Windows 11で仮想環境を始める方法|Hyper-V・VirtualBox・VMwareを最新比較

Illustration of a Windows 11 laptop showing a virtual machine running inside the desktop, with icons for Hyper-V, VirtualBox, and VMware, symbolizing different virtualization tools. A beginner-friendly design with simple, colorful elements.
目次
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はじめに

仮想環境は「難しい人向け」ではなく、いまは誰でも使える安全な実験場

「仮想環境って難しそう…」

「どのソフトを選べばいいかわからない」
そう感じる方は多いのですが、いまの Windows 11 では “必要なときだけ安全に別PCを作れる仕組み” として、かなり身近になっています。

仮想環境(VM)は、あなたのPCの中にもう1台のPCを作るイメージです。
危ないソフトの検証、業務アプリの動作確認、Linux学習、古い環境の再現などが、本体を汚さずにできます。

この記事では、

  • 仮想環境の基本と、どんな時に役立つか
  • Windows 11 で使える主要ツール(Hyper-V / VirtualBox / VMware)の違い
  • 失敗しにくい導入手順(端折らず)
  • 24H2 以降で増えた「Hyper-Vと競合」問題の考え方
  • 快適化のコツ、よくあるトラブル対処

を、初心者向けにまとめ直します。


仮想環境(VM)とは?

仮想環境とは、ソフトウェアでPCの中に仮想のPC(仮想マシン)を作る技術です。
仮想マシンの中には別のOS(Windows / Linux など)を入れて、まるで別PCのように動かせます。

仮想環境が向いている人(具体例)

  • 怪しいソフトを試したい(本体を汚したくない)
  • 業務アプリの検証(アップデート後に動かない、などの確認)
  • Linux を学びたい/開発用に使いたい
  • 古い環境を残したい(旧版の動作確認)
  • VPN やブラウザ拡張の検証など、隔離したい作業がある

※注意:VMは「完全無敵」ではありません。危険なファイル検証は、ネットワーク遮断・スナップショット・共有フォルダOFFなど、安全側に倒すのが基本です。


まず確認:仮想環境に必要なPC条件(2026年時点の目安)

VMは「PCの中でさらにPCを動かす」ので、どうしてもリソースを使います。
最低限でも動きますが、快適さはメモリとSSDで決まります

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推奨スペック(目安)

項目推奨補足
メモリ(RAM)16GB 推奨(最低8GB)Windows 11をVMで動かすなら、VMに4〜8GB割り当てが現実的
CPU仮想化支援(Intel VT-x / AMD-V)BIOS/UEFIで有効化が必要な場合あり
ストレージSSD 推奨、空き 80〜150GBVM 1台あたり 30〜60GB 以上を見込むと安心
Windows エディションPro/Enterprise が有利Hyper-V は基本的に Pro 以上で使う想定
バックアップ外付けSSDなど推奨VMは丸ごとファイル。退避が簡単で効果大

重要:Windows 11 Home でも仮想環境は使える?

結論:使えます。ただし「何を使うか」が変わります。

  • Hyper-V(Windows標準の本格VM)は、基本的に Pro/Education/Enterprise 向け
  • VirtualBox / VMware WorkstationHomeでも利用可能
  • さらに、軽い用途なら Windows SandboxWSL2 が便利です(後述)

Windows 11 の要件や、エディションによる機能差は公式ページにも整理されています。 Microsoft


どれを選ぶ?主要3ツール+「軽量な代替」

ここが一番迷うポイントなので、まず結論を置きます。

迷ったらこれ(用途別おすすめ)

  • Windowsでガッツリ検証したい/標準で揃えたいHyper-V
  • Linuxも含めて気軽に色々試したい(情報が多い)VirtualBox
  • 安定性重視・使いやすさ重視VMware Workstation Pro(※いまは無償化が大きい)

なお、VMwareは以前「Playerは無料・Proは有料」の印象が強かったのですが、Broadcomの発表で VMware Workstation Pro が無料で使える形になっています(個人だけでなく商用・教育も含む案内)。

さらに軽量な選択肢(VM “じゃない”けど便利)

  • Windows Sandbox:一時的な「使い捨てWindows」。閉じたら消える。軽い検証向き
  • WSL2:LinuxをWindows上で動かす(Linux目的ならVMより快適なことも)
    ※VMと違って「別PCを完全再現」ではないですが、用途によっては最適解です。

比較表(2026年版)

項目Hyper-VVirtualBoxVMware Workstation Pro
料金Windows機能(主にPro以上)無料無料(無償提供の案内あり) Support Portal+1
対応Windows中心Windows/Linux等Windows/Linux
使いやすさ★★★☆☆★★☆☆☆★★★★☆
特徴Windowsと統合が強い、管理が堅い情報が多い、学習向き安定・UI良い、実用向き
つまずきポイント仮想スイッチ/権限Hyper-Vと競合しやすいHyper-V/VBSと競合しやすい

24H2以降で増えた「競合」の正体:Hyper-Vが裏で動いている問題

最近のWindows 11では、Hyper-Vを明示的に使っていなくても、

  • Windows Sandbox
  • WSL2(Virtual Machine Platform)
  • メモリ整合性(VBS / Core isolation)
  • Windows Hypervisor Platform

などが有効だと、ハイパーバイザー(Hyper-V系)が裏で動いていることがあります。

その結果、VirtualBoxやVMwareで
「遅い」「VT-xが使えない」「起動しない」
のような現象が起きやすくなりました。

特に 24H2 で「無効化したはずがうまく切れない」系の報告も見られます(環境差あり)。

考え方(初心者向けの結論)

  • Hyper-Vを使うなら:Windows側の仮想化機能を活かす(競合を気にしない)
  • VirtualBox/VMwareをメインにするなら:Windows側の関連機能(Hyper-V/VBS/プラットフォーム)を必要に応じて整理する

導入手順:Hyper-V(Windows標準)を使う

1) BIOS/UEFIで仮想化支援をONにする(最重要)

まず、PCのBIOS/UEFIで次のような項目を探します(メーカーで名称が少し違います)

  • Intel:Intel Virtualization Technology (VT-x)
  • AMD:SVM Mode / AMD-V

これがOFFだと、Hyper-Vに限らず多くのVMが正常に動きません。

2) Windows側でHyper-Vを有効化

基本はどちらかです。

A. 従来の方法(確実)

  1. スタートで「Windows の機能の有効化または無効化」を開く
  2. Hyper-V にチェック
  3. 再起動

B. 設定アプリから(新しめのビルドで増えた流れ)
Windows 11 の一部の更新で、設定アプリ側から仮想化関連機能をまとめてON/OFFできる画面が追加された、という紹介も出ています。
※お使いの環境にその項目が無い場合は、Aの「Windowsの機能」からでOKです。

3) Hyper-V マネージャーで仮想スイッチを作る

  1. スタート → Hyper-V マネージャー
  2. 右側メニュー → 仮想スイッチ マネージャー
  3. 迷ったらまずは 既定のスイッチ で開始(接続が簡単)

※社内LANに直接つなぎたいなどの要件がある場合に、外部スイッチ(ブリッジ相当)を検討します。

4) 新規VMを作成 → ISOを指定してインストール

  1. 右側メニュー → 新規 → 仮想マシン
  2. 世代:Windows 11なら基本 第2世代
  3. メモリ:まずは 4096MB〜8192MB(PCの余裕に合わせる)
  4. 仮想ディスク:60GB目安(用途で増減)
  5. インストールメディア:ISOファイルを指定
  6. 作成後、起動してOSセットアップ

導入手順:VirtualBox(無料)を使う

1) VirtualBoxを入れる前に確認したいこと

VirtualBoxは「シンプルに始めやすい」反面、Windows側のHyper-V系機能と競合するとハマりやすいです。
まずはそのまま入れて試し、遅い/起動しない場合だけ「競合の整理」に進むのが効率的です。

2) インストール → 仮想マシン作成

  1. 公式サイトからVirtualBoxをダウンロードしてインストール
  2. VirtualBoxを起動 → 新規
  3. OSタイプを選ぶ(例:Ubuntu / Windows など)
  4. メモリ割り当て(例:Ubuntuなら 2〜4GB、Windowsなら 4〜8GB)
  5. 仮想ディスク作成(可変サイズ推奨。最初は 30〜60GB)
  6. 設定 → ストレージ → 光学ドライブに ISO指定
  7. 起動してインストール

3) 便利機能:Guest Additions(必ず入れる)

VirtualBoxでよくある「画面サイズが変えられない」「マウスが変」問題は、
Guest Additions を入れると改善することが多いです。

  • VM起動中に、メニューの デバイス → Guest Additions CDイメージの挿入
  • 仮想OS側でインストーラ実行 → 再起動

導入手順:VMware Workstation Pro(現在は無償提供の案内あり)

VMwareは操作がわかりやすく、安定性も高めで、初心者にも相性が良いです。
そして大きいのが「Workstation Pro が無償で使える」という点(案内あり)。

1) 入手先の注意(Broadcom移行後)

VMwareの配布やアカウント導線が変わり、Broadcom側の手順案内が出ています。
「昔のVMwareアカウント感覚」で探すと迷いやすいので、公式のガイドに沿って進めるのが確実です。

2) インストール → VM作成

  1. Workstation Proをインストール
  2. Create a New Virtual Machine
  3. ISO指定 → OS種類を選ぶ
  4. CPU/メモリ/ディスクを設定
  5. 起動してセットアップ

3) VMware Tools(必ず入れる)

  • 画面の自動リサイズ
  • マウスの統合
  • 共有クリップボード(設定次第)

などが安定します。VM作成後は VMware Tools を入れるのが基本です。


“無料のWindows VM”はまだ手に入る?(注意点)

以前は「Windows開発用の評価VM(Dev Environment)」が配布されていましたが、2024年10月頃からダウンロードが一時的に利用できないという案内・議論が出ています。

そのため、「とりあえず評価VMを落として即起動」というルートは、時期によって使えない可能性があります。
いま確実なのは、

  • 自分のWindowsインストールメディア(ISO)でVMを作る
  • Linux(Ubuntuなど)をVMに入れて試す
  • 使い捨て用途なら Windows Sandbox を使う

のような現実的ルートです。


よくあるトラブルと対処(上から試すと早い)

1) VMが起動しない/黒画面のまま

  • メモリ不足:VMに割り当てすぎ or 物理RAM不足
  • CPU仮想化がOFF:BIOS/UEFIでVT-x/AMD-VをON
  • 第1世代/第2世代の選択ミス(Hyper-V)

2) 「VT-xが使用できない」「遅い」など(VirtualBox/VMware)

  • Windows側で Hyper-V系が動いていて競合している可能性
    • Sandbox/WSL2/メモリ整合性(VBS)/Windows Hypervisor Platform など
  • まずは「Hyper-Vを使う派」か「VirtualBox/VMwareを使う派」か決め、不要機能を整理

※24H2で無効化がうまくいかない系の話もあるので、うまくいかない場合は“段階的に”切り分けするのがコツです。

3) ネットに繋がらない

  • Hyper-V:既定のスイッチを使う/仮想スイッチを見直す
  • VirtualBox/VMware:ネットワークが NAT になっているか確認(まずはNATが簡単)

4) 画面が小さい/マウスが変

  • VirtualBox:Guest Additions
  • VMware:VMware Tools
    (これで体感8割は解決します)

快適に使うコツ(初心者でも効果が大きい順)

  1. メモリはケチらない(物理16GBあると世界が変わる)
  2. VMはSSDに置く(外付けSSDでも効果大)
  3. スナップショットを活用(壊れる前に戻せる)
  4. 共有フォルダは必要な時だけON(安全面でもおすすめ)
  5. まずは軽いOSから試す(Ubuntu/Lubuntuなど)

まとめ

仮想環境は「安全な実験場」です。
Windows 11 でも、目的に合わせて選べば難しくありません。

  • 標準で堅く運用したい → Hyper-V
  • 学習・検証で気軽に色々試したい → VirtualBox
  • 安定性と使いやすさ重視 → VMware Workstation Pro(無償提供の案内あり)
  • 使い捨て検証なら → Windows Sandbox
  • Linux目的なら → WSL2 も強い選択肢

最後に一言。
仮想環境は「設定が難しい技術」というより、“失敗しても戻せる環境を作るための保険”です。最初は小さなVM(Linuxなど)から始めて、慣れたらWindows検証へ広げていくのが一番ラクです。

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