
はじめに
2025年9月30日に配信が始まった Windows 11 バージョン 25H2(Windows 11 2025 Update)は、基本的に 24H2 と同じコード基盤を共有し(25H2は“有効化パッケージ”方式で提供)、段階的にロールアウトされています。
2025年12月時点でも、Windows 11 バージョン 25H2 にはいくつかの既知の不具合があり、その一部はすでに解決済み、一部は「軽減(mitigated)」状態、または回避策のみが案内されている状況です。
この記事では、25H2公開当初に注目された代表的な不具合4件に加え、その後判明したタスク マネージャーの問題についても、最新情報を踏まえて整理します。企業・検証環境では影響が出やすいため、適用判断の材料にしてください。
なお、Windows 11 バージョン 25H2 は、2025年12月4日時点で「最新の更新プログラムをいち早く受け取る」をオンにしているすべての対象デバイスにロールアウト済みと案内されています。
1) DRM保護コンテンツの再生不具合
内容:一部のBlu-ray/DVD/デジタルTVアプリで、著作権保護が有効なコンテンツの再生やライブTV表示に問題(著作権エラー、再生の途切れ、フリーズ、黒画面など)。主要なストリーミングサービスは影響を受けないと明記されています。
影響範囲:Windows 11 24H2/25H2。
現状(2025年12月時点):この問題は、Windows 11 25H2 の「Resolved issues(解決済みの問題)」として扱われています。2025年9月のプレビュー更新 KB5065789 で EVR+HDCP 関連の不具合が緩和され、続く 10月の更新 KB5067036 以降で デジタル音声向け DRM を含めて解消済み と案内されています。
推奨対応:Windows Update で最新の累積更新(KB5067036 以降)を適用してください。古い状態(KB5065789 以前)のまま止めている環境では症状が残る可能性があるため、25H2利用環境では基本的に最新ビルドへの更新が推奨されます。再生アプリ側も最新バージョンに更新したうえで、症状が続く場合はアプリ側のサポート情報を確認してください。
2) .msu(WUSA)での更新適用が失敗(ERROR_BAD_PATHNAME)
内容:Windows Update スタンドアロン インストーラー(WUSA)や .msu をネットワーク共有から実行する際、共有フォルダに複数の .msu がある条件で ERROR_BAD_PATHNAME になることがあります。ローカル保存して実行すれば発生しません。主に企業の運用で起こりやすい事象です。
現状(2025年12月時点):Windows 11 25H2 の既知の問題ページでは、本件は依然として「軽減(Mitigated)」扱いで、既知のイシューロールバック(KIR)とグループポリシーによる対処が案内されています。恒久的な修正は「今後の Windows 更新プログラムで提供予定」とされています。
回避策:.msuをいったんローカルに保存してから実行/共有に .msu を1つだけ配置する、という従来の回避策は引き続き有効です。KIR による緩和が反映されるまで時間差が出ることがあるため、端末の再起動もあわせて実施してください。
3) SMBv1 共有に接続できない
現状(2025年12月時点):Microsoft は、2025年9月の更新以降、SMBv1 を NetBIOS over TCP/IP(NetBT)経由で利用した場合に共有へ接続できなくなる問題があると案内しています。TCP 445 を許可して SMB を直接 TCP で使うワークアラウンドは引き続き有効ですが、Windows 11 25H2 で本問題が完全に修正されたという公式アナウンスは、現時点では確認できません。
推奨対応:SMBv1 はもともと非推奨かつ非安全であり、Microsoft も利用停止を推奨しています。可能であれば SMBv2/SMBv3 への移行を検討し、SMBv1 からの脱却を優先してください。
4) ARM64 PC上での「メディア作成ツール(MCT)」の不具合
現状(2025年12月時点):2025年9月29日リリースの Media Creation Tool(バージョン 26100.6584)では、Arm64 環境で「We’re not sure what happened, but we’re unable to run this tool on your PC」と表示されて終了する不具合がありましたが、2025年10月29日のプレビュー更新 KB5067036 以降で修正済みと案内されています。現在は、最新の累積更新を適用した環境であれば、通常どおり MCT を利用できます。
補足:Media Creation Tool 自体は Arm64用インストールメディアの作成はサポートしておらず、従来どおり x64 用メディアの作成のみ対応です。この仕様は不具合修正後も変わっていません。
(過去の回避策):不具合発生当時は、AMD64(x64)CPU の PC で MCT を実行して USB メディアを作成することが推奨されていました。現在は修正済みですが、トラブル時の代替手段として覚えておくと安心です。
5) タスク マネージャーがバックグラウンドで残り続ける
内容:2025年10月28日の更新(KB5067036)以降、タスク マネージャーを[X]ボタンで閉じても、taskmgr.exe のプロセスがバックグラウンドで残り続けることがあります。何度も開閉を繰り返すと、タスク マネージャーのインスタンスが複数残り、CPUやメモリなどのリソースを消費し、全体的なパフォーマンス低下につながる可能性があります。
影響範囲:Windows 11 バージョン 24H2/25H2。
回避策
- タスク マネージャーを閉じる際は、[X] ではなく「タスクの終了」から自分自身を終了する([プロセス] タブで「タスク マネージャー」を選び、「タスクの終了」をクリック)。
- すでに複数インスタンスが残っている場合は、管理者権限のコマンド プロンプトで
taskkill /im taskmgr.exe /fを実行してまとめて終了させる。
現状:Microsoft は本件を「軽減(Mitigated)」状態として公開しており、今後の更新で修正を提供予定としています。根本的な解消には、最新の更新履歴を確認しつつ、今後の累積更新を適用してください。
25H2 ISOダウンロード時に「715-123130」「417c3170-2149-4c16-80bd-f48b126128f」が表示される場合
内容:Windows 11 25H2 の ISO を取得しようとした際に、上記のエラーコードが表示されてダウンロードが進まない、または途中で停止するという報告があります。
考えられる可能性(一般的な例)
- 一時的な配信負荷やアクセス集中によるエラー
- ブラウザのキャッシュや Cookie の不整合
- VPN・プロキシ・セキュリティソフトによる通信の変換/遮断
- ネットワークの一時的な不具合
- 拡張機能(特に広告ブロッカー)の干渉
回避策(一般的に有効な方法)
- ブラウザを変更して再試行(Edge / Chrome / Firefoxなど)
- シークレット/プライベートウィンドウで開く
- microsoft.com / software-download.microsoft.com の Cookie を削除
- 広告ブロッカーやダウンロード監視系の拡張機能を一時無効化
- VPN・プロキシを使用している場合は一度オフにする
- 回線を変更(自宅Wi-Fi → テザリング → 別回線など)
- Media Creation Tool(MCT)経由での取得を試す
- 時間を置いて再試行する(数十分~数時間)
管理者向けの確認ポイント
- SSL検査・URLフィルタリングの対象になっていないか確認
- 次のドメインがブロックされていないか確認
software-download.microsoft.comdl.delivery.mp.microsoft.com
- ファイアウォールログにエラー(403/429/TLSエラー)などが出ていないか
補足:これらのエラーは、原因が Microsoft 側かユーザー側かを特定できない場合があります。現時点で公式の発表は確認できないため、上記の一般的な対処を試し、それでも解決しない場合は時間を置くか、別経路(MCT)での入手をご検討ください。
IT 管理者向けメモ(ネットワーク配下で出る場合)
- 次のドメイン/FQDN をフィルタやSSL検査の例外に追加検討
software-download.microsoft.comdl.delivery.mp.microsoft.com/d.dl.delivery.mp.microsoft.commicrosoft.comおよび同社配下の配信CDN
- プロキシ認証・SSLインスペクションのポリシーを一時的に緩和して再試行
- ログ上で 3xx/4xx(特に 403/429)や TLS エラーが出ていないか確認
よくある質問
- Q. ISO自体が取り下げられた?
A. 恒常的に取得不可というより、一時的な配信/認証エラーや環境要因で出るケースが多い印象です。時間を置いた再試行や経路変更で解消例があります。 - Q. MCTのISOと直リンクのISOは違う?
A. いずれも公式入手経路です。直リンクで躓く場合は、MCTでの作成を推奨します。
関連:詳しい手順・画面つきの対処法をまとめた別記事(準備中)も公開予定です。公開後は本項からリンクします。
Microsoftの対応状況と今後の見通し
- DRM再生問題:2025年10月28日の更新 KB5067036 で解決済み。最新の累積更新を適用すれば原則解消します。
- WUSA/.msu問題:既知のイシューロールバック(KIR)とグループポリシーで軽減済み。恒久修正は今後の更新で提供予定。
- SMBv1問題:SMBv1+NetBT 環境で共有に接続できない事例が継続しており、TCP 445 を許可して直接 TCP に切り替える回避策が案内されています。修正完了の公式告知は、2025年12月時点では確認できません。
- MCT(Arm64)問題:Media Creation Tool バージョン 26100.6584 で発生していた不具合は、KB5067036 以降で修正済み。現在は最新バージョンの MCT で通常利用できます。
- タスク マネージャー問題:タスク マネージャーがバックグラウンドで残り続ける問題は「軽減」状態で、回避策(自分自身を「タスクの終了」で終了/taskkill コマンドなど)が案内されています。
すぐできる実務的な回避策(要点)
- DRM再生:まず Windows Update を最新(KB5065789 以降) に。再生アプリ側の更新と、EVR/HDCP設定の見直しも検討。
- MCT(Arm64):x64 PCでメディア作成。Arm64デバイス上では当面避ける。
補足:配信チャネルの注意(管理者向け)
WSUS/Configuration Manager 経由での 25H2 提供は 2025年10月14日 から。企業展開の方はこの日程も考慮してください。
まとめ
| 不具合 | 主な影響 | すぐできる回避策 | 現在の状態 |
|---|---|---|---|
| DRM再生 | 黒画面/著作権エラー/再生の途切れ | 最新の累積更新(KB5067036以降)と再生アプリの更新 | 解決済み(KB5067036以降で修正) |
| SMBv1共有 | SMBv1+NetBT経由の共有に接続できない | FWでTCP 445を許可し直接TCPでSMB接続/可能ならSMBv1廃止 | 回避策あり(修正作業中・SMBv2/3への移行推奨) |
| WUSA/.msu | ERROR_BAD_PATHNAME などで更新が失敗 | .msuをローカルに保存して実行/KIR適用を待つ | KIRで軽減済み(恒久修正は今後の更新で提供予定) |
| MCT(Arm64) | Arm64デバイスで旧版MCTが起動エラー | 最新の更新(KB5067036以降)適用済み環境で最新版MCTを利用 | 修正済み(KB5067036で解消/最新MCTで正常動作) |
最終更新:2025-12-08 / 詳細は各セクション(DRM / SMBv1 / WUSA / MCT)をご参照ください。
DRM再生やメディア作成ツールの問題はすでに解決済みですが、WUSA/.msu や SMBv1、タスク マネージャーの問題は軽減策や回避策を取りつつ、今後の更新で段階的に解消されていく見込みです。最新の状況は、随時 Windows Release Health(Windows 11 バージョン 25H2) を確認しながら、本記事も適宜見直していきます。
おすすめ関連記事
・【Windows 11 25H2】何が変わる?今すぐ入れるべき?を徹底解説

