「起動時にスクリプトエラー」が消えない—Windows 11でまず試す順番と確実な直し方

— IE残骸/スタートアップ/WebView2/Edge設定まで順番に解決

Windows Updateのあとにスクリプトエラーが表示され、困惑する女性のイラスト。パソコン画面には『このページのスクリプトでエラーが発生しました』というメッセージ。背景に歯車アイコンと警告マーク付き。

まず知っておきたいポイント

  • Windows 11では Internet Explorer(IE)が廃止されています。ただし、IE由来の設定や古いアドオン、レガシーな起動スクリプト(.js / .vbs / .hta) が残っていると、起動直後に「スクリプトエラー」が出ることがあります。
  • ほかにも、Edge/WebView2の破損常駐ソフトやセキュリティ製品の干渉破損キャッシュ企業PCのグループポリシーなどが原因として定番です。
  • 本記事は 安全な順 に並べています。上から順に試してください。

症状の見分け方

  1. エラーダイアログの本文とタイトルを撮影(URLやファイル名、行番号、SCRIPT ERRORなどの文字列がヒント)
  2. いつ出るかを把握
    • サインイン直後だけ?
    • Edge起動時だけ?
    • どのアプリで必ず出る?
  3. イベント ビューアーでタイムスタンプ一致のエラーを確認
    • Windows キーを押して eventvwr.mscWindows ログ > アプリケーション / システム
    • エラー源が「wscript/cscript/hta/edge/webview」などなら原因候補が絞れます

🔷POINT:起動直後に出るなら、スタートアップタスクスケジューラレガシーIE設定が疑わしいです。


Step 1|スタートアップとタスクの“原因”を止める(安全・強力)

1-1. スタートアップを整理

  1. Ctrl+Shift+Escタスク マネージャー
  2. スタートアップタブ → 不要/不明を右クリック 「無効化」
  3. サインアウト→サインインで再現テスト

1-2. タスク スケジューラを確認

  1. Windows キー → taskschd.msc
  2. タスク スケジューラ ライブラリを上から順に確認
    • 「起動時」「ログオン時」に実行されるタスクで、wscript.exe / cscript.exe / mshta.exe を呼ぶものがないか
    • 謎の .js .vbs .hta .html を実行していないか
  3. 心当たりがあれば 一時的に無効 → 再テスト

ここで直るケースがとても多いです(ベンダー旧ランチャー・ツールバー残骸など)。


Step 2|EdgeとWebView2を修復(IEの後継実行環境)

2-1. Edgeの修復

  1. 設定アプリインストール済みアプリ
  2. Microsoft Edge変更修復

2-2. WebView2 ランタイムの修復

  • 設定アプリインストール済みアプリMicrosoft Edge WebView2 Runtime
    • ある:修復(「変更」→修復)
    • ない:Microsoft公式から WebView2 Runtime を導入(多くのデスクトップアプリが内部ブラウザとして使用)

WebView2破損は「起動時の謎のスクリプトエラー」の定番原因です。


Step 3|既定アプリと“スクリプト関連の関連付け”を初期化

  1. 設定アプリ既定のアプリ
  2. 検索欄に .js / .vbs / .hta / .html と入力し、
    • .js / .vbs は通常 Microsoft Windows Based Script Host(wscript)
    • .htaMicrosoft (R) HTML Application host(mshta)
    • .html は通常 Microsoft Edge
  3. 不自然なアプリに変わっていたら 元に戻す

Step 4|「IE残骸」を片付ける(IEは廃止済み)

IE自体は廃止ですが、Internet オプション(inetcpl.cpl)の設定が一部残り、起動時のレガシースクリプトに影響することがあります。安全な順で対応します。

4-1. Internet オプションの“リセット相当”

  • Windows キー + Rinetcpl.cpl詳細設定リセット
    • 機種やポリシーでボタンが出ない場合があります(企業PCなど)。

4-2. リセットボタンが出ない場合の“代替”(上級)

  • 管理者コマンド プロンプトで実行
rundll32 inetcpl.cpl,ResetIEtoDefaults

注:将来的に使えなくなる可能性があるため、恒久策は下記のIE機能無効化が本命です。

4-3. IE機能を無効化(可能なら)

  1. Windows の機能の有効化または無効化optionalfeatures
  2. Internet Explorer 11 のチェックを外す → 再起動

4-4. 企業PC(グループポリシー)の場合

  • Windows キー + Rgpedit.msc(Home不可)
  • コンピューターの構成管理用テンプレートWindows コンポーネントInternet Explorer
    • 「IEの設定リセットを許可」 が無効になっていないか確認
    • 必要に応じてポリシー調整後、再起動

Step 5|Edge側のキャッシュ・サイト権限を整理

  1. Edge → 設定プライバシー、検索、サービス閲覧データをクリア
    • 期間:すべての期間
    • キャッシュされた画像とファイルCookie(サインアウト影響あり)を中心に
  2. サイトのアクセス許可JavaScript で不要サイトをブロック/許可を見直し
  3. 拡張機能で心当たりがあれば 一時的にオフ

Step 6|一時ファイルの徹底清掃

  • Windows キー + R%temp% → 中身を全削除
  • 再度 Windows キー + Rcleanmgr(または 設定 > 記憶域 から一時ファイル削除)

Step 7|セキュリティ製品の干渉チェック

  • McAfee / Norton などで Webスクリプト監視ブラウザ保護の機能が衝突する例あり
  • 一時停止で再現テスト → 直るなら 再インストール or 設定見直し(例:対象外リスト登録)

無効化のまま運用は危険。必ず保護状態を復帰してください。


Step 8|SFC / DISMでシステム破損を修復(安全)

管理者の PowerShell / コマンド プロンプトで順番に実行

sfc /scannow

を入力し実行。次に

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

を入力し、実行します。(完了まで少し時間がかかる場合があります)

  • 完了後、再起動して再テストしてみてください。

Step 9|それでも直らない時(復元・ロールバック・再インストール)

  • システムの復元rstrui → エラー出始め前のポイントへ
  • 更新ロールバック:設定 → Windows Update → 更新履歴更新プログラムのアンインストール
  • 初期化/上書きインストール(ファイル保持も選べます):設定 → システム → 回復

重要:大きな操作の前に 外付けSSD/OneDriveにバックアップ を。

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Windowsアップデートや不具合に備えて、大切なデータはバックアップしておきましょう。 使いやすい外付けSSDやUSBメモリがあると安心です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 企業サイトの業務Webでだけ出ます。

A. IE依存(ActiveX等)の名残がある可能性。EdgeのIEモードが指定されているか、社内ポリシー/WebView2対応状況を管理者に確認。キャッシュ削除・IE残骸リセットも併用。

Q2. 「SCRIPT ERROR」だけでURLが空白です。

A. 起動スクリプトやローカルHTMLをバックグラウンド実行している可能性。タスクスケジューラ/スタートアップ.js/.vbs/.hta を呼ぶものを特定・停止。

Q3. Edgeは問題ないが、特定アプリ起動で出ます。

A. アプリが WebView2 を内部利用しているかも。WebView2修復アプリ再インストールが有効。


再発防止のコツ(チェックリスト)

  • スタートアップとタスクの定期棚卸し
  • 不明な拡張機能や古いアドオンを撤去
  • WebView2/Edge の修復を覚えておく
  • バックアップ(外付けSSD/OneDrive)を習慣化
  • 企業PCはポリシー変更履歴を残す

参考:すぐ使えるコマンド/画面呼び出し

eventvwr.msc ← イベント ビューアー
taskschd.msc ← タスク スケジューラ
inetcpl.cpl← Internet オプション
optionalfeatures ← Windows の機能
rstrui ← システムの復元
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth


まとめ

  • 起動時の「スクリプトエラー」は、起動タスクIE残骸Edge/WebView2破損関連付けや拡張セキュリティ干渉のどれかに集約されます。
  • 本記事の順で “安全なものから” 試すと、高確率で解決に近づけます。
  • 繰り返す場合は、イベントログや発生タイミングを鍵に原因を特定しましょう。どうしても直らないときは 復元/ロールバック/初期化も選択肢です。

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