
Windows Updateのあとに突然起動しなくなったり、UEFI/BIOS画面ばかり出ると「アップデートでBIOSが壊れた?」と不安になりますよね。
ただ、実際に多いのは BIOSそのものの破損ではなく、更新をきっかけに
- ブート順(起動ドライブ)の優先順位が変わった
- Secure Boot/TPM設定が初期化・再判定された
- BitLockerが回復キーを要求する状態になった
- ストレージの認識が一時的に不安定になった
といった“設定・整合性のズレ”で、壊れたように見えるケースです。
この記事では、慌てて初期化に進む前に「原因の切り分け → 復旧 → 再発予防」までを、順番に分かりやすくまとめます。
起動できない/設定が飛んだときの応急チェック
まずは“電源まわり”の安全確認
何度も強制終了を繰り返すと、状況が悪化することがあります。
まずは USB機器・外付けストレージを全部外し、電源を切って10秒待ってから、もう一度起動を試します(ノートPCはAC接続で)。
ブート順と基本設定を確認
電源投入直後に Del / F2(機種によりF10/F12/Esc)でUEFI/BIOSへ入り、次を確認します。
- Boot優先順位:Windowsが入っているSSD/NVMeが最上位になっているか
- Secure Boot / TPM:意図せず無効になっていないか(BitLockerやWindows 11要件に影響)
- 日付時刻:大きくズレていないか(認証や暗号化で問題になることがあります)
BitLocker回復キーを入手
回復キー画面が出た場合は、別端末で BitLocker回復キーの管理ページにサインインして確認します(Microsoftアカウントで暗号化を有効にした端末で起こりやすいです)。
回復機能の修正を先行
もし「このPCを初期状態に戻す(リセット)」や回復機能に関する既知不具合が案内されている場合は、最新の累積更新プログラム/必要に応じてOOB(緊急)更新を先に適用すると改善することがあります(例:KB5066189など)。
ストレージの状態を確認
Windowsが起動できる場合:diskmgmt.msc(ディスクの管理)で、システムディスクが オフライン/未割り当てになっていないか確認します。
Windowsが起動できない場合:回復環境(WinRE)で「コマンドプロンプト」を開き、diskpart → list disk でディスク自体が見えているか確認します。
※UEFI/BIOS側でディスクが見えていないなら、Windows側の修復より先に 接続・スロット・設定の問題を疑います
アップデート後にパソコンが突然起動しなくなったり、設定が初期化されたように見える場合でも、多くはBIOSやWindowsの一時的な不整合が原因です。
慌てて電源を何度も入れ直すよりも、ここで紹介する確認ポイントを順にチェックしていくことで、問題の切り分けと復旧の方向性が見えてきます。
公式推奨:Windows側の整合性をまず直す(DISM/SFC)
まずはWindowsのシステム整合性を修復します。Windowsが起動できるなら Windows Terminal(管理者) を開き、上から順に実行してください(完了後に再起動)。
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
企業・学校のPCでは、VPN/プロキシ/WSUSの影響で RestoreHealth が進みにくいことがあります。その場合はいったん社内ルールに従い、ネットワーク経路を確認してください。
うまくいかない場合(上級:オフライン修復)
Windowsが不安定でオンライン修復が失敗する場合は、同じエディション/ビルドのISOをマウントして“修復元”に使う方法があります。
例:ISOが D: としてマウントされた場合
dism /Get-WimInfo /WimFile:D:\sources\install.wim
表示されたIndexを使って、次を実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth /Source:WIM:D:\sources\install.wim:6 /LimitAccess
sfc /scannow
※ISOの中身が install.esd の場合は、ファイル名を読み替えてください。
Windows Update コンポーネントのリセット(キャッシュ初期化)
管理者コマンドプロンプトで以下のコマンドを1行ずつ実行します。
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
キャッシュ破損が原因の失敗を回避する方法です。
※更新履歴の表示が一時的に薄くなることがありますが、更新そのものが消えるわけではありません。
それでも復旧しない:インプレースアップグレード
個人ファイルや設定を保持したまま、システムだけを上書き再構成する方法。構成の不整合で失敗している場合に有効な“最終手段”です(最新メディア推奨)。Microsoftの手順に沿って実施してください。
もっと詳しい手順はこちら≫【公式裏ワザ】インプレースアップグレード”という選択
「BIOSが壊れた」ように見える時のメーカー別 リカバリー導線
- ASUS:CrashFree BIOS 3(USBからの復旧に対応) ASUS Global
- MSI:M-FLASH(BIOS上から更新/復旧) MSI
- GIGABYTE:Q-Flash / Q-Flash Plus(USBで更新/復旧) GIGABYTE
- ASRock:Instant Flash(USBからの更新/復旧ガイド) asrock.com
- 富士通:型番別のBIOSアップデート手順/ツール(公式配布) support.ts.fujitsu.com
※注意:復旧時は電源を落とさない/安定化(UPS)が鉄則です。メーカー手順に厳密に従ってください。
予防方法
一度復旧できても、同じ現象を繰り返さないためには「更新前の準備」と「更新直後の注意点」が大切です。
ここでは、トラブルを未然に防ぐために実践しておきたい基本的なチェックポイントをまとめました。
- アップデート前にBIOSを最新安定版へ(メーカー配布)
- 回復系の既知不具合を事前確認(リリースヘルス/OOBの有無)
- 更新直後の大容量書き込みは控える(24H2+特定SSDでの負荷時不具合報告があったため、最新まで更新後に様子見)
- BitLocker回復キーの所在を明確に(aka.ms/myrecoverykey をブックマーク)
まとめ
公式に「更新がBIOSを直接破損」とは断定されていません。現象の多くは設定初期化・起動順の変化・回復機能の不整合などが重なった結果です。
最短の基本線は DISM → SFC → 再起動 → WU再試行、ダメなら WUリセット/オフライン修復、最終は インプレースアップグレードをおススメします。
機種依存の起動不能はメーカーのBIOS復旧手順でリカバーしてみてください。あわせてリリースヘルスで既知問題・OOBの有無を確認してください。
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アップデート前に備えるおすすめ
- UPS(600–900VA) … 瞬停・電圧低下からPCを保護
- 外付けSSD 1TB(USB 3.2 Gen2) … 事前バックアップに最適
- USBメモリ 32–64GB … 回復ドライブ専用に1本
- バックアップソフト … スケジュール自動化で安心
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