
2025年6月末、Windows 11 バージョン24H2向けに新たなプレビュー更新プログラム KB5060829 が配信されました。
今回は、「これってインストールしても大丈夫?」「変なエラーが出たんだけど…」といった不安の声も多く聞かれるようになっています。この記事では、KB5060829の内容、起きている不具合、インストールの是非まで、誰にでもわかるよう丁寧に解説していきます。
KB5060829とは?
KB5060829 は、2025年6月26日に公開された「月次プレビュー更新」です。これは通常のセキュリティ更新とは異なり、次回の正式アップデートに先がけて機能修正や改善点を先行提供する目的で配信されるものです。
対象は Windows 11 バージョン 24H2 のみで、手動で「オプションの更新」を選ばない限りはインストールされません。
【Microsoft公式カタログページ】
https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB5060829
主な改善内容(38件以上の修正)
今回のKB5060829には、以下のような改善・修正が含まれています。
- タスクバーのアイコン表示の改善(小型サイズの調整)
- Windows Copilot(AIアシスタント)の統合改善
- 通知センターの動作安定化
- ログイン画面のアクセシビリティ強化
- 特定のデバイスで起こっていたUSB切断の問題修正
このように、セキュリティというよりは「使い勝手や機能改善が中心」のアップデートです。新機能をいち早く試したい方には魅力的かもしれません。
インストール後の不具合報告の内容
一部のユーザーからは以下のような不具合が報告されています。
- イベントログに「Config Read Failed」(イベントID 2042)が表示される
- Alt + Tab使用時にゲームでカーソル遅延や画面崩れが起きる
特に前者のイベントログエラーについては、Microsoftが以下のように公式見解を発表しています。
Microsoft公式コメント
イベントID2042は「無視してOK」
このエラーは「Windows Firewallの構成読み取り失敗」と記録されますが、実際には何の影響もない開発中の機能に由来するエラーログです。Microsoftは「システムに害はなく、無視して問題ありません」と明言しています。
つまり、イベントビューアーで気になる警告を見ても、KB5060829のせいでWindowsがおかしくなったわけではないのでご安心ください。
補足・イベントID2042ってなに?
イベントログに表示される「イベント ID: 2042 / Config Read Failed」という警告は、Windows Defender Firewall with Advanced Security に関連した構成情報の読み込み失敗に関する内部メッセージです。
このメッセージの詳細は以下のようになっています。
<pre><code>Provider Name: Microsoft-Windows-Windows Firewall With Advanced SecurityEvent ID: 2042Level: WarningMessage: Config Read Failed</code></pre>
このログが出る原因は、将来的なセキュリティ機能に向けた設定領域がまだ準備中であるため。Microsoftはこの件について以下のように述べています。
「このイベントログは、内部の構成エラーであり、現在のバージョンのWindowsには影響しません。システム動作やセキュリティ上の問題は発生しないため、無視してかまいません。」
このように、実際にこのログが表示されても、PCの動作に異常が出るわけではありません。ウイルス感染やハッキングなどを心配する必要はなく、通常通りの作業を続けて問題ありません。 ただし、イベントビューアーを頻繁にチェックするユーザーにとっては気になる表示かもしれませんので、今後のアップデートで修正されることを期待しましょう。
ゲーム用途の方は要注意!ALT +Tab の動作不具合
ゲームプレイ中に Alt + Tab を多用する方からは、フリーズ、ラグ、マウス遅延、黒画面などの声も上がっています。Reddit上でも一部で報告があり、KB5060829をアンインストールすることで解決したケースがあります。
そのため、ゲーム目的の方はこのアップデートのインストールは控えた方がよいかもしれません。
アップデートのインストール方法(手動でのみ適用)
このパッチはまだ「プレビュー版」のため、通常の更新チェックでは自動適用されません。
以下の手順で手動インストールが可能です。
①「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムの確認」をクリック
②「2025年6月のプレビュー更新(KB5060829)」と表示されたら、「今すぐダウンロードしてインストール」を選択
なお、適用後にトラブルがあった場合は、以下の手順でアンインストールも可能です。
①「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」→「更新プログラムをアンインストール」
② KB5060829 を選択して「アンインストール」
これで、KB5060829はアンインストールされるので、不具合の確認もしてみてください。
今後の見通し・正式版は7月9日に配信か?
KB5060829の修正内容は、おそらく2025年7月9日(バッチチューズデー)の累積更新に含まれると予想されます。
そのため、不具合が気になる方は急いでインストールせず、正式配信を待つのが無難です。
KB5060829の「前提条件」
KB5060829をインストールするには、事前に「Windows 11 バージョン24H2」が適用されていることが必須です。
2025年6月時点で24H2は、一部の対応端末・Copilot Plus PCを中心に段階的に提供されていますが、まだすべての環境に配信されているわけではありません。そのため、Windows UpdateでKB5060829が表示されない場合は、お使いのPCが24H2にアップグレードされていない可能性があります。
バージョンの確認方法
①「設定」→「システム」
②システムの中の「バージョン情報」をクリック
3「Windowsの仕様」をみる
「バージョン」が「24H2」であればインストール可能です。
今後の「KB番号の付け方」予測
最近のMicrosoftの更新プログラムでは、KB番号が規則的になってきています。2025年以降のKBは、「5060xxx」台が24H2系に多く割り当てられており、セキュリティ更新は「5061xxx」系に振られる傾向があります。
今後「KB5060842」や「KB5060901」などの番号も登場する可能性が高く、プレビューの内容が正式版として反映されたタイミングを追っていくことで、トラブル予測や検証がしやすくなります。
余談・KB5060829とCopilotの関係
24H2では Windows Copilot(AIアシスタント)の統合が進んでおり、KB5060829ではその安定性に関わる修正も含まれています。タスクバーのCopilotアイコンが反応しない、遅い、クラッシュする…といった問題が改善されたという報告もあります。
Copilotを利用している方は、KB5060829を適用することで操作性が改善される可能性があります。
(※ハードウェア対応が前提)
まとめ
KB5060829 は急ぎでなければ様子見がおすすめかも?
Windows 11 24H2に対応したプレビュー更新「KB5060829」は、多くの機能改善が盛り込まれた注目のアップデートです。ただし、現時点では一部エラーログやゲーム使用時の不具合も確認されており、使用環境によっては様子見するのがいいのかもしれません。
逆に、新機能を早めに試したい方や、システムに詳しい方であれば、導入しても大きなリスクはありません。公式情報と照らし合わせつつ、判断していきましょう。
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