
Windows Updateのあと、突然パソコンが起動しなくなったり、BIOS画面ばかり出てしまうと「アップデートでBIOSが壊れた?」と不安になりますよね。
実際のところ、Microsoftの公式情報では「更新がBIOSを破損する」とは確認されていませんが、設定リセットやストレージ認識不良などが重なって“壊れたように見える”ケースは報告されています。
この記事では、2025年10月時点の最新情報をもとに、原因の整理と復旧・予防の手順をわかりやすく解説します。
起動できない/設定が飛んだときの応急チェック
ブート順と基本設定を確認
電源投入直後に Del / F2 でUEFIへ。Boot優先順位がシステムSSDになっているか、Secure Boot・TPMが意図どおりかを確認。
BitLocker回復キーを入手
回復キー画面になった場合は別端末から aka.ms/myrecoverykey にサインインして確認。
回復機能の修正を先行
「初期化」や「このPCをリセット」が失敗する既知不具合は KB5066189(OOB) を先に適用。
ストレージの状態を確認
「ディスクの管理」でオフラインや未割り当てになっていないかを確認。24H2+特定SSDの問題は最新累積まで更新して再確認。
アップデート後にパソコンが突然起動しなくなったり、設定が初期化されたように見える場合でも、多くはBIOSやWindowsの一時的な不整合が原因です。
慌てて電源を何度も入れ直すよりも、ここで紹介する確認ポイントを順にチェックしていくことで、問題の切り分けと復旧の方向性が見えてきます。
公式推奨:Windows側の整合性をまず直す(DISM/SFC)
管理者権限でターミナルを開き、上から順に実行 → 再起動 → 更新を再試行
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
これらはMicrosoft公式が案内する標準手順です。企業/学校ネットワークではVPN・プロキシ・WSUSの影響があるため、必要に応じて一時解除や経路確認をしてください。
うまくいかない場合(上級:オフライン修復)
- 同一ビルドのISOをマウント(例:D:)し、WIMのIndexを確認
dism /Get-WimInfo /WimFile:D:\sources\install.wim Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth /Source:D:\sources\install.wim:<Index> /LimitAccess sfc /scannow
エディション/ビルド一致と /LimitAccess
の使い分けがコツです。
Windows Update コンポーネントのリセット(キャッシュ初期化)
管理者コマンドプロンプトで以下のコマンドを1行ずつ実行します。
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
キャッシュ破損が原因の失敗を回避する方法です。※履歴表示は一時的に消えることがあります。
それでも復旧しない:インプレースアップグレード
個人ファイルや設定を保持したまま、システムだけを上書き再構成する方法。構成の不整合で失敗している場合に有効な“最終手段”です(最新メディア推奨)。Microsoftの手順に沿って実施してください。
もっと詳しい手順はこちら≫【公式裏ワザ】インプレースアップグレード”という選択
「BIOSが壊れた」ように見える時のメーカー別 リカバリー導線
- ASUS:CrashFree BIOS 3(USBからの復旧に対応) ASUS Global
- MSI:M-FLASH(BIOS上から更新/復旧) MSI
- GIGABYTE:Q-Flash / Q-Flash Plus(USBで更新/復旧) GIGABYTE
- ASRock:Instant Flash(USBからの更新/復旧ガイド) asrock.com
- 富士通:型番別のBIOSアップデート手順/ツール(公式配布) support.ts.fujitsu.com
※注意:復旧時は電源を落とさない/安定化(UPS)が鉄則です。メーカー手順に厳密に従ってください。
予防方法
一度復旧できても、同じ現象を繰り返さないためには「更新前の準備」と「更新直後の注意点」が大切です。
ここでは、トラブルを未然に防ぐために実践しておきたい基本的なチェックポイントをまとめました。
- アップデート前にBIOSを最新安定版へ(メーカー配布)
- 回復系の既知不具合を事前確認(リリースヘルス/OOBの有無)
- 更新直後の大容量書き込みは控える(24H2+特定SSDでの負荷時不具合報告があったため、最新まで更新後に様子見)
- BitLocker回復キーの所在を明確に(aka.ms/myrecoverykey をブックマーク)
まとめ
公式に「更新がBIOSを直接破損」とは断定されていません。現象の多くは設定初期化・起動順の変化・回復機能の不整合などが重なった結果です。
最短の基本線は DISM → SFC → 再起動 → WU再試行、ダメなら WUリセット/オフライン修復、最終は インプレースアップグレードをおススメします。
機種依存の起動不能はメーカーのBIOS復旧手順でリカバーしてみてください。あわせてリリースヘルスで既知問題・OOBの有無を確認してください。
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アップデート前に備えるおすすめ
- UPS(600–900VA) … 瞬停・電圧低下からPCを保護
- 外付けSSD 1TB(USB 3.2 Gen2) … 事前バックアップに最適
- USBメモリ 32–64GB … 回復ドライブ専用に1本
- バックアップソフト … スケジュール自動化で安心
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