、Microsoft自身が次のように整理しています。Microsoft サポート

• Copilot Notebooks
  • AIに最適化された「プロジェクト用ワークスペース」
  • 参照ファイル＋チャット＋指示をまとめて、AIに分析させる
• OneNoteのノートブック
  • 人間向けのノート（メモ・議事録・アイデア整理）
  • セクション・ページで長期的にノートを管理

実際には、
「情報整理は OneNote、AIとの対話・ドラフト作成は Copilot Notebooks」という組み合わせがとても相性が良いです。

2. Copilot Notebooksを使える環境・前提条件

2025年11月時点での大まかな前提は以下の通りです。

①必要なライセンス

Copilot Notebooksは、次のような Microsoft 365 Copilot ライセンスが前提になっている環境で展開されています。Microsoft Learn+1

• Microsoft 365 Copilot（法人向け）
• 一部テナントでは段階的ロールアウト中のため、管理者側設定や展開状況で「ノートブック」メニューがまだ出ない場合もあります。

※「Copilot の権限はあるのに Notebooks が見えない」場合は、テナント管理者・IT担当に「Copilot Notebooksの有効化・展開状況」を確認してもらった方が早いです。

② 対応場所（どこから使える？）

現状、主に以下の場所から利用できます。

• Microsoft 365 Copilot ポータル（ブラウザ）
  • Copilotのホーム画面に「ノートブック」タブ or メニューが表示
• OneNote for Windows などの対応クライアント
  • OneNote側の「Copilot Notebooks」画面から作成／操作

3. Copilot Notebooksの基本操作：ノートブックの作成〜参照追加まで

ここからは、一般的なWebのCopilotポータルから使うケースを前提に、操作の流れを紹介します。

① 新しいノートブックを作成する

1. ブラウザで Microsoft 365 Copilot ポータル（組織のCopilotページ）を開きます。
2. 左側または上部メニューから [ノートブック]（Notebooks） をクリック。Microsoft サポート
3. はじめて使う場合は、
   • 「最初のノートブックを作成」
     といったボタンが出るのでクリック。
     すでにノートブックがある場合は、[新しいノートブック] を選びます。
4. 「ノートブック名」を入力
   • 例）
     • 「24年度予算策定プロジェクト」
     • 「新サービスAのマーケティング資料」
     • 「Teamsトラブルシューティング記事のドラフト」
5. [作成] をクリックすると、空のノートブックスペースが開きます。

② 参照（Reference）を追加して“土台”を作る

ノートブックそのものは「箱」なので、ここに分析してほしい資料や会話を入れていくイメージです。

画面上の [参照を追加]（Add references） から、次のような方法で資料を登録できます。

1. 検索から追加
   • 検索バーにファイル名の一部を入力
   • Copilotが候補を出してくれるので、該当ファイルを選んで [追加]
   • Word / Excel / PowerPoint / OneNote / Loop / SharePointファイルなど
2. OneDriveから追加
   • OneDriveアイコンをクリック
   • フォルダをたどって、対象ファイルを選択 → [追加]
3. Copilotの過去チャットを追加
   • 以前のCopilotチャット内容を「ノートブックの一部」として登録可能
   • これにより、「前回の相談内容 + 今回の新しい指示」で継続的な作業ができる
4. リンク（URL）や会議メモを追加
   • Teams会議のメモ、SharePointページ、Wiki、なども対象になります。

※ポイント👉「このプロジェクトに関係あるものだけ」を入れることで、Copilotの回答がノイズの少ない“専用AI”のように振る舞います。

4. 実際の使い方：長文プロンプト・複数手順を一発で処理させるコツ

ノートブックに資料を入れたら、いよいよCopilotに指示を出します。

① 基本的な聞き方の例

ノートブック画面の下部にチャット欄があるので、ここにプロンプトを入力します。
通常のCopilotと同じように質問できますが、回答はノートブック内の資料に強く基づく点が大きな違いです。

【例1：要約・比較】

「このノートブックに入っている3つのWordファイルから、“現状の課題” と “提案されている解決策” を一覧表にまとめてください。」

【例2：ドラフト作成】

「これらの資料をもとに、経営層向けのA4 2枚程度の提案書ドラフトを作成してください。
・対象はITに詳しくない役員
・費用対効果をわかりやすく
・専門用語には簡単な補足を入れてください。」

【例3：FAQ/マニュアル作成】

「ノートブック内のTeams会議メモと仕様書から、
社内FAQ『新サービスAのよくある質問』を10問分作ってください。
Q&A形式で、ユーザーがそのまま読む前提で書いてください。」

② 長文・複数手順プロンプトのテンプレート

Notebooksの真価は、「プロジェクト丸ごとを一気に処理させる」使い方です。

例えば、こんなテンプレートが使えます。

【長文テンプレ例】
「このノートブックに含まれる資料を使って、次のステップで作業してください。

1. まず、資料に書かれている現状の問題点を3〜5個に整理して要約する。
2. 次に、その問題点ごとに“原因候補”を推測し、箇条書きにする。
3. さらに、それぞれの問題について、実行しやすい対策案を3つずつ提案する。
4. 最後に、経営層向けに読めるサマリー（600〜800文字程度）を書いて、
   『背景 → 問題 → 対策の方向性』の順に説明する。
   途中のステップもすべて出力してください。」

1回のプロンプトで「整理 → 分析 → 提案 → サマリー」を指示しても、
ノートブック内の資料に限定して処理してくれるため、回答のブレが少なくなります。

③ カスタムスタイル・トーンを“ノートブック単位”で固定する

Copilot Notebooks は、「ノートブックごとに指示を固定する」使い方も得意です。

【例】

• 「このノートブックでは、常に“やさしい日本語＋丁寧語”で書いてください」
• 「会計・税務関連の記事では、必ず注意書きに
  『最終的な判断は税理士・専門家にご相談ください』を入れてください」
• 「英語で出力するときは、ビジネス向け・ややフォーマル寄りのトーンにしてください」

最初のメッセージでこうした “スタイル指定” をしておくと、
そのノートブック内の後続プロンプトにも、かなり一貫して反映されます。

5. 具体的な活用シナリオ 5選

あなたのサイト運営や業務に近そうな例で整理してみます。

① 記事制作・マニュアル作成プロジェクト

• 【ノートブック名】
  • 「Windows 11 トラブルシューティング記事プロジェクト」
• 参照として
  • 既存の関連記事
  • Microsoftの公式ドキュメント
  • 自分のメモ（OneNote / Word）
  • 読者のコメントやQ&Aログ
• Copilotへの指示例
  • 「これらの資料から、読者が一番つまずいている箇所を3つ推測して、
    新記事の構成案を作ってください。」
  • 「重複している説明があれば、1つに統合した“決定版”の解説を下書きしてください。」

② 社内研修資料・講座スライド作成

• 参照に社内ルール、過去の研修資料、FAQなどを登録
• Copilotに「90分の研修用スライド構成」と「講師用台本」をまとめて生成させる

③ 会議後の要約・アクションアイテム整理

• Teams会議録画の自動書き起こし＋会議メモをノートブックに登録
• 【プロンプト例】
  • 「この会議の決定事項と宿題（Action Items）を、担当者・期限つきで一覧にしてください。
    不明な点があれば『要確認』として残してください。」

④ 製品・サービスの仕様整理とFAQ作成

• スペックシート・マニュアル・サポート窓口のメモなどをまとめて参照に追加
• 「ユーザーが最初に抱きそうな質問を10個、Q&A形式で作ってください」と依頼

⑤ コーディング・スクリプト作成（上級者向け）

• 技術仕様書・APIドキュメントを参照として登録
• 「この仕様を満たすPowerShellスクリプトを例示して」といった依頼も可能
  （ただし秘匿情報やアクセス権には注意）

6. 上手に使うための最適な方法＆注意点

① 参照を絞る＝“AIに渡す資料フォルダ”だと思う

• 何でもかんでも放り込むと、回答がぼやけます。
• 「このプロジェクトに関係するものだけ」を意識して選ぶのがコツです。

② 長時間使うと遅くなる場合は、ノートブックや会話を分割

Microsoft自身も「長い対話を続けすぎるとパフォーマンスが落ちることがある」として、次のような案内しています。

• 長大なタスクは、いくつかのチャットに分ける
• 重要な回答は、外部（OneNote, Word など）に保存しておく
• テーマが変わったら、新しいノートブック or 新しい会話に切り替える

③セキュリティ・権限には要注意

• ノートブックに追加できるのは、あなたがアクセス権を持つファイルだけです。
• 共有ノートブックにすると、
  • そのノートブック自体は共同編集できますが、
  • 各参照ファイルの閲覧権限は、従来どおりファイル側の権限設定に従います。
• 機密情報を扱う場合は、「誰とノートブックを共有しているか」「参照ファイルの権限」が適切か要確認です。

④ うまく動かない・開けない時のチェックポイント

Copilot Notebooks関連で、ユーザーからは次のような不具合報告もあります。

• Edge / Chrome など、ブラウザの更新後にUIが崩れる
• ノートブックの会話が開けない
• コネクションの問題で、回答が極端に遅くなる

その場合は、

1. ブラウザのシークレットウィンドウで再度アクセス
2. キャッシュ／Cookieのクリア
3. 会社のIT部門に、Copilotのサービス状態やネットワーク制限を確認

を試すと改善することがあります。

7. まとめ：Copilot Notebooksは「プロジェクト専用のAI作業部屋」

最後に、ポイントを整理します。

• Copilot Notebooks = プロジェクト単位のAIワークスペース
• 関連ファイル・リンク・チャットを「参照」として登録し、
  その内容に基づいた回答やドラフトを生成してくれる
• 長文プロンプト・複数ステップの依頼をまとめて処理しやすく、
  「記事制作」「マニュアル作成」「研修資料」「FAQ」「会議要約」に特に向いている
• 参照を絞って、ノートブックごとに
  • テーマ
  • トーン（文体）
  • 出力フォーマット
    を決めておくと、ブレが少ない“専用Copilot”のように使える
• 長時間の連続利用で遅くなったり不安定になることもあるため、タスクは適度に区切り、重要な出力はこまめに保存するのが安心

パソコン作業や情報整理の負担をぐっと減らしてくれる Copilot Notebooks は、使い方を知っておくだけで仕事や日々のタスクが大きく変わります。
「長文の指示がうまく伝わらない」「複数のファイルを横断して要約してほしい」など、これまで手間だった作業も、専用ノートブックを1つ作るだけで一気に効率化できます。

もし「うまく使いこなせるか不安…」という場合も大丈夫。
少しずつ試していくうちに、あなたの作業スタイルにぴったりの使い方がきっと見つかります。

今後もCopilotやAI活用の記事を更新していきますので、気になるテーマがあればぜひチェックしてみてくださいね。

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