
「プレビュー更新 KB5060829 を入れるべきか迷う」——そんな声がいまも少なくありません。KB5060829はWindows 11 バージョン 24H2向けに2025年6月26日公開された非セキュリティ(プレビュー)更新で、次回の正式累積更新に先立って不具合修正や挙動改善をまとめて先行提供する位置づけです。配信対象は24H2のみ、Windows Updateの「オプションの品質更新」から手動で適用するか、Microsoft Updateカタログから入手できます(OSビルドは26100.4484に到達)。
中身は30件超の修正(報道では「38件以上」)が中心で、タスクバーの表示調整、通知やログオン周りの安定化、特定環境でのUSB切断問題の修正など、“使い勝手の磨き込み”が主役。新機能の先行体験というより、細かな不具合の収束を狙うアップデートと捉えるのが妥当です。
なお、既知の事象として、適用後にイベント ビューアーへWindows Defender Firewall(拡張セキュリティ)関連の警告「Event ID 2042 / Config Read Failed」が出るケースがありましたが、Microsoftは「影響なし・無視して問題ない」と案内しており、その後の非セキュリティ プレビュー更新で修正済みです。警告が表示されてもセキュリティや動作に実害はありません。
KB5060829とは?
KB5060829 は、Windows 11 バージョン 24H2向けに2025年6月26日公開された月次プレビュー更新(非セキュリティ)です。自動配信ではなく、ユーザーが明示的に「オプションの品質更新」を選んだ場合のみインストールされます。適用後のOSビルドは26100.4484。カタログ配布も提供されています。
KB5060829の改善内容(38件以上の修正)
今回のKB5060829には、以下のような改善・修正が含まれています。
- タスクバーのアイコン表示の改善(小型サイズの調整)
- Windows Copilot(AIアシスタント)の統合改善
- 通知センターの動作安定化
- ログイン画面のアクセシビリティ強化
- 特定のデバイスで起こっていたUSB切断の問題修正
このように、セキュリティというよりは「使い勝手や機能改善が中心」のアップデートです。新機能をいち早く試したい方には魅力的かもしれません。
インストール後の不具合報告の内容
一部のユーザーからは以下のような不具合が報告されています。
- イベントログに「Config Read Failed」(イベントID 2042)が表示される
- Alt + Tab使用時にゲームでカーソル遅延や画面崩れが起きる
特に前者のイベントログエラーについては、Microsoftが以下のように公式見解を発表しています。
Microsoft公式コメント
イベントID2042は「無視してOK」
このエラーは「Windows Firewallの構成読み取り失敗」と記録されますが、実際には何の影響もない開発中の機能に由来するエラーログです。Microsoftは「システムに害はなく、無視して問題ありません」と明言しています。
つまり、イベントビューアーで気になる警告を見ても、KB5060829のせいでWindowsがおかしくなったわけではないのでご安心ください。
補足・イベントID2042ってなに?
イベントログに表示される「イベント ID: 2042 / Config Read Failed」という警告は、Windows Defender Firewall with Advanced Security に関連した構成情報の読み込み失敗に関する内部メッセージです。
このメッセージの詳細は以下のようになっています。
<pre><code>Provider Name: Microsoft-Windows-Windows Firewall With Advanced SecurityEvent ID: 2042Level: WarningMessage: Config Read Failed</code></pre>
このログが出る原因は、将来的なセキュリティ機能に向けた設定領域がまだ準備中であるため。Microsoftはこの件について以下のように述べています。
「このイベントログは、内部の構成エラーであり、現在のバージョンのWindowsには影響しません。システム動作やセキュリティ上の問題は発生しないため、無視してかまいません。」
このように、実際にこのログが表示されても、PCの動作に異常が出るわけではありません。ウイルス感染やハッキングなどを心配する必要はなく、通常通りの作業を続けて問題ありません。 ただし、イベントビューアーを頻繁にチェックするユーザーにとっては気になる表示かもしれませんので、今後のアップデートで修正されることを期待しましょう。
ゲーム用途の方は要注意!ALT +Tab の動作不具合
ゲームプレイ中に Alt + Tab を多用する方からは、フリーズ、ラグ、マウス遅延、黒画面などの声も上がっています。Reddit上でも一部で報告があり、KB5060829をアンインストールすることで解決したケースがあります。
そのため、ゲーム目的の方はこのアップデートのインストールは控えた方がよいかもしれません。
アップデートのインストール方法(手動でのみ適用)
このパッチはまだ「プレビュー版」のため、通常の更新チェックでは自動適用されません。
以下の手順で手動インストールが可能です。
①「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムの確認」をクリック
②「2025年6月のプレビュー更新(KB5060829)」と表示されたら、「今すぐダウンロードしてインストール」を選択
なお、適用後にトラブルがあった場合は、以下の手順でアンインストールも可能です。
①「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」→「更新プログラムをアンインストール」
② KB5060829 を選択して「アンインストール」
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プレビュー更新は相性次第。不測の事態に備えてデータ退避を。
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コマンドで削除する場合
管理者権限でコマンドプロンプトを開き、次のように入力します。
これで、KB5060829はアンインストールされるので、不具合の確認もしてみてください。
KB5060829の「前提条件」
KB5060829をインストールするには、事前に「Windows 11 バージョン24H2」が適用されていることが必須です。
2025年6月時点で24H2は、一部の対応端末・Copilot Plus PCを中心に段階的に提供されていますが、まだすべての環境に配信されているわけではありません。そのため、Windows UpdateでKB5060829が表示されない場合は、お使いのPCが24H2にアップグレードされていない可能性があります。
バージョンの確認方法
①「設定」→「システム」
②システムの中の「バージョン情報」をクリック
3「Windowsの仕様」をみる
「バージョン」が「24H2」であればインストール可能です。
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不具合だけでなくセキュリティも要注意
Windows Updateの不具合と同時に、セキュリティリスクにも備えましょう。
VPNを使えば公共Wi-Fi利用時も安全です。
今後の「KB番号の付け方」予測
最近のMicrosoftの更新プログラムでは、KB番号が規則的になってきています。2025年以降のKBは、「5060xxx」台が24H2系に多く割り当てられており、セキュリティ更新は「5061xxx」系に振られる傾向があります。
今後「KB5060842」や「KB5060901」などの番号も登場する可能性が高く、プレビューの内容が正式版として反映されたタイミングを追っていくことで、トラブル予測や検証がしやすくなります。
余談・KB5060829とCopilotの関係
24H2では Windows Copilot(AIアシスタント)の統合が進んでおり、KB5060829ではその安定性に関わる修正も含まれています。タスクバーのCopilotアイコンが反応しない、遅い、クラッシュする…といった問題が改善されたという報告もあります。
安定性改善は、Copilot Plus PCかつ対応地域(日本は一部機能制限あり)でのみ反映されます。
KB5060829を入れるべきか?まとめ
タイプ | おすすめ対応 |
---|---|
新機能を早く試したい・個人PC | バックアップ作成→適用(不具合時はアンインストール対応) |
ゲーム用途中心・配信者 | 保留またはワークアラウンド前提で検証端末に限定 |
業務PC・共有PC | テストリングで先行評価→正式累積更新に取り込まれてから展開 |
KB5060829は、タスクバーやCopilotの改善を含む便利な更新ですが、ゲーム用途ではAlt+Tabの不具合が報告されており、安定性重視の方は慎重に判断した方が安心です。
- 新機能を試したい方 → 即インストールもOK
- 安定稼働が最優先の方 → 正式配信(累積更新)を待機
不具合が出てもアンインストールは可能なので、環境に合わせて柔軟に対応してください。
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