
突然パソコンが起動しなくなり、黒い画面にエラーコード:0x0000225と表示されて不安…という相談は少なくありません。本記事では、このエラーの意味と原因、そして安全な順番での解決策を初心者向けにやさしく解説します。専門用語は最小限、手順はスクリーンショットやコマンド付きで丁寧に進めます。
0x0000225とは?|ブート構成(BCD)を見つけられないエラー
概要:Windowsが起動に必要なファイルや設定(BCD:Boot Configuration Data)を見つけられないときに発生します。表示例は「Your PC needs to be repaired」。強制終了の繰り返し・更新失敗・ストレージ不良などがきっかけで発生しがちです。
主な原因
- BCDの破損/欠落(起動情報が壊れた)
- システムファイル破損(
winload.efi等) - ディスク障害(不良セクタ/接続不良)
- アップデートや設定の不整合(セキュアブート/高速起動など)
以下は安全な順に並べた対処法です。上から順に試してください。
1. 自動修復(スタートアップ修復):まずは最小リスク
- 電源ボタン長押しで強制終了 → これを3回繰り返す
- 自動で回復環境(修復画面)が開く
- 「詳細オプション」→「スタートアップ修復」
表示されない場合は、同手順を2〜3回繰り返すか、別PCで作成したインストールUSBから起動して「コンピューターを修復する」を選びます。
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▶ 外付けSSD(作業用・時短) ▶ USBメモリ(回復メディア作成用)2. BCDを再構築:0x0000225の本命対策
回復環境 → 詳細オプション → コマンド プロンプト を開き、次を1行ずつ実行します。
bootrec
scanos bootrec
fixmbr bootrec
fixboot bootrec
rebuildbcd
⚠️ 注意:デュアルブート(Linux等)環境では /fixmbr がブートローダを上書きする場合があります。該当の方は次の「UEFIでの代替手順」を優先。
「bootrec /fixboot で Access is denied」になる場合(UEFI)
EFIシステムパーティションにドライブ文字を一時割り当てして、bcdbootで再構築します。
・diskpart list disk select disk 0 ← Windowsが入っているディスク番号
・list partition select partition 2 ← EFI(100〜300MB/FAT32)を選択
・assign letter=S: exit bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFI
完了したら再起動して起動を確認します。
3. ディスクの状態を確認(チェックディスク)
不良セクタ等で起動ファイルが読めない場合に有効。回復環境のコマンド プロンプトで:
chkdsk C: /f /r
完了後、再起動して起動可否を確認します。
4. システムファイル修復(SFC / DISM)
起動に必要なファイルの破損が疑われる場合、次を順番に実行します(管理者コマンド)。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
推奨ループ: SFC → 再起動 → DISM → 再起動 → もう一度SFC。
5. それでもダメなら:上書き更新/復元/クリーンインストール
- 手動適用:インストールアシスタント or メディア作成ツールで上書き更新(個人ファイル保持可)
- システムの復元:復元ポイントがあれば更新前へ戻す
- クリーンインストール:最終手段。必ずバックアップを取る
起動修復に入る前に:バックアップと注意点
- 重要データは外付けSSD等に退避(回復環境のエクスプローラー/コマンドでコピー可)
- デュアルブート環境は/fixmbr等で上書きされる可能性。bcdboot中心に進める
- SSD/HDDの劣化が疑わしいときは、まず異音・SMART異常を確認し、無理な書き込みを控える
再発を防ぐために|日々のメンテと運用のコツ
- 正しいシャットダウン習慣:強制終了の連発はBCD破損の典型的誘因。応答なしでもまずは「電源>再起動」を優先し、最終手段として長押しを。
- 空き容量キープ:Cドライブは常に25〜30GB以上の空きを。機能更新や復元ポイントが作られず、起動系トラブルの温床になります。
- バックアップの型を決める:「3-2-1ルール」(3つのコピー・2種類のメディア・1つはオフサイト)を簡易化して、外付けSSD+クラウドの2段で十分実用的。
- 高速スタートアップの扱い:周辺機器やドライバの相性で起動系の不整合が出る場合は、一度高速スタートアップを無効にして安定性を確認。
- ドライバはメーカー優先:チップセット/ストレージ/グラフィックスは、Windows Update任せよりPC/マザーメーカー配布版のほうが安定することが多いです。
- BIOS/UEFI更新の姿勢:不具合修正が明記されるリリースなら検討価値。更新時はAC接続・既定設定のバックアップを忘れずに。
もう一歩踏み込む診断|原因の“痕跡”を読む
自動修復に失敗する場合でも、回復環境の「コマンド プロンプト」からログを確認すると糸口が見つかります。以下は代表例です。
- SrtTrail.txt(自動修復の記録):
C:\Windows\System32\LogFiles\Srt\SrtTrail.txtをnotepadで開いて原因候補を確認。 - BCDの内容確認:
bcdedit /enumでパスやデバイス指定が不整合になっていないかを点検。 - 回復環境の有効/無効:
reagentc /infoで回復イメージの状態を把握。必要に応じてreagentc /enable。 - ストレージ健全性:SMART異常や不良セクタ傾向が疑わしい場合、まずは読み取り中心でログ取得。無闇な書き込み(フォーマット等)は避けます。
物理トラブルの切り分け(デスクトップ/一部ノート)
- SATA/電源ケーブルの座り直し:振動や移動後に接触不良が起きがち。差し替えで改善する例も。
- M.2 SSDの固定ネジ:緩みや傾きで認識不良→起動失敗に。静電気対策のうえで点検を。
- 増設直後は外す:新規ドライブや拡張カードを一時取り外し、最小構成で起動確認。
迷ったらこの順番(簡易フローチャート)
- 回復環境で自動修復 → ダメなら
- BCD再構築(UEFIは
bcdboot、必要ならEFIに一時ドライブ文字)→ ダメなら - chkdsk(物理/論理エラーの確認)→ ダメなら
- SFC → DISM(システム修復)→ なおダメなら
- 上書き更新/復元/クリーンインストール
起動エラーは「複数要因の合わせ技」になっていることもあります。操作の前後で症状がどう変わったかをメモしておくと、次の一手(あるいは専門サポートへの説明)が的確になります。
[PR] 更新の失敗は“回線の瞬断”が原因なこともあります
▶ USB-C 有線LANアダプタよくある質問(Q&A)
Q. 回復モードに入れません。
電源長押しでの強制シャットダウンを3回繰り返すと自動で回復環境に入ることがあります。難しい場合は別PCでインストールUSBを作成し、USBから起動して「コンピューターを修復する」を選びます。
Q. 「bootrec /fixboot」で拒否されます。
UEFI環境では起こりがちです。DiskPartでEFIにS:を割り当て → bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFIで再構築してください(上の手順参照)。
関連ツール・メモ
アップデートや修復でダウンロードが進まない場合、WinHTTP側のプロキシ設定が邪魔していることがあります。
まとめ
- まずは自動修復で最小リスクにトライ
- BCD再構築(必要ならUEFIの
bcdboot)で起動情報を修復 - チェックディスク → SFC → DISMで土台を整える
- 最後は上書き更新/復元/クリーンインストールで回復を目指す
焦らずに手順どおり進めれば、回復できる可能性は高いです。
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