
突然出る「0x80004005」。メッセージに詳細が出ないため不安になりますが、実は発生する場面ごとに“効く”手順が違うのがポイントです。この記事では、
- まず試す基本対処
- Windows Update/ファイル操作/Outlook/共有フォルダ/仮想マシンごとの実践手順
- うまくいかない時の確実な切り分け
- 最終手段(修復インストール)
まで、危険なレジストリ改変を使わずに解説します。
まずは症状を切り分ける
次のどれで発生していますか?
- Windows Update:更新に失敗、構成エラーなど
- ファイル/フォルダ操作・ZIP解凍:コピー・削除・展開で失敗
- Outlook:送受信・起動時のエラー
- 共有フォルダ/NAS:ネットワークアクセスで失敗
- 仮想マシン(VirtualBox/VMware):起動・スナップショット等で失敗
該当セクションへどうぞ。
まず試す基本対処(安全&効果大)
- PCを再起動して再試行
- セキュリティソフトを一時停止(常駐保護の衝突切り分け)
- トラブルシューティング実行
- 設定 > システム > トラブルシューティング > その他のトラブルシューティング > 「Windows Update」や「ファイルとフォルダー」など
- DISM → SFC の順で修復(管理者のコマンドプロンプト/PowerShell)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthsfc /scannow
先にDISMでコンポーネントを修復してからSFCでシステムファイルを整えるのが推奨です。
シーン別:具体的な直し方
A. Windows Update で 0x80004005が出る場合
1. 公式手順で「更新コンポーネント」を再生成
管理者のコマンドプロンプトで次を1行ずつ実行 していきます。
net stop wuauserv
net stop bits
ren %SystemRoot%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren %SystemRoot%\System32\catroot2 catroot2.old
net start bits
net start wuauserv
(Microsoftの追加リソース手順に基づく)
→ 再起動 → 更新を再実行してください。
2. それでも失敗する場合:段階的チェック(A→Dの順)
上の方法で直らないときは、次の順番で原因を切り分けます。
各ステップのあとに 再起動 → 更新の再実行 を行ってください。
A. 自動診断でもう一度整える
- 設定 > システム > トラブルシューティング > その他のトラブルシューティング から「Windows Update」を実行
- 日時・タイムゾーンを自動にする、機内モード/VPN/プロキシを一時オフ にして再試行
- 空き容量が 20GB 以上 になるよう不要ファイルを整理(ディスクのクリーンアップ/ストレージセンサー)
B. システム側の破損を修復(管理者で実行)
管理者のコマンドプロンプト(またはPowerShell)で次を順番に実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
C. 更新サービスが正しく動いているか確認
- サービス(services.msc)で Windows Update / BITS / 暗号化サービス / Windows Modules Installer が「実行中」になっているか確認
- 止まっている場合は「開始」をクリック。状態が不安定なときは「再起動」を実施
D. それでも失敗する場合の有効な選択肢
- クリーンブート(常駐アプリを最小化)で更新:msconfig から「スタートアップの無効化」→ 再起動 → 更新
- 直近のドライバー更新が原因の可能性:ドライバーを1つ戻す/無効化 して再試行(特にストレージ・ネットワーク)
- ここまでで改善しない場合は、データを保持できる 修復インストール(上書きインストール) を検討
B. ファイル/フォルダー操作やZIP解凍で出る場合
- 短いパスへ移動して再試行(例:
C:\Temp
) - ZIPや展開先ファイルのプロパティ > 「ブロックの解除」をオン
- 可能なら「長いWin32パスを有効にする」(グループポリシー)を検討
- 別の解凍ツール(7-Zip/WinRAR)で展開
- DISM→SFCで土台を整える(上記)
C. Outlookで出る場合(送受信・起動時)
- アドイン無効のセーフモードで起動
- Win+R →
outlook.exe /safe
- Win+R →
- アカウントを削除→再追加(新Outlook含む)
- PST/OSTの修復:Microsoftの受信トレイ修復ツール(SCANPST.EXE)を使用
- 場合により、新しいプロファイル作成(コントロール パネル > メール)
- 参考:Microsoft公式のPST/OST修復ガイド。
D. 共有フォルダ/NASで出る場合(SMB・資格情報)
- 資格情報マネージャーで、接続先の古い資格情報を削除→正しいユーザー/パスワードを再登録
- 共有側の共有/NTFS権限を再確認(切り分けはEveryone読み取り→最低権限に戻す)
- SMB1は非推奨。旧NASでどうしても必要な場合は一時的に有効化し、作業後は無効化が推奨(SMB1は現行Windowsでは既定で未インストール)。
E. 仮想マシン(VirtualBox/VMware)で出る場合
- 最新バージョンに更新(本体と拡張機能を一致させる)
- Hyper-V/メモリ整合性などWindows側の仮想化機能との競合を一時的に無効化して切り分け
- 共有フォルダーやネットワーク設定をいったん外して起動→徐々に戻す
それでも直らない:VirtualBox の E_FAIL(0x80004005) を“まっさらに”して解消する手順
設定の競合や壊れたドライバが原因だと、細かな調整より再インストールで環境を作り直す方が早いことがあります。以下を上から順に実施してください。
- VMを退避:各仮想マシンを「エクスポート」するか、VMのフォルダ(.vbox / .vdi 等)を別ドライブにコピー。
- アンインストール:VirtualBox 本体と Extension Pack を削除 → 再起動。
- 残骸の掃除(可能なら)
- デバイス マネージャー(表示 > 非表示のデバイスの表示)で VirtualBox Host-Only Ethernet Adapter、 VirtualBox NDIS6 Bridged Networking Driver などの残存項目を削除
- C:\Program Files\Oracle\VirtualBox、C:\ProgramData\Oracle の残フォルダを削除(あれば)
- 競合機能の一時停止:Windows の「Windows の機能の有効化または無効化」で Hyper-V / Windows Hypervisor Platform / Virtual Machine Platform / WSL2 を一時的にオフにします。 「Core isolation(メモリ整合性)」もオフにして再起動します(後で元に戻せます)。
- 最新版をクリーンインストール:VirtualBox 本体をインストール → 同じビルド番号の Extension Pack を適用。
- ネットワークを確認:必要なら「Host-Only アダプター」を再作成。VPNクライアントやパケットフィルタ系ドライバは一時的に無効/アンインストールして挙動を確認。
- VMをインポートして動作確認:まずはまっさらなテストVMを新規作成して起動 → 問題なければ退避した本番VMを順次戻す。
補足: 上記で解決しない場合は、VirtualBox 側の設定で パラバーチャライゼーション/Nested VT-x を切り替える、または Windows の仮想化機能を再度オンにして(再起動)、VirtualBox が Hyper-V バックエンド で動くかを試すと改善することがあります。
ネットワーク系で怪しい時の“安定リセット”
管理者のコマンドプロンプトで、次を1行ずつ実行 → 再起動
netsh int ip reset
netsh winsock reset
ipconfig /flushdns
※まとめ貼り付けより1行ずつが安全です。
危険・非推奨の対処について
EnableLUA=0(UAC無効化)のようなレジストリ改変は、
ストアアプリが動かない/セキュリティ低下の副作用が大きいため推奨しません。
(当記事ではレジストリの削除・大幅変更を伴う手順は採用しない方針です。)
それでも直らない場合:最終手段
修復インストール(就業データを保持)
- 最新のWindows ISOを入手し、上書きインストールでシステムを修復
- ユーザーデータを保持しつつOSコンポーネントを再配置できるため、初期化よりリスクが低い
初期化(リセット)
- 重要データのバックアップ後、このPCを初期状態に戻す
- アプリ再インストールの手間と引き換えに、根本的な不整合を解消
まとめ:原因のパターン化が解決の近道
- Windows Update → 公式手順でコンポーネント再生成+DISM→SFC。
- ファイル/ZIP → 短いパス/ブロック解除/別解凍ツール
- Outlook → セーフモード/アカウント再追加/SCANPST。マイクロソフトサポート+1
- 共有フォルダ → 資格情報再登録/権限見直し/SMB1は最終手段。
- 仮想化 → 更新・競合切り分け・再インストール。
まずは基本の4手順(再起動/保護停止/トラブルシューティング/DISM→SFC)、次にシーン別の“効く”処置へ。落ち着いて一つずつ実行すれば、0x80004005は十分に解消可能です。
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