
「またWindows Updateが失敗した…」
そんなガッカリする瞬間は、誰でも経験があります。今回取り上げるのは「KB5060842」という更新プログラムでの失敗です。
実際、このエラーは世界中で報告されていますが、決して珍しい現象ではありません。この記事では、なぜこの問題が起きるのか?
どうすれば確実に解決できるのか?
一つひとつ、わかりやすく解説していきます。
KB5060842とは何の更新なのか?
まず簡単に「KB5060842」について整理します。
この更新は、2025年6月配信のWindows 11向けプレビュー更新プログラムのひとつです。セキュリティ更新ではありませんが、バグ修正や一部新機能の事前提供が含まれています。
プレビュー更新は、次回の月例本番更新(例えば、KB5069060など)に正式収録されることが多いため、「失敗するなら次回に入ればいいか」と割り切ることも可能です。ただし、何度も失敗すると、次の本番更新でも問題が残ってしまうケースがあるため、今のうちにしっかり原因を潰しておくのが安心です。
主な原因は何?
以下が、今回のKB5060842が失敗する主な原因です。
原因 | 内容 |
---|---|
① 古い一時ファイル | 過去の更新の残骸が悪さをしている |
② セキュリティソフト干渉 | アンチウイルスが更新の処理をブロック |
③ デバイスドライバーの不具合 | 古いドライバーがアップデートを邪魔 |
④ Windows Updateコンポーネントの破損 | アップデートの仕組みそのものに障害 |
⑤ バックグラウンドのプロセス競合 | 他のサービスやアプリが邪魔している |
特に、最近は「セキュリティソフトやドライバ競合」が急増しています。外部要因に左右されやすいのが最近の傾向です。
対処法① まずは代替プログラム「KB5069060」をインストール
もしKB5069060(7月の月例更新)が配信済みなら、こちらを先に入れてみるのがおすすめです。
プレビュー更新は正式更新の前段階ですので、最新版の本番更新を適用すると自動的にプレビュー分も含まれます。
【手順】
- Windows Updateを開く
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- KB5069060が出てくるなら、優先的にインストール
*もしこれでうまく入れば、KB5060842自体は無理に入れなくても構いません。
対処法② セーフモードで更新を試みる
セーフモードは余計な常駐ソフトが動かない「超安全運転モード」です。
【手順】
- Windowsの「設定」→「システム回復」→「PCの起動をカスタマイズ」→「再起動」
- セーフモード(ネットワークなし)で起動
- Windows Updateを実行
*セキュリティソフトが原因だった場合、セーフモードなら成功することがあります。
対処法③ トラブルシューティングツールを試す
Windowsには「更新プログラムトラブルシューティング」という診断ツールがあります。
【手順】
- 設定 → システム → トラブルシューティング
- その他のトラブルシューティング → Windows Updateを選択
【補足】
ただし現実には、このツールで完璧に直るケースは稀です。軽微な不整合程度しか自動修正できません。
対処法④ KB5060842だけを削除してやり直す
何度やっても失敗するなら、一旦この更新を削除して様子を見るのも有効です。
【手順】
- 設定 → Windows Update → 更新履歴
- 「更新プログラムをアンインストール」
- KB5060842を選択して削除
*削除後、PCを再起動してから再度Windows Updateを実行してください。
裏技① 手動インストール(Microsoftカタログから直接入れる)
自動更新では失敗しても、スタンドアロンインストーラー(msuファイル)を直接入れると成功するケースもあります。
【手順】
- ブラウザで「Microsoft Update Catalog KB5060842」と検索
- 自分のOSバージョンに対応するパッケージをダウンロード
- ダブルクリックしてインストール
この方法は「Updateの仕組みそのもの」が壊れていない場合には非常に効果的です。
裏技② Windows Updateのリセット
何をやっても入らないときは、Windows Updateの構成そのものをリセットする方法があります。
【手順】
- 管理者権限でコマンドプロンプト(またはPowerShell)を開く
- 以下を順番に入力
net stop bits
net stop cryptsvc
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start bits
net start cryptsvc
- PCを再起動してからWindows Updateを実行
これで「壊れた更新構成」をまっさらな状態にできます。筆者も何度もこの方法で復旧させています。
プレビュー更新(KB5060842)は入れなきゃダメ?入れなくてもいい?
KB5060842は「プレビュー更新プログラム」と呼ばれる種類の更新です。これは、次回の正式な月例更新(セキュリティ更新など)に先んじて公開される“試験的要素を含んだプレビュー版”です。
そのため、必ずしも全ユーザーに配信されるわけではありません。以下のような特徴があります。
- 手動で「オプションの更新」をチェックしない限り自動適用されないことが多い
- バグ修正や軽微な機能改善が主で、セキュリティ上の重大な修正は含まれない
- あくまで次回の本番更新の予告編のような位置付け
結論としては、失敗するなら無理に入れる必要はありません。
むしろ、頻繁にトラブルが発生しているなら、次回の正式版で自動的に取り込まれるのを待つ方が安全とも言えます。
KB5060842が失敗する人に共通する“あるある傾向”
実際に相談が多い中で、KB5060842が失敗しやすいPCには共通する条件も見えてきました。
失敗しやすい要素 | 解説 |
---|---|
古いPC(3年以上使用) | ドライバーやBIOSが未更新のまま |
市販のアンチウイルス利用 | 特に無料系のセキュリティソフトが干渉 |
容量ギリギリのストレージ | 更新作業用の一時領域が不足 |
複数の更新が途中で止まっていた | 他の更新の失敗が連鎖的に影響 |
予防策としては、以下を心がけるだけでも違ってきます。
- Windowsアップデート前に「ディスククリーンアップ」で一時ファイルを削除
- 市販アンチウイルスは一時的にオフ(またはWindows Defenderに一本化)
- 必要に応じてBIOS・ドライバ更新
- 重要ファイルはバックアップしておく
ちょっとした準備をしておくだけで、トラブルの発生確率はかなり減らせます。
まとめ
今回のKB5060842は、やや癖の強いアップデートです。
でも、手順を順番に実施すれば、ほとんどのケースで乗り越えられます。
以下に重要ポイントだけまとめてみたので参考にしてください!
おすすめの流れ |
---|
① まずはKB5069060を優先インストール |
② セーフモードで再挑戦 |
③ トラブルシューティング(軽微な修正に期待) |
④ アンインストール → 再インストール |
⑤ 裏技:スタンドアロン手動インストール |
⑥ 裏技:Update構成リセット |
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