「Microsoft Lists(以下、Lists)って何?」という方に向けて、詳しく解説します。

Listsは、案件・在庫・タスク・問い合わせ・備品台帳などの“表形式の情報”をかんたんに作って、共有して、追跡できる Microsoft 365 の標準アプリです。土台は SharePoint なので、Teams とも標準で連携します。
1) Listsをひとことで
「チームで使いやすい“Excelっぽい一覧”を、テンプレ+権限+通知付きで回せるアプリ」
Excelの強み(自由度・計算)よりも、入力ルール/ビュー切り替え/共同編集のしやすさ/変更通知に振った設計です。SharePoint を基盤に持つため、Teams のチャンネルにタブとして追加して皆で同じ一覧を見ながら更新できます。
2) できることの全体像
- テンプレートから数分で開始:案件管理、問題管理、イベント、資産管理などのテンプレが用意されています。列の型(選択・日付・ユーザー・添付など)やビュー(グリッド/カレンダー/カード)を後から調整可能です。
- Teams連携が標準:チャンネルに「Lists」タブを追加→その場で新規作成/既存リストを接続。個人用リスト(MSAプレビュー)はTeamsに追加できません。
- 自動通知・ガバナンス:SharePoint基盤なので、権限管理・履歴・ビュー管理が使えます。通知や自動化は Power Automate 連携が定番です(※MSAプレビューは非対応)。
3) アカウント別の利用可否と“注意点”
- 仕事/学校アカウント(Microsoft 365 Business/Enterprise)
もっとも機能が揃います。大規模データ、Teams連携、Power Automate/Power Apps などが使えます。 - 個人アカウント(@outlook.com 等)の“MSAプレビュー”
無料で試せますが、1人50リスト/各リスト最大1,500項目など制限があり、検索・ルール通知・Teams統合・Power Automate などは未対応です。個人での軽い台帳向けと考えると良いです。 - モバイルアプリは2025年11月中旬に提供終了予定
iOS/Androidの Lists アプリはリタイア予定。今後はモバイルWeb版またはTeamsアプリ内のWeb表示でアクセスする方針です。データ自体はそのまま使えます。
4) はじめかた(超初心者向けステップ)
A. いちばん簡単:テンプレから新規作成
- Microsoft 365 のアプリランチャーで「Lists」を開きます。
- テンプレートを選ぶ(例:問題管理・資産管理)。
- 列(選択肢/日付/担当者 など)を必要に応じて追加・削除。
- ビューを切り替え(グリッド、カード、カレンダー)——「期日」をカレンダーで可視化すると便利です。
B. Excel台帳を“卒業”する:インポート設計のコツ
- 列の意味をはっきり型で表す(日付は日付列、担当はユーザー列、状態は選択肢列)
- 入力ミスは型で防ぐ(自由入力テキストを減らし、選択肢で統一)
- ビュー分け(「未完了」「今週期限」「担当者別」など、よく見る切り口を固定ビューに)
C. Teams と一緒に使う
- チームのチャンネルを開き、アプリ追加で「Lists」を検索。
- タブとして固定し、新規作成または既存リストを接続。
これで打合せ中も同じ一覧を見ながら更新→通知まで一気通貫です(※個人MSAのリストは対象外)。
5) “あまり知られていない”実務で効くコツ
5-1. 「5,000件」問題を回避する
SharePoint Online にはリストビュー閾値(標準で約5,000件)があり、未索引の列で大量データを素朴に絞り込むとエラーや遅延の原因に。ビューでの絞り込み・並べ替えに使う列は必ずインデックス化し、年度別に分割する、フォルダー/フィルターで1ビューの件数を抑えるなどの運用が安定します。上限を変えることはできません。
5-2. 個人MSAプレビューの“できないこと”を把握
無料プレビューは検索・通知ルール・バージョン履歴・Teams統合・Power Automate/Power Appsなどが未対応。50リスト/各1,500項目の上限もあります。「まず家計・趣味台帳で試す」→「仕事では組織アカウントで本格運用」が安全です。
5-3. モバイル利用の方針転換
2025年11月中旬でモバイルアプリが終了予定。ブックマークはモバイルWeb版(Edge/Chrome)に切替え、Teams モバイルからリストを開く運用に寄せると将来も安心です。
6) Excel台帳との使い分け指針
- Listsが得意:担当者割り当て、期日管理、変更履歴、ビュー切替、共同編集+権限、Teams連携、通知の自動化。
- Excelが得意:複雑計算、統計・グラフ、自由度の高い表現。
結論:業務の“受付・台帳・案件進行・ToDo”はLists、集計・分析はExcelが快適です。
7) まずはこの“最小セット”で運用を始めましょう
- 必須列だけに絞る(タイトル/状態/担当者/期日/メモ)
- 状態は選択肢列にして意味を固定(未着手/進行中/保留/完了)
- ビューを3つ作る(全件、期限が今週まで、担当者=自分)
- Teamsにタブ固定して“見に行かないと見ない”問題を解消
- インデックスを「状態」「期日」に付けて5,000件対策を先回り
- 自動通知(例:期日前日/状態が完了に変わったら)を Power Automate で用意(※MSAプレビュー不可)
8) つまずきやすいポイントQ&A
Q. フィルターが遅い/エラーになる
A. ビューの条件に使う列へインデックスを設定し、1ビューの件数を抑えます。年度で分割するのも有効です。
Q. スマホでアプリが見つからない
A. モバイルアプリは提供終了予定。今後はモバイルWeb、またはTeamsアプリ経由で使います。
Q. 個人アカウントで仕事に使える?
A. MSAプレビューは機能制限が多いため、仕事では組織の Microsoft 365 アカウントでの運用をおすすめします。
9) 用語ミニ辞典
- リスト/アイテム/列:表・行・列のイメージ。列に「型」(日付・選択・ユーザー等)を付けて入力精度を上げます。
- ビュー:同じデータでも**切り口(フィルター・並べ替え・表示形式)**を変えて見せる設定。
- インデックス:高速検索のための“索引”。フィルターに使う列へ付けるのが基本。
- MSAプレビュー:個人向けの試用版。上限・未対応機能あり。
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Listsの学び・運用に役立つ3選
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10) まとめ
Listsは、Excel台帳の“つらさ”を減らすための標準アプリです。テンプレで素早く作り、入力ルールとビューで迷いをなくし、Teamsに固定して“みんなで同じものを見る”を徹底。5,000件閾値やMSAプレビューの制限、モバイルアプリ終了予定などの“落とし穴”だけ先に押さえれば、中小規模の実務なら今日から主力として使えます。
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