【Windowsエラー0x8007003b】ファイルコピーできない原因と対処法|2025年6月最新版

「ネットワーク経由でファイルコピーが止まって困っているイメージ」「共有フォルダのアイコン」「赤いエラーアイコン」「不安そうなパソコン利用者」などを含めます。

「突然、ファイルをコピーしようとしたらエラーが出て進まない…」

それが エラーコード 0x8007003b です。

特にネットワーク経由(NASや共有フォルダ)で大きなファイルをコピーしているときに発生しやすく、多くのユーザーが悩んでいます。この記事では、原因と具体的な解決策をわかりやすく解説します。

エラー 0x8007003b とは?

【エラーメッセージ例】

予期しないネットワーク エラーが発生しました。

エラー 0x8007003b: 不明なエラーが発生しました。など

主に次のような状況で発生します

  • ネットワークドライブにファイルをコピー中
  • VPN経由でファイルを転送中
  • 大容量ファイルのコピーや移動時

原因はネットワーク系が多いのが特徴です。

主な原因は何?

以下の表に原因をまとめました。

原因説明
ネットワーク遅延・不安定ルーターやLANの不安定、Wi-Fi切断など
ウイルス対策ソフトの干渉リアルタイムスキャンがファイル転送を妨害
VPN経由の制限VPNサーバーの帯域や設定による問題
サーバー側のストレージエラーNASやサーバーのディスク障害
SMBプロトコルの不一致WindowsのSMBバージョン違いによる互換性不具合

これらの原因は、単独で発生することもあれば、複数が重なってエラーを引き起こす場合もあります。特にネットワーク経由のファイル転送では「わずかな不安定さ」が大容量ファイルの転送失敗に直結しやすいのが特徴です。まずはご自身の環境で、どの要因が関係していそうかイメージしてみることが解決の第一歩です。

対処法① ネットワーク機器の再起動・確認

まずはネットワークの基本を見直します。

  • ルーター、ハブ、Wi-Fi親機を再起動
  • 有線LANで接続してみる(無線の不安定さを除外)
  • LANケーブルの断線確認

*意外と多いのが「ルーターのプチフリーズ」。再起動だけで直る例もあります。

対処法② ウイルス対策ソフトを一時停止

ウイルス対策ソフト(特にリアルタイム保護)が、転送中の大容量ファイルを監視して引っかかることがあります。

  • ウイルス対策ソフトを一時停止
  • コピー完了後に再度有効化

▶︎完全に無効化するのではなく「一時停止」がおすすめです。

対処法③ VPN接続の確認

もしVPN経由でコピーしているなら以下を確認:

  • VPNソフトの最新版に更新
  • VPNの種類(L2TP, OpenVPNなど)を変えてみる
  • VPNの帯域制限設定を確認

⚠️VPNのMTU(最大転送単位)の設定が低すぎると、大きなファイル転送に失敗することがあります。

対処法④ SMBプロトコルの調整

Windowsのファイル共有で使われる SMB(Server Message Block)プロトコルの不一致も原因となります。

SMBバージョンを確認・調整する方法

  1. 管理者でコマンドプロンプトを開く
  2. 現在の状態を確認
Get-SmbServerConfiguration
  1. 必要に応じてSMB 1.0の一時有効化
    (古いNAS機器などがSMB1のみ対応の場合)
    • 「コントロールパネル」→「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化または無効化」から SMB 1.0 を一時的に有効化

⚠️SMB1はセキュリティ上の脆弱性があるため、使う場合は注意が必要です。

対処法⑤ 別の経路・デバイスでコピーしてみる

  • USBメモリや外付けHDD経由で一旦コピー
  • 他のPCや別アカウントでコピーしてみる

*「問題がPC側かサーバー側か」の切り分けにも有効です。

裏技・補助策

コマンドラインコピーを使う

GUI(エクスプローラー)では失敗する大容量コピーでも、コマンドで成功するケースがあります。

robocopy ソースパス 宛先パス /Z /W:5 /R:3
  • /Z:中断可能なコピー(断線しても再開しやすい)
  • /W:5:エラー後5秒待機
  • /R:3:再試行回数3回

*ネットワークが不安定な環境では、再試行回数を少し多め(例:/R:5 や /R:10)に設定すると成功しやすくなることもあります。ただし、失敗が連続する場合は根本原因の調査も重要です。

さらに知っておきたい:エラー0x8007003bが起きやすい状況

エラー 0x8007003b は、特定の条件下で発生しやすくなる傾向があります。原因そのものはネットワークやソフトウェアの問題ですが、以下のような状況が重なるとエラーが頻発することがあります。

長時間の大容量ファイル転送

大きな動画ファイルや複数GBに及ぶバックアップデータをコピーしている場合、ファイル転送時間が長くなり、その間に一時的な通信不良が発生しやすくなります。ネットワークの瞬間的な不安定さでも、長時間のコピー中には致命的なエラーに繋がります。

無線LAN(Wi-Fi)接続での転送

Wi-Fi接続は有線LANに比べて通信の安定性が劣る場合があります。特に集合住宅や電波干渉の多い環境では、パケットロス(通信の欠落)が発生し、それがエラーの引き金になることがあります。安定性重視なら有線接続が有利です。

NAS(ネットワークストレージ)利用時

最近は家庭や小規模オフィスでもNASが普及していますが、NASのファームウェアが古いままの場合や、SMBプロトコルの互換性に問題がある場合、0x8007003b エラーが発生することがあります。NASのメーカーが提供する最新ファームウェアへの更新も対策の一つです。

ファイアウォールやネットワーク制御ソフト

パソコンにインストールされているファイアウォールソフトやネットワーク監視ツールが過剰に介入しているケースもあります。一時的にこれらをオフにして動作確認を行うことで、問題の切り分けがしやすくなります。

実はOSの更新も効果的

エクスプローラーやファイル転送に関連する Windows の更新プログラムが過去に多数配信されています。思いもよらない不具合修正が含まれていることもありますので、Windows Updateを最新まで適用しておくことも重要です。

  • Windows 10 → バージョン21H2以降
  • Windows 11 → バージョン22H2以降

特にファイル共有関連は細かく改善が続けられています。

最悪の場合は…ログ解析も有効

どうしても原因が特定できないときは、Windowsのイベントビューアでエラー発生時刻付近のログを確認する方法もあります。

  • [イベントビューアの開き方]
    • 「スタート」→「イベントビューア」検索
    • 「Windowsログ」→「システム」や「アプリケーション」を参照

エラーコードの詳細情報や関連する警告が出ていることもあり、トラブルの手がかりになります。


多くの場合、このエラーはハードウェア故障ではなく、設定や一時的なソフトの干渉によるものです。慌てず順に対策を試すことで、多くのケースで解消できます。根本原因が特定できれば、再発予防にも繋がります。

まとめ

エラー 0x8007003bは「ネットワークが原因でコピーに失敗する系」のエラーの代表格です。

ハード障害ではなく、設定やソフト的な要因が多いのが特徴です。

あせらず、以下の順で対応するとかなりの確率で解決できます。

  1. ネットワークの確認(再起動・有線化)
  2. ウイルス対策ソフトの一時停止
  3. VPN設定の見直し
  4. SMBバージョンの調整
  5. 別の経路やコマンド利用

どの方法も難しく感じるかもしれませんが、一つ一つ丁寧に確認していくことで、原因の切り分けが進みます。もし今回の方法で解決できなかった場合でも、ネットワーク環境や使用しているデバイスに固有の問題が隠れている可能性があります。焦らず順番に試していきましょう。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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