— Windows 10/11 でインストールが進まない・途中で止まるときの解決ガイド

この記事のポイント
- 0x800705b9 は Windows Update の途中で失敗する際に見られるエラーで、更新キャッシュの不整合、システムファイル破損、更新関連サービスの不具合、外付けストレージやドライバの影響など複数の要因が関与します。実際に 23H2/24H2 の累積更新で発生報告があります。
- 対処は「やさしい順」に進めるのがコツ。①基本確認→②トラブルシューター→③更新サービス再起動&キャッシュ初期化→④SFC/DISMで修復→⑤外付け機器取り外し・ドライバ更新→⑥手動更新(更新カタログ/修復インストール)の順で対応します。
0x800705b9 はどんなエラー?
多くは Windows Update(累積更新・.NET更新・品質更新)適用時に「インストール エラー – 0x800705b9」として表示され、25%や59%付近で停止したとの報告もみられます。特定のひとつの原因に限定されず、環境依存の複合要因で再発しがちな点が特徴です。
最初のチェック
- 再起動 & 時刻同期:PCを一度再起動。設定 > 時刻と言語 > 日付と時刻 で「時刻を自動的に設定」を有効に。
- ネットワークの安定化:Wi-Fi⇔有線を切り替える、ルーター再起動、VPN/プロキシを一時オフ。更新は安定回線上でおこなってください。
- 空き容量の確保:Cドライブの空きが不足していないか確認。(最低でも 20〜30GB を目安)
- 外付け機器を外す:外付けHDD/SSD/USBメモリ、SDカード、不要な周辺機器をいったん外してから更新してください。
- サードパーティ製常駐の一時停止:ウイルス対策などの常駐がある場合は一時無効化して試行してください。
ここまでで直らない場合は、次の段階的な修復へ進みます。
手順①:Windows Update トラブルシューティングツール
- 設定 > システム > トラブルシューティング > その他のトラブルシューティングツール
- 「Windows Update」→「実行」→表示に従って修復→再起動して再度更新を実行。
この内蔵ツールは自動的に既知の不整合を直してくれます。
手順②:更新サービスの再起動とキャッシュ初期化
更新コンポーネントが不整合を起こすと失敗が続くことがあります。以下は管理者権限のコマンド プロンプトまたは PowerShell で実行します。
net stop wuauserv
net stop bits
net stop cryptSvc
net stop msiserver
ren %systemroot%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren %systemroot%\System32\catroot2 catroot2.old
net start msiserver
net start cryptSvc
net start bits
net start wuauserv
上記で更新キャッシュ(SoftwareDistribution / catroot2)をリセットし、サービス(Windows Update、BITS など)を再起動します。実例ベースで有効とされる定番施策です。
手順③:システムファイルの整合性を修復(SFC / DISM)
管理者として開いたターミナルで順に実行します。
sfc /scannow完了後に再起動し、次を実行:
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthSFC は破損したシステムファイルを検出・修復し、DISM はコンポーネントストアの不整合を修復します。アップデート失敗の根底にある破損に強い対策です。
手順④:.NET や特定の累積更新で止まる場合の追加策
- 対象更新を一度「非表示」して他の更新を先に適用 → その後もう一度当該更新を適用。
- デバイスドライバ更新(特にストレージ/チップセット/ネットワーク)。
- 再試行前に再起動を挟む(連続適用で失敗するケースを避ける)。
これらはユーザーフォーラムでも有効例が報告されています。
手順⑤:手動更新(更新カタログ)または修復インストール
自動適用で繰り返し失敗する場合は、Microsoft Update カタログから該当 KB を直接ダウンロードして手動適用するか、ISO を用いた「上書き修復(Repair Upgrade)」で更新コンポーネントごと健全化する方法が効果的です。実際に 0x800705b9 で修復インストールが効いた報告があります。
修復インストールは個人データやアプリを保持したまま Windows を“上書き”する手段です。所要時間がかかるため、ノートPCはAC電源に接続し、作業前に念のためバックアップをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 進捗 25% や 59% で止まるのはなぜ?
更新段階ごとに別コンポーネントを処理するため、特定段階で破損ファイルやサービス不整合に当たるとその進捗で止まりやすくなります。SFC/DISM や更新キャッシュ初期化を優先してください。
Q2. 外付けストレージがつながっているとダメ?
外付けHDD/SSD、USBメモリ、SDカードが更新処理に影響し、失敗を誘発するケースがあります。適用中はいったん外しましょう。
Q3. セキュリティソフトは関係する?
リアルタイム検査や自己防衛機能で更新ファイルの展開を邪魔する場合があります。公式サポートツール→サービス再起動→SFC/DISMで改善しないときは一時的に無効化して再試行をしてください。
Q4. 24H2 でも発生する?
24H2 世代の累積更新でも 0x800705b9 の報告が見られます。根本は環境依存のため、この記事の順番で確実に切り分けましょう。Windows 11 Forum
うまくいかないときの“最後の一押し”チェックリスト
- Windows Update トラブルシューターを実行した。
- 更新関連サービス(Windows Update / BITS / CryptSvc / MSI)を再起動し、SoftwareDistribution / catroot2 を初期化した。
- SFC/DISM を順に実行し、再起動後に再試行した。
- 外付け機器を外し、空き容量を確保、ネットワークを安定化させた。
- それでもダメなら 手動更新 または 修復インストールを実施。
予防と運用のコツ
- 月例更新前の“軽い整備”:一時ファイルの削除、ディスクの空き確認、不要な外付け機器の取り外し。
- ドライバを定期的にメンテ:ストレージ/チップセット/ネットワークは更新の影響を受けやすいため、ベンダーツールや Windows Update for Drivers を活用。
- 失敗が続くなら間を置く:同一セッションで連続試行せず、再起動→単独で当該更新のみ適用→ダメなら手動更新へ。
まとめ
0x800705b9 は “ひとつの原因” ではなく、更新キャッシュの乱れ、システムファイル破損、サービス不整合、外付けデバイスやドライバなど複数要因が絡み合って起こります。やさしい順に段階的に対処することが最短ルートです。具体的には、トラブルシューター → 更新コンポーネントの初期化 → SFC/DISM → 外付け機器の取り外し・ドライバ更新 → 手動更新/修復インストールの順で進めてください。23H2/24H2 でも報告があるため、今後の更新でも再発しうる点を踏まえ、月例前の“軽整備”を習慣化しておくと安心です。
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