「Core i3なのに、なぜWindows 11にアップグレードできないの?」
最近こうしたご相談が急増しています。特に、2025年6月に配信されたWindows 11バージョン24H2では、対応するCPUの世代や新機能への対応状況により、アップグレードできるかどうかが大きく分かれます。
この記事では、特にCore i3シリーズのCPUに焦点を当てて、アップグレードできない原因とその対策を、初心者にもわかりやすく解説します。
まず確認!Core i3の世代による対応可否
- 第8世代(例:i3-8100 以降):対応
- 第14世代(例:i3-14100など):当然対応
- 第7世代以前(例:i3-7100など):非対応
また、最新の「Copilot+PC」機能には、従来のCore i3(第14世代含む)では対応していません。新機能を使いたい方は、買い替えを検討するタイミングかもしれません。
Windows 11にアップグレードできない主な原因と解決策
原因 | 確認方法 | 解決策 |
---|---|---|
CPUが非対応 | dxdiagでCPUの型番を確認 | 第8世代未満ならアップグレード不可 |
TPM 2.0が無効 | tpm.mscで確認 | BIOSで有効にする |
セキュアブートが無効 | msinfo32で確認 | BIOSで有効にする |
その他の制限 | PC 正常性チェックツールで診断 | 診断結果に従って対処 |
上記の表にある通り、Windows 11へのアップグレードには、ハードウェア側の条件を満たしていることが大前提です。特にCore i3搭載PCの場合、第8世代以降であるかどうかが分かれ目となります。
また、TPMやセキュアブートの設定はBIOSによって異なるため、「無効」と表示された場合は、パソコンのメーカー公式サイトなどで操作方法を確認しながら慎重に進めましょう。
万が一、条件を満たしているのにアップグレードできない場合でも、診断ツールや手動インストール、クリーンインストールなどの方法で対応できる可能性があります。焦らずひとつずつ確認していくことが大切です。
① CPUの対応状況を確認する
Windows 11は第8世代以降のCPUにしか対応していません。たとえCore i3でも、i3-7100などは非対応です。
【確認方法】
[Windows] + [R] → dxdiag
→ [システム]タブ →「プロセッサ」欄を確認
Intelなら、8000番台(例:i3-8100)以降が対象です。
② TPM 2.0 が無効になっている
TPMはセキュリティチップで、Windows 11の必須要件です。無効化されているとアップグレード不可になります。
【確認方法】
[Windows] + [R] → tpm.msc
→ 「TPMが見つかりません」と出たら、BIOSで有効化
→ TPMの有効化手順はこちらの記事で詳しく解説しています。
③ セキュアブートが無効
【確認方法】
[Windows] + [R] → msinfo32
→ 「セキュアブートの状態」が「無効」なら、BIOSで有効化が必要です。
上記でも解決しない場合
すべての要件を満たしているのにアップグレードできない場合、以下の対策を試してください。
- MicrosoftのPC正常性チェックツールを使って診断
- Media Creation ToolやISOを使って手動アップグレード
- クリーンインストール(最終手段・バックアップ必須)
それでもアップグレードできない場合は、「バイパスツール」を使って無理やりインストールする方法もありますが、あくまで自己責任です。
詳しくは以下の記事でご紹介しています。
▶非対応PCにWindows 11 24H2をインストールする方法
対応CPUでもアップグレードできない「意外な落とし穴」
実は、CPUが正式対応していてもアップグレードできない例が報告されています。代表的な原因は、BIOSのバージョンが古すぎることです。特に第8世代初期のPCでは、TPMやセキュアブートの設定項目そのものがBIOSに表示されないことがあります。
このような場合は、メーカーのサポートページから「BIOSアップデート」が提供されていることが多く、これを適用することで項目が表示され、Windows 11にアップグレード可能になります。
BIOSの更新は少しリスクを伴う操作ですが、各メーカーの公式手順を守れば安全に実行可能です。詳細な手順は以下の記事をご覧ください。
メーカー製PCは「独自仕様」に要注意
NECや富士通、東芝などの国内メーカー製パソコンでは、BIOSの設定項目が一般的な表記と異なる場合があります。たとえば「TPM」という名前ではなく「セキュリティチップ」や「PTT」と表示されることもあります。
また、BIOS画面そのものに制限がかかっていて、セキュアブートの有効化ができないモデルも一部存在します。このような場合は、メーカーに問い合わせるか、Windows 10を継続利用する判断も必要です。
どうしても非対応の場合の現実的な選択肢
アップグレードにどうしても対応できない場合、以下の3つの選択肢があります。
- ① Windows 10を延命して使い続ける(ESU延長)
- ② 軽量な代替OS(ChromeOS FlexやLinux)を使う
- ③ 新しいPCに買い替える
2025年6月からは、Microsoftが公式に有償で「Windows 10のサポート延長(ESU)」を提供しており、法人向けだけでなく一般ユーザーにも利用可能です。詳しくは以下の記事を参照してください。
▶ Windows10を延命する方法【無償・有償の違いも解説】
アップグレード前にやっておきたい「おすすめの準備」
アップグレードする際は、事前に以下のような準備をしておくと、トラブルを避けることができます。
- ・システムイメージバックアップを取る(復元用)
- ・大切なデータは外付けHDDやクラウドへ退避
- ・セキュリティソフトを一時的に無効化しておく
- ・高速スタートアップを無効にしておく
とくに「高速スタートアップ」が有効になっていると、アップグレード中にフリーズや再起動ループになるケースがあります。これはコントロールパネルの「電源オプション」から簡単に無効にできます。
また、アップグレード直前に「SFC /scannow」や「DISM」コマンドでシステムチェックを行っておくのも効果的です。システムファイルの整合性が保たれている状態でアップグレードすることで、失敗のリスクを軽減できます。
まとめ|Core i3でのアップグレードは「世代」がすべて
Windows 11へのアップグレードは、Core i3であっても世代が第8世代以降であることが大前提です。さらに、TPMやセキュアブートの設定が整っていないと失敗する原因になります。
また、2025年6月時点では、新機能「Copilot+」がi3には非対応のため、今後を見据えたPC買い替えも視野に入れておくとよいでしょう。
この記事が、あなたのPCアップグレードの参考になれば幸いです。
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