
2024年2月29日に配信された Windows 11 の更新プログラム「KB5034848」は、セキュリティ更新を含まないプレビューリリースです。今回のアップデートには「Moment 5」と呼ばれる大型機能追加が含まれており、USB 80Gbps 対応やモバイル連携の強化など注目ポイントが多数あります。一方で、インストールが途中で止まる、動作が重くなる、BSoD(ブルースクリーン)が出るといった不具合報告も寄せられています。この記事では、KB5034848 の新機能と改善内容、注意すべき不具合や導入前のチェックポイントを、初心者にもわかりやすくまとめました。
KB5034848とは?アップデート内容と不具合のすべて
KB5034848は、2024年2月29日に配信されたWindows 11(22H2 / 23H2)向けの非セキュリティ(プレビュー)更新です。今回の更新では通称「Moment 5」と呼ばれる機能パックが同梱され、USB 80Gbps(最新USB4)対応や設定アプリ/ネットワークまわりの品質改善などが含まれます(任意適用のため自動では入りません)。
この記事では、追加された主な機能、注意点(プレビュー版の性質)、報告されている不具合と対処のヒントまで、実機運用の視点で丁寧に解説します。
KB5034848に含まれる主な新機能
● USB 80Gbps規格のサポート
対応PCと周辺機器の組み合わせで、従来の40Gbpsの約2倍にあたる最大80Gbpsが利用可能に。最新のUSB4(俗称 USB4 2.0 / Thunderbolt 5 世代相当)を見据えた拡張です。導入には対応ハードが必要です。
● モバイル連携の使い勝手向上
「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「モバイルデバイス」から連携設定を細かく調整可能に。Android端末の新しい写真/スクショをPC側へ即通知し、Snipping Toolでそのまま編集といったワークフローがスムーズになりました(Phone Link有効時)。
● ゲーム/ネットワークなど品質改善
セカンダリドライブにインストールしたゲームが勝手に消える問題の修正、セルラー→Wi-Fiの自動切り替え失敗の改善、設定アプリの応答停止など様々な不具合が解消されています。
注意点:このアップデートはプレビュー版です
KB5034848は非必須のプレビュー更新です。安定運用が最優先の環境では、適用を見送る選択も合理的です。適用する場合は事前バックアップ/復元ポイント作成を推奨します。なお、Microsoftの公開情報では本ビルドに関する新規の既知問題は特段明記されていません(ただし環境依存の不具合は起こり得ます)。
不具合報告:KB5034848で見られた症状
ユーザー報告ベースでは、インストールが途中(例:96%)で止まる、動作が重くなる、一部アプリの起動不良、稀にBSoDなどが挙がっています。再現性は環境依存で、ドライバーや古い周辺機器との相性が影響するケースが目立ちます。失敗コードの一例(0x800705b9 など)も散見されます。
ヒント:プレビュー更新は「その他の更新プログラム」(Optional)に表示され、ユーザー操作で適用します。業務PCなどでは様子見も有効です。
継続する不調への対処アイデア
● 自動修復ループ → 回復環境のコマンドプロンプトからsfc /scannow
と DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
を実行し、整合性を回復。作業後は通常起動で再確認。
● ドライバー競合 → デバイスマネージャーで該当デバイスのドライバーをロールバック、またはベンダー公式の安定版に更新。
● ストップコードが読めない → 「システムの詳細設定」→「起動と回復」→「自動的に再起動する」のチェックを外すと、BSoDが停止表示になり原因特定が容易になります。
実運用での注意点
✔️ 安定重視なら「しばらく様子見」も選択肢
業務PCや制作機は安定性を最優先に。特定の不具合解消が目的でない限り、プレビュー適用は慎重に判断しましょう。
✔️ 適用前の備え(バックアップ/復元ポイント)
- 重要データを外付けドライブやクラウドにバックアップ
- 「システムの復元」を有効化して復元ポイントを作成
- 回復ドライブ(USB)の作成で最悪時の復旧に備える
✔️ トラブルが出やすい環境の特徴
- Cドライブの空き容量が少ない(目安:10GB未満)
- 古い/非公式ドライバーや周辺機器を使用
- 長期間メンテナンス未実施(SFC/DISM未実行、ドライバー未更新)
該当する場合は、適用前にディスククリーンアップ、ドライバー更新、SFC/DISMで下地を整えると成功率が上がります。
裏技情報
- KIR(Known Issue Rollback)を確認:既知不具合はMicrosoft側のロールバックで自動緩和される場合があります。症状が急に解消したらKIR適用の可能性あり。
- 更新の“非表示”で保留:問題のあるプレビュー更新は「wushowhide」ツール等で一時的に隠し、次回の累積更新を待つ運用が安全。
- イベントログで原因特定:イベントビューワー → Applications and Services Logs → Microsoft → Windows → WindowsUpdateClient を確認。エラー時刻とコードを突き止めてピンポイント対処。
- USOClientで手動キック:管理者コマンドで
UsoClient StartInteractiveScan
を実行し、スキャンを強制的に走らせると通ることも。 - ISOを“更新のソース”に:DISMの
/Source
にマウントしたISO内のinstall.wim
を指定して整合性回復→再更新が有効。 - 配信の最適化を一時オフ:設定→Windows Update→配信の最適化で他端末からの取得を止め、帯域競合を回避。
- 復元ポイントの活用:適用前に作成しておけば、設定やアプリを保ったまま素早く巻き戻し可能。
ちょっとした工夫ですが、更新失敗が続く場合は「イベントビューアー」でエラー発生のタイミングを確認しておくと役立ちます。どのサービスやドライバーで失敗しているのかが具体的に見えてくるため、的確な修正につながります。また、Microsoftが公開している既知の問題(Known Issue Rollback/KIR)が自動的に反映されることもあるので、数日様子を見るだけで改善するケースも少なくありません。
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Windowsアップデートの不具合対策では、バックアップが最重要です。
不測の事態に備えて、外付けSSDやUSBメモリを準備しておきましょう。
まとめ
KB5034848は、USB 80Gbps対応やモバイル連携の強化など有益な改善を含む一方、任意適用のプレビュー更新である点に注意が必要です。用途や安定性の要求度を踏まえ、導入可否を判断してください。問題が起きた場合は、この記事の手順(SFC/DISM、ドライバー見直し、Optional適用の見送り)を参考に、段階的に対処しましょう。
なお、Microsoftの公式「リリースノート/既知の問題」ページも随時更新されます。適用前後に一度チェックしておくと安心です。
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