Windows 11 25H2:公開直後の既知不具合と回避策【ISOダウンロードエラー対処も】

Windows 11 25H2の既知の不具合と回避策を示すアイキャッチ。青い背景にノートPCと警告アイコン、その周囲に「DRM」「共有フォルダ(SMB)」「.msuインストーラー」「USB+ディスク(インストールメディア)」を表す4つのピクトグラムが並ぶ。ロゴ不使用のフラットデザイン。
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はじめに

2025年9月30日に配信が始まった Windows 11 バージョン 25H2(Windows 11 2025 Update)は、基本的に 24H2 と同じコード基盤を共有し(25H2は“有効化パッケージ”方式で提供)、段階的にロールアウトされています。公開直後の現在、Microsoft が公式に認識・公表している既知の不具合は主に以下のとおりです。企業・検証環境では影響が出やすいため、適用判断の材料にしてください。


1) DRM保護コンテンツの再生不具合

内容:一部のBlu-ray/DVD/デジタルTVアプリで、著作権保護が有効なコンテンツの再生やライブTV表示に問題(著作権エラー、再生の途切れ、フリーズ、黒画面など)。主要なストリーミングサービスは影響を受けないと明記されています。

影響範囲:Windows 11 24H2/25H2。

現状部分的に解消。9月29日のプレビュー更新 KB5065789 以降で、Enhanced Video Renderer(EVR)+HDCP を使うアプリに関する問題は対処済み。ただしデジタル音声向けDRMを使う一部アプリでは引き続き問題が起こる可能性があります。

推奨対応:最新の累積更新(少なくとも KB5065789 以降)を適用。該当アプリは更新や設定見直しも検討。恒久修正は今後の更新で提供予定です。


2) .msu(WUSA)での更新適用が失敗(ERROR_BAD_PATHNAME)

内容:Windows Update スタンドアロン インストーラー(WUSA)や .msu をネットワーク共有から実行する際、共有フォルダに複数の .msu がある条件で ERROR_BAD_PATHNAME になることがあります。ローカル保存して実行すれば発生しません。主に企業の運用で起こりやすい事象です。

現状KIR(Known Issue Rollback)で緩和済み。多くの非管理デバイスでは自動で解消されます。管理下の端末は、Microsoft 提供の専用GPOで強制適用が可能。恒久修正は今後の更新で提供予定です。

回避策:.msuをいったんローカルに保存してから実行/共有に .msu を1つだけ配置。適用後に再起動しても「再起動が必要」と表示が残る場合は15分以上待つと解消すると案内されています。


3) SMBv1 共有に接続できない(9月更新の副作用)

内容:2025年9月のセキュリティ更新適用後、NetBIOS over TCP/IP(NetBT)経由の SMBv1 共有への接続が失敗する場合があります(クライアント/サーバーのどちらか一方に更新が入っていても発生)。

Microsoftの暫定対処TCPポート445を許可して SMB を NetBT ではなく 直接TCP に切り替えると接続が復旧します。恒久修正は「今後の更新」で提供予定と案内されています。

補足(重要):SMBv1は非推奨かつ非安全です。可能なら SMBv1 の完全廃止(SMBv2/3への移行)をご検討ください。


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4) ARM64 PC上での「メディア作成ツール(MCT)」の不具合

内容(表現を修正):メディア作成ツール自体が“起動不可”というより、Arm64デバイス上で本来できるはずの「x64用メディアの作成」が期待どおり動作していない、という扱いになっています。Arm64用メディアの作成サポートはもともとありません

回避策AMD64(x64)CPUのPCでメディア作成ツールを実行してUSBメディアを作成してください。Microsoftもこの方法を推奨しています。

参考報道:Arm64環境でのMCTの不具合は各メディアでも確認されています。


【10/04 追記】25H2 ISOダウンロードでエラー「715-123130」/「417c3170-2149-4c16-80bd-f48b126128f」が出る

要点(TL;DR)
25H2のISOを取得しようとすると、メッセージコード 715-123130417c3170-2149-4c16-80bd-f48b126128f が表示される報告があります。
多くはネットワーク/プロキシ/VPN/ブラウザキャッシュなどの要因か、Microsoft側の一時的な配信制御(CDN/認証)で発生します。まずは「環境を変えて再試行」「公式ツール(Media Creation Tool)経由」をお試しください。

症状

  • Microsoft公式の配布ページやダウンロードリンクから Windows 11 25H2 ISO を取得しようとした際に、
    「メッセージコード 715-123130」 または
    「417c3170-2149-4c16-80bd-f48b126128f」
    が表示され、ダウンロードが開始されない/途中で止まる。

想定される原因(可能性)

  • CDN 側の一時的な配信制御/地域判定の不整合
  • VPN/企業プロキシ/フィルタリングによる通信改変・遮断(SSL検査含む)
  • ブラウザのキャッシュ・Cookie・拡張機能の干渉
  • セキュリティソフト/ファイアウォールのブロック
  • アカウント状態や言語/エディション選択の不整合

回避策(上から順に試すのがおすすめ)

  1. 別環境で再試行
    • VPN/プロキシをオフにして再試行(※利用する場合は別サーバー・別プロトコル切替も試す)
    • 自宅⇔テザリング⇔別Wi-Fi など回線を変更
    • 有線LANや別PCでの試行
  2. ブラウザ対策
    • ブラウザを変える(Edge/Chrome/Firefox)
    • シークレット/プライベート ウィンドウで開く
    • microsoft.com / software-download.microsoft.com のCookie・キャッシュを削除
    • 広告ブロッカー等の拡張機能を一時無効化
  3. セキュリティ/通信設定の見直し
    • セキュリティソフトのWeb保護/ファイアウォールを一時停止して試す
    • DNSを一時的に変更(例:1.1.1.1 / 8.8.8.8)後に再試行
    • 企業・学校ネットワークの場合、SSL検査やURLフィルタの影響を確認
  4. 公式ツール経由で取得
    • Media Creation Tool(MCT)で 25H2 のインストールメディア(USB/ISO)を作成
    • Windows Update の「最新の更新プログラムをいち早く受け取る」をオンにして有効な提供経路から入手(対応PCのみ)
  5. 時間を置いて再試行
    • 配信側の混雑・反映遅延の可能性もあるため、数時間〜翌日に再試行すると解消する例があります。
  6. サポート相談の準備
    • 発生日時/使用ブラウザ/回線種別/表示コード(文字列)を控える
    • 可能なら Edge/Chrome の開発者ツールで HAR を保存しておくと、原因調査に役立ちます

IT 管理者向けメモ(ネットワーク配下で出る場合)

  • 次のドメイン/FQDN をフィルタやSSL検査の例外に追加検討
    • software-download.microsoft.com
    • dl.delivery.mp.microsoft.com / d.dl.delivery.mp.microsoft.com
    • microsoft.com および同社配下の配信CDN
  • プロキシ認証・SSLインスペクションのポリシーを一時的に緩和して再試行
  • ログ上で 3xx/4xx(特に 403/429)や TLS エラーが出ていないか確認

よくある質問

  • Q. ISO自体が取り下げられた?
    A. 恒常的に取得不可というより、一時的な配信/認証エラーや環境要因で出るケースが多い印象です。時間を置いた再試行や経路変更で解消例があります。
  • Q. MCTのISOと直リンクのISOは違う?
    A. いずれも公式入手経路です。直リンクで躓く場合は、MCTでの作成を推奨します。

関連:詳しい手順・画面つきの対処法をまとめた別記事(準備中)も公開予定です。公開後は本項からリンクします。

Microsoftの対応状況と今後の見通し

  • DRM再生問題:KB5065789(2025/9/29公開のプレビュー更新)で一部は解消。残件は今後の更新で対応予定です。
  • WUSA/.msu問題KIRで緩和済み。企業は専用GPOで強制適用可。恒久修正は今後の更新。
  • SMBv1問題:暫定的にTCP 445 の許可で回避。恒久修正は準備中
  • MCT(Arm64)回避策(x64 PCで作成)を案内。恒久対応時期は未公表。

※「10月中にすべて修正パッチが出る」との確約は公式には明示されていません。一部は既に9月プレビューで緩和されており、残りは「今後の更新」で段階的に解消される見込みです。最新状況は Windows Release Health(25H2) を随時ご確認ください。


すぐできる実務的な回避策(要点)

  • DRM再生:まず Windows Update を最新(KB5065789 以降) に。再生アプリ側の更新と、EVR/HDCP設定の見直しも検討。
  • MCT(Arm64)x64 PCでメディア作成。Arm64デバイス上では当面避ける。
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不測のエラーでも、回復ドライブや再インストールにすぐ対応できます。
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補足:配信チャネルの注意(管理者向け)

WSUS/Configuration Manager 経由での 25H2 提供は 2025年10月14日 から。企業展開の方はこの日程も考慮してください。


まとめ

Windows 11 25H2:既知の不具合と回避策(早見表)
不具合主な影響すぐできる回避策現在の状態
DRM再生黒画面/エラー/途切れ最新更新(KB5065789以降)と再生アプリ更新一部解消・継続調査中
SMBv1共有共有に接続できないFWでTCP 445を許可(暫定)。可能ならSMBv1廃止修正準備中
WUSA/.msuERROR_BAD_PATHNAME などローカルに保存して実行/KIR配信待ちKIR緩和済み・恒久修正予定
MCT(Arm64)Arm上でx64メディア作成が不可x64 PCでメディア作成ツールを実行回避策案内中

最終更新:2025-10-02 / 詳細は各セクション(DRM / SMBv1 / WUSA / MCT)をご参照ください。

ご提示の4項目は概ね正しいですが、MCT(Arm64)は「起動不可」ではなく

「Arm64デバイス上での想定機能が正しく動かない」

ことが公式に明記されています。

また、DRM再生WUSA/.msuはすでに緩和策・部分修正が出ています。SMBv1は回避策ありです。(推奨は廃止)

不具合は順次解消予定です。最新情報が入り次第この記事も更新しますので、ブックマークしてご活用ください。

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