
Windowsパソコンをアップデートした直後に、こんな経験をしたことはありませんか?
● アップデート後に再起動 → なぜか動作が重い
● タスクマネージャーを見るとCPU使用率が異常に高い
● Webページの表示が遅く、クリックにもラグがある
実はこれ、2025年7月時点でも多数報告されている「Windowsアップデート直後の負荷問題」です。
この記事では、アップデート後にPCが遅くなる原因をわかりやすく解説し、すぐにできる7つの対処法をご紹介します。さらに、2025年夏に報告されている最新の不具合情報もあわせて掲載しています。
なぜアップデート後にPCが重くなるのか?
Windowsのアップデートは、新機能の追加やセキュリティ強化のために必要ですが、その裏で一時的に大きな負荷がかかることがあります。主な原因は以下の3つです。
● バックグラウンドで多数のプロセスが起動する(例:SearchIndexer、Edge Updaterなど)
● ディスクやメモリ使用率が急上昇する(例:Defenderのフルスキャン、一時ファイル)
● 古いドライバとの互換性不具合(特にBluetoothやグラフィック周辺)
2025年7月補足:現在報告されている主な不具合
● DefenderによるCPU・メモリ高負荷:アップデート直後に自動スキャンが走り、数十分~数時間重くなる
● SearchIndexer.exeがディスクを専有:インデックス再構築によりディスク使用率が100%に
● KB5060842 適用後の動作遅延:一部の環境でログインやUIのもたつき報告あり
これらはMicrosoftも「既知の問題」として順次パッチを公開予定ですが、自分でできる対策を知っておくと安心です。
今すぐできる!動作を軽くする7つの対処法
① タスクマネージャーで負荷の高いプロセスを確認
Ctrl + Shift + Esc を押してタスクマネージャーを開き、「CPU」「メモリ」使用率が高い項目を確認します。不要なアプリは右クリックで「タスクの終了」を選びましょう。
② Windows Updateの残骸をクリーンアップ
①「Windowsキー + R」をおす
② cleanmgr と入力し、Cドライブを選択
③「システムファイルのクリーンアップ」で一時ファイルや更新のバックアップを削除
とくに「Windows Updateのクリーンアップ」は、アップデート前のファイルを数ギガバイト単位で削除できる重要な操作です。ディスク容量に余裕がないと、PC全体の動作にも影響を与えるため、定期的なクリーンアップは非常に効果的です。
なお、前のバージョンに戻す予定がある場合は、この操作でその機能が使えなくなる点にご注意ください。
③ スタートアップアプリを無効化
タスクマネージャーの「スタートアップ」タブで、使用頻度の低いアプリ(Zoom、OneDrive、Adobeなど)を右クリックで「無効化」しましょう。
④ 視覚効果をオフにして軽量化
①「Windowsキー + R」を同時におす
② sysdm.cpl →「詳細設定」を選択
③詳細設定の「パフォーマンス設定」から「パフォーマンスを優先する」に変更
視覚効果は見た目を美しくする一方で、CPUやグラフィック性能が低いPCでは意外な負担になります。特に、古いノートPCや省電力モデルではアニメーションが原因で操作に遅延が出るケースもあります。
設定画面では、すべての効果をオフにせず「カスタム」を選ぶことで、必要な項目だけを残すことも可能です。見た目と軽さのバランスを取りながら調整してみてください。
⑤ ウイルス対策ソフトを一時停止
特にAvastやMcAfeeなどサードパーティ製ソフトは負荷が高く、アップデート直後にスキャンが走ることがあります。Defenderのみの構成にするのも一案です。
⑥ ドライバを最新に保つ
① デバイスマネージャーを開く
② グラフィック・Bluetooth・Wi-Fiなどのドライバを右クリックで「ドライバーの更新」を実行
アップデート後にPCが重くなる原因の中でも、ドライバの不整合は見落とされがちです。特にグラフィックドライバは、Windowsのバージョンとわずかにズレがあるだけで、画面のカクつきやアニメーションの遅延を引き起こすことがあります。
Windowsの自動更新ではドライバが完全に最新になるとは限らないため、可能であればPCメーカーや各デバイスの公式サイトから最新版をダウンロードして手動で更新するのがおすすめです。
⑦ 最終手段:以前の状態に戻す
① 設定 →「システム」を選択
② システムの「回復」をクリック
③「前のバージョンのWindowsに戻す」を選択
これによって、アップデート前の状態に復元できます。(10日以内が目安です)
アップデート直後に“放置で回復する”ケース
アップデート直後は、PCが自動的に最適化やスキャン作業を行っていることがあります。特に、Windows Searchのインデックス再構築や、Microsoft Defenderによるフルスキャンなどが原因で、一時的に動作が重くなるのは「あるある」です。
このような処理は1〜2日で自然に収まることも多いため、アップデート直後に無理に操作を繰り返すよりも、まずは1日ほど様子を見るのも1つの選択肢です。とはいえ、3日以上経っても改善しない場合は、前述の対策を一つずつ試していくことが大切です。
クリーンブート(最小構成での起動)を試す方法
それでも改善しない場合、「クリーンブート(最小構成でのWindows起動)」を試してみるのも有効です。これは、不要な常駐ソフトやドライバを一時的に無効化した状態でWindowsを起動する方法で、原因の切り分けに役立ちます。
【手順】
① 「Windowsキー + R」で msconfig と入力
② 「サービス」タブ → 「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェック
③「すべて無効」→ OK をクリック
この後、再起動して下さい。これで起動直後の負荷が軽減されるかどうかを確認できます。
それでも解決しない場合
万が一、どの方法でも改善しない場合は、ハードウェアの問題やストレージの劣化も疑う必要があります。特に、HDDを使用しているパソコンでは、Windows 11との相性や読み込み速度の限界で、アップデート後に極端に遅くなるケースもあります。
この場合は、SSDへの換装やメモリの増設といった物理的な強化を検討するのも良い選択肢です。最近のノートパソコンであれば、ストレージの読み書き速度が体感性能に直結するため、「重い」と感じたらまずはスペック面を見直してみるのも一案です。
まとめ
アップデート後の動作遅延は、多くの場合「一時的な負荷」によるものです。数日経てば自然に改善することもありますが、上記のような対処法を試すことでより快適な環境が整います。
今後も新しいパッチが配信される可能性がありますので、更新内容と不具合情報には注意しながらPCを使い続けましょう。
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