
Windows 10の調子が、アプリやドライバーの更新後からおかしくなった。そんなときに試せる回復方法の一つが「システムの復元」です。
ただし、復元ポイントが見つからない、実行してもエラーになる、Windowsが起動せず操作できないこともあります。
この記事では、Windows 10でシステムの復元ができないときに、症状に応じて確認する順番を解説します。復元ポイントがない場合にできることや、初期化する前の注意点も紹介します。
なお、Windows 10の通常のサポートは2025年10月14日に終了しています。システムの復元は引き続き利用できますが、復元してもサポート終了前の状態に戻せるわけではありません。
「システムの復元」とは?
「システムの復元」は、PCの設定やシステムファイルを過去の正常な状態に戻す機能です。
- アプリやドライバの更新でトラブルが起きたときに元に戻せる
- 文書・写真などの個人データには基本的に影響なし
- 復元ポイントが無いと使えない(これが「できない」原因になることも多い)
✔ 復元ポイントは自動作成されることもありますが、環境によっては作成されていない場合もあります。
これが「復元しようと思ったらポイントが1つも無かった」というトラブルの第一要因です。
先に確認すること:「システムの保護」が有効か、使える復元ポイントが残っているかを確認しましょう。復元ポイントがない場合、設定を今から有効にしても、トラブルが起きる前の状態には戻せません。
まずは復元ポイントを確認する
Windowsが通常どおり起動する場合は、次の手順で確認できます。
Windowsキー+Rを押し、rstrui.exeと入力して【OK】をクリックする- 「システムの復元」が開いたら【次へ】をクリックする
- 復元ポイントの一覧を確認する。表示される場合は【他の復元ポイントを表示する】も確認する
- 使いたい日付を選び、【影響を受けるプログラムの検出】で変更されるアプリやドライバーを確認する
- 内容を確認して【次へ】→【完了】をクリックする
復元すると、選んだ復元ポイントより後にインストールしたアプリやドライバー、変更した設定が元に戻ることがあります。通常、文書や写真などの個人用ファイルは復元の対象になりませんが、作業前に大切なファイルをバックアップしておくと安心です。
「システムの復元」ができないときの対処法
1. 復元ポイントが見つからない場合
復元ポイントの一覧が空の場合は、まず【他の復元ポイントを表示する】を確認してください。それでも表示されなければ、今回のトラブルが起きる前の状態へ「システムの復元」で戻すことはできません。
今後のトラブルに備えるには、スタートメニューで「復元ポイントの作成」を検索し、「システムの保護」タブを開きます。Windowsが入っているドライブ(通常はC:)を選択して【構成】をクリックし、【システムの保護を有効にする】を選びましょう。ディスク領域の使用量を設定したら、【作成】から復元ポイントを手動で作成できます。
ここで作成する復元ポイントは、作成時点より前のトラブルを直すためには使えません。現在の症状には、原因となったアプリや更新プログラムの確認など、別の対処が必要です。
2. 復元が途中で止まる・エラーになる場合
復元に時間がかかっていても、画面が動かないという理由だけですぐに電源を切らず、まずはしばらく待ってください。エラーが表示された場合は、その文言やエラーコードを控えます。
Windowsにサインインできる場合は、再起動後に別の復元ポイントが選べるか確認します。通常の起動状態から実行できない場合は、セーフモードで試す方法もあります。
- Windows 10の【設定】→【更新とセキュリティ】
- 【回復】を開き、「PCの起動をカスタマイズする」の【今すぐ再起動】をクリック
- 青い画面で【トラブルシューティング】→【詳細オプション】を選択
- 【スタートアップ設定】→【再起動】
- 再起動後に【4】を押してセーフモードを選択
- 起動したら、
Windowsキー+Rからrstrui.exeを実行
セーフモードでサインインする際は、PINではなくアカウントのパスワードが必要になる場合があります。パスワードを確認してから操作してください。
3. Windowsが起動しない場合
デスクトップを開けないときは、Windows回復環境(Windows RE)からシステムの復元を試せます。回復画面が表示されたら、【トラブルシューティング】→【詳細オプション】→【システムの復元】と進み、使える復元ポイントを選択してください。
回復画面が自動で開かない場合、Microsoftは、Windowsの読み込みが終わる前に電源ボタンを長押しして起動を中断し、これを2回行う方法を案内しています。3回目の起動で回復環境に入る場合があります。保存中のデータが失われるおそれがあるため、通常の再起動や回復ドライブを使える場合は、そちらを先に試してください。
デバイスが暗号化されている場合は、回復環境でBitLocker回復キーを求められることがあります。事前にキーの保管先を確認しておきましょう。
4. 復元できないときに、次に確認すること
復元が失敗しても、SSDを搭載していることだけで原因は判断できません。まずは表示されたエラー、別の復元ポイントの有無、Windowsが通常起動するかを確認してください。
アプリやドライバーを入れた直後から不調になった場合は、その変更を元に戻せるか確認します。Windows Updateの直後から起動できなくなった場合は、回復環境の【詳細オプション】にある【更新プログラムのアンインストール】も選択肢です。
セキュリティソフトのアンインストールを、原因が分からない段階で一律に行う必要はありません。製品名やエラー内容から干渉が疑われる場合は、その製品の公式サポート情報を確認してください。
最終手段:初期化(リセット)を行う前に
システムの復元が使えず、ほかの対処でも改善しない場合は、Windows 10の「このPCを初期状態に戻す」を検討します。ただし、初期化するとWindowsが再インストールされ、選んだ方法によってアプリや設定、個人用ファイルへの影響が異なります。まずは次の2点を確認してください。
- 大切なファイルをバックアップする:写真、文書、仕事のデータなどを外付けドライブに保存し、保存したファイルを開けるか確認します。
- BitLocker回復キーを確認する:デバイスが暗号化されている場合、回復環境での操作中などにキーを求められることがあります。
「個人用ファイルを保持する」を選んでも、インストールしたアプリや設定は削除されます。必要なアプリを後から再インストールできるか、ログイン情報やライセンス情報も確認しておくと安心です。
Windows 10を初期状態に戻す手順
- 【スタート】→【設定】→【更新とセキュリティ】→【回復】を開く
- 「このPCを初期状態に戻す」の【開始する】をクリックする
- 【個人用ファイルを保持する】または【すべて削除する】を選ぶ
- 【クラウドからダウンロード】または【ローカル再インストール】を選び、画面に表示される内容を確認して進める
【個人用ファイルを保持する】は、文書や写真などの個人用ファイルを残してWindowsを再インストールする方法です。【すべて削除する】は、個人用ファイル、アプリ、設定を削除します。どちらを選ぶ場合も、事前にバックアップを取ってください。
初期化中は、画面がしばらく黒くなったり、PCが再起動したりすることがあります。処理中に電源を切ると失敗するおそれがあるため、電源につないだ状態で、画面の案内に従って完了を待ちましょう。
Windowsが起動せず設定画面を開けない場合は、Windows回復環境の【トラブルシューティング】から「このPCを初期状態に戻す」を選べる場合があります。
BitLocker回復キーが必要になったときは
デバイスが暗号化されている場合、回復操作の途中で48桁のBitLocker回復キーを求められることがあります。Microsoftアカウントなどに保存されているか、初期化を始める前に確認してください。職場や学校のPCの場合は、管理者に確認します。
▶ Microsoft公式:BitLocker回復キーを見つける方法
システムの復元とは別に、ファイルをバックアップしておく
「システムの復元」は、Windowsの設定やシステムファイルを以前の状態に戻す機能です。写真や文書を保存しておくためのバックアップにはなりません。
大切なファイルは、外付けSSDやUSBメモリなど、PC本体とは別の場所にも保存しておきましょう。保存後にファイルを開けるか確認し、使い終わった外付けドライブはPCから取り外して保管すると、PC本体の故障にも備えられます。
よくある質問
Q. 復元ポイントがありません。今から作れば、昨日の状態に戻せますか?
A. いいえ。今作成した復元ポイントで、作成前の状態に戻すことはできません。復元ポイントの一覧で【他の復元ポイントを表示する】を確認しても見つからない場合は、今回のトラブルには別の対処法を検討します。今後に備えて、システムの保護を有効にしておきましょう。
Q. システムの復元をすると、写真や文書は消えますか?
A. 通常、写真や文書などの個人用ファイルはシステムの復元の対象になりません。一方、選んだ復元ポイントより後にインストールしたアプリやドライバー、変更した設定には影響が出ることがあります。大切なファイルは、操作前に別の場所へバックアップしておくと安心です。
Q. Windowsが起動しなくても、システムの復元はできますか?
A. Windows回復環境を開けて、利用できる復元ポイントが残っていれば、そこから実行できます。【トラブルシューティング】→【詳細オプション】→【システムの復元】と進んでください。デバイスが暗号化されている場合は、BitLocker回復キーを求められることがあります。
Q. 「個人用ファイルを保持する」で初期化すれば、アプリも残りますか?
A. いいえ。個人用ファイルは保持されますが、インストールしたアプリや設定は削除されます。初期化する前にファイルをバックアップし、必要なアプリを再インストールできるか確認してください。
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✔ もしものときに備えて、重要なデータだけでもUSBメモリにコピーしておくと安心です。
「とりあえずここに入れておく用」の1本があると、トラブル時の心の余裕が全然違います。
まとめ
「システムの復元」は、Windows 10でトラブルが起きたときに頼りになる機能ですが、
- 復元ポイントがそもそも存在しない
- 途中で止まる・エラーになる
- 復元後も症状が改善しない
といった「うまく使えない場面」も多いのが実情です。
まずは、復元ポイントとシステムの保護設定の確認から始めて、必要に応じてセーフモードや回復環境、初期化などの手順に進んでください。
そして、定期的な復元ポイントの手動作成と外付けSSDへのバックアップをセットで行うことが、トラブルからPCと大事なデータを守る一番の近道です。ぜひ今日から、少しずつ「戻せる環境づくり」を始めてみてください。

