PodmanでWindowsコンテナは使えるのか?用語解説からLinuxとの違いを徹底解説

最近よく聞く「コンテナ」や「Docker」「Podman(ポッドマン)」

でも、Windowsでも使えるの?

Linuxとどう違うの?

と思ったことはありませんか?

そこで今日は、「PodmanでWindowsコンテナは使えるのか?」をテーマに、詳しく解説します。

コンテナってなに?

Windowsコンテナ

まずは「コンテナ」についてカンタンに説明します。

コンテナとは、アプリとその実行環境をセットにした“箱”のようなものです。

普通、アプリを動かすには「OSの設定」や「必要なソフト」がいろいろ必要ですが、コンテナならその全部を1つの箱にまとめて、どこでも同じように動かすことができます。

「Windowsコンテナ」とは?

「コンテナには種類があるの?」と疑問に思った方へ。

はい、コンテナには主に2種類あります

種類説明
LinuxコンテナLinuxで動くアプリ専用(一般的に一番使われる)
WindowsコンテナWindowsで動くアプリ専用(.exeなど)

💡たとえば、Windowsで作られた業務ソフトや.NETアプリなどを動かすには、「Windowsコンテナ」が必要になります。

ではPodman(ポッドマン)ってなに?

Podmanは、Dockerと同じようにコンテナを管理・実行するためのツールです。

オープンソースで、Red Hat系のLinux(RHEL、Fedoraなど)を中心に開発されています。

Dockerと違う特徴は

  • デーモン(常駐プロセス)なしで動く
  • root(管理者)権限が不要
  • セキュリティ面が強化されている
  • Dockerとほぼ同じコマンドが使える

本題:PodmanでWindowsコンテナは使えるの?

<結論>

2025年現在、PodmanでWindowsコンテナは動きません。

理由は以下の通りです。

理由説明
PodmanはLinuxベースで設計されているWindowsのAPIやファイル構造に対応していない
Windowsコンテナには特別なOS機能が必要Hyper-VやWindows Serverの技術が必要
現在のPodmanはLinuxコンテナに特化Windows上で動かすことはできても、Windows「コンテナ」は扱えない



2025年4月20日現在、Podmanが使える環境

環境対応状況
Linux(Ubuntu, RHELなど)◎(最適環境)
macOS○(Linuxコンテナを仮想環境経由で動かす)
Windows(WSL2など)△(Linuxコンテナのみ。Windowsコンテナは非対応)

では、Windowsコンテナを使うにはどうすればいい?

✔️以下の2つの方法があります

1. Docker Desktop(for Windows)を使う

  • 一番手軽な方法
  • 「Windowsコンテナ」に切り替え可能(右クリックで設定)

補足】「Windowsコンテナ」に切り替えるってどういうこと?

Dockerをインストールしたあとは、通常は「Linuxコンテナモード」で動いています。でも、Windowsで作られたアプリ(.exe など)を動かす場合は、「Windowsコンテナモード」に切り替える必要があります。

■ 切り替え手順(とても簡単です)

  1. パソコンの画面右下(タスクバー)にある クジラのマーク(Dockerのアイコン) を探します。
  2. そのクジラのアイコンを 右クリック します。
  3. メニューの中に
     「Switch to Windows containers(Windowsコンテナに切り替え)」 という項目があるので、それをクリックします。
  4. 数十秒ほどで切り替わります。

※切り替え後、再起動が必要なこともあります。

【補足の補足】切り替えってなにが変わるの?

  • Linuxコンテナモード:Linuxアプリ専用。ほとんどの人が最初に使うモード。
  • Windowsコンテナモード:Windowsアプリ専用。Windowsで作ったソフト(.NETなど)を動かしたいときに使います。

見た目ではあまり変わらないのですが、「箱の中で使えるアプリの種類」が変わるイメージです。


2. Windows Server上でPowerShellやHyper-Vを使って直接動かす

  • 企業やサーバー運用向け
  • Docker不要で動かすことも可能(ただし設定がやや難しい)

今後PodmanでWindowsコンテナが動く可能性はある?

現時点では「技術的にかなり難しい」と考えられています。

Podmanの開発元であるRed Hatやコミュニティも、Windows環境への正式対応については慎重で、今のところ公式な対応予定は出ていません。

LinuxとWindowsコンテナの違い【おさらい】

項目LinuxコンテナWindowsコンテナ
対応OSほぼ全てのLinuxWindows 10/11, Windows Server
起動時間数秒程度数十秒〜数分かかる
イメージサイズ小さい(数百MB)大きい(数GB以上)
コンテナ管理ツールDocker / Podman などDocker(Windows版)など
用途Webアプリ、API、処理系.NETアプリ、業務ソフトなど

まとめ

「PodmanでもWindowsコンテナは使えるのかな?」

と気になって調べてみた方にとって、ちょっと残念な結果かもしれませんが、今のところは対応していないのが現状です。Podmanはとても便利なツールですが、Linux環境向けに作られているため、Windows専用のアプリや機能とは相性がよくありません。

▶︎もしWindowsでコンテナを動かしたい場合は、

  • Docker Desktop for Windowsを使う
  • Windows Serverのコンテナ機能を活用する
    といった方法がおすすめです。

少し複雑に感じるかもしれませんが、一歩ずつ理解していけば、きっと自分に合った環境が見つかります。

この記事が「コンテナってなんだろう?」という疑問を持った方のお役に立てれば嬉しいです!