はじめてのAzure超入門:全体像・よく使う機能・料金の考え方・“迷子にならない”最短の始め方

Azure入門のアイキャッチ。青いグラデーション背景にクラウド、サーバー、ノートPC、シールド(セキュリティ)のイラストが並び、“Azure Beginner Guide”のタイトルが中央上部に表示されている。

「Azure(アジュール)って聞くけど、何ができるの?Microsoft 365やOneDriveと何が違うの?」――そんな“最初のつまずき”を解消する、全体像ガイドです。
今日は、用語をかみ砕きながら「Azureでできること」「基本の使い方」「料金の落とし穴と防ぎ方」「よくあるエラーと解決の筋道」までを一本で把握できるようにまとめました。


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1. Azureってなに?

Azureは“会社のITをまるごとオンラインで借りる”サービスです。

クラウド基盤(IaaS/PaaS)

サーバー・ネットワーク・データベース・AIなどの“土台”を、必要なときに必要な分だけ借りられます。

Microsoft 365/OneDriveとの違い

Microsoft 365=メール・Office・Teamsなど“業務アプリのセット”。

OneDrive=ファイル置き場。

Azure=アプリや社内システムを動かす“インフラそのもの”。

できることの例

WindowsやLinuxの**仮想マシン(VM)**を数分で用意

データベース(SQL、PostgreSQL、Cosmos DB 等)を運用不要で使う

AI/機械学習・認識APIを利用

仮想ネットワーク/セキュリティで安全に閉じた社内環境を作る

バックアップ/DR(災害復旧)やログ監視の自動化

※ 覚え方:Microsoft 365=オフィス、Azure=インフラ工場。工場があるから、どんなアプリでも“作って・動かして・伸ばせる”サービスです。


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2. まずは“骨組み”を押さえる

Azureの管理画面(Azure ポータル)を開いた時に出てくる“箱”の階層だけ覚えれば、ほぼ勝ちです。

  • テナント(Entra ID):会社の“利用者名簿”が入った親スペース。
  • サブスクリプション:お支払い口座・請求単位。請求書はここで切られる。
  • リソース グループ:リソース(VMやDBなど)をまとめる“フォルダ”。
  • リソース:実物(仮想マシン、ストレージ、DB、ネットワーク等)。

※ 最低ライン:「サブスク → リソースグループ → リソース」の3段だけ覚えておけば、設定画面の目的地を見失いません。


3. よく使う主要サービスを“用途ベース”で把握

A. 計算(コンピュート)

  • Virtual Machines (VM):自由度が高い。Windows/Linuxをそのまま使える。
  • App Service:Webアプリ/APIを“サーバ管理なし”でデプロイ。
  • Container/AKS:Docker/Kubernetesでモダン運用。

B. データを置く(ストレージ/DB)

  • Storage Account:ファイル/オブジェクト/キュー/テーブルの“万能箱”。
  • Azure SQL / PostgreSQL / MySQL:お世話付きDB(バックアップ/更新もお任せ)。
  • Cosmos DB:グローバル分散・スケールが得意なNoSQL。

C. ネットワーク/セキュリティ

  • Virtual Network (VNet):社内ネットのクラウド版。サブネットで分割。
  • Network Security Group (NSG):穴を開ける/塞ぐ“入口番”。
  • Azure Firewall/WAF:高度な防御。公開WebならWAFも検討。
  • Private Endpoint:インターネットを通らず安全にPaaSへ接続。

D. 監視・運用

  • Azure Monitor / Log Analytics:メトリックとログの一元監視。
  • Update Management / Backup / Site Recovery:パッチ、バックアップ、DR。

E. AI/自動化

  • Azure AI Services(言語/画像/音声の認識・生成)
  • Logic Apps / Functions:ノーコード/サーバレスで自動処理。

4. 料金は:“動かした分だけ”+“保存した分だけ”

従量課金(Pay-As-You-Go)が基本

・VM:動いている時間で課金。必ず「停止(割り当て解除)」まで行うと課金↓。

・ストレージ:保存容量+取り出し頻度。アクセス頻度で層を分けると安くなります。

・データ転送料:外向き(Egress)は有料になりやすいので要注意です。

コスト削減の三種の神器

予算アラート(Cost Management + Billing)で通知されます。

停止スケジュール(自動シャットダウン)

サイジング(VMサイズ/ディスク種別/ストレージ層の見直し)

まずは無料枠/無料試用で触り、構成が固まったら予約系や貯蓄プランを検討してみましょう。


5. “最短で手応え”を得る体験ルート

目的:Windows 11 の検証用 VM を作って、リモートで繋いで、課金を止めて、片付ける――この一連でAzureの「作る/繋ぐ/止める/消す」を体感します。

  1. 無料アカウントを用意(既存の職場アカウントがある場合はそれでOK)。
  2. サブスクリプションを確認(課金単位)。
  3. リソース グループを1つ作成(例:rg-intro-eastasia)。
  4. Virtual Machineを作成
    • リージョン:近い場所(例:Japan East/東日本)
    • サイズ:小さめ(Bシリーズなど)
    • OS:Windows 11/Server(またはLinux)
    • 受信ポート:RDP(3389)有効にする(後でNSGで締め直すのが理想)
    • ディスク:標準SSD(とりあえずでOK)
  5. パブリックIPに対してRDP接続(Windowsなら「リモートデスクトップ接続」)。
  6. Azure側でやるべき初期操作
    • NSGの受信規則を自分のグローバルIPだけに絞る(“任意の人から接続OK”は危険)。
    • “自動シャットダウン”を有効化(毎晩23時など)。
  7. 作業後は
    • 使わない時間は**「停止(割り当て解除)」**を必ず実行。
    • 検証が終わったらリソースグループごと削除(一括で消えて課金ゼロに戻る)。

※ 迷ったら:“VMを止めたか?”“リソースグループを消したか?”を最後に声出し確認してみるといいかもです。


6. まず覚えると得する設定トップ5

  1. タグenv=dev など):後で請求分析や棚卸しが超ラク。
  2. RBAC(役割ベースアクセス):閲覧者/共同作成者/所有者を分ける。
  3. ポリシー(Azure Policy):勝手なリージョン・サイズを禁止できる。
  4. ロック(CanNotDelete/ReadOnly):誤削除を物理的に防止。
  5. コストアラート:使いすぎたらメール・Teamsで通知。

7. よくある質問(Q&A)

Q1. Microsoft 365の管理センターと何が違う?

A. Microsoft 365は“業務アプリの契約/ユーザー管理”。Azureはインフラの設計図と設備。迷ったら「業務アプリ?=M365」「システムの土台?=Azure」。

Q2. 無料でどこまでできる?

A. 初回クレジットや“常時無料枠”で軽い検証は可能。ただしパブリックIPやVMの稼働時間などは枠を超えやすい。停止/削除の徹底がコツ。

Q3. “VMが繋がらない”ときの基本チェックは?

A. ①VMが起動中か ②パブリックIPがあるか ③NSG(受信規則)が許可しているか ④会社や自宅のファイアウォールでブロックされていないか ⑤LinuxならSSH鍵の設定。順に潰すと必ず原因に当たります。

Q4. 料金が跳ねた時、どこを見る?

A. Cost Managementで“サービス別/リソース別”に上位を確認 → VMの稼働/ディスク容量/送信データ量を重点チェック。アラートを必ず設定。

Q5. 個人PCで学ぶなら“セキュリティ”はどうする?

A. まずNSGの許可範囲を自宅のIPだけに。可能ならJust-In-Time(JIT)でRDP/SSHの一時開放、またはBastion利用でインターネットに直接さらさない。


8. “やってはいけない”要注意事項3点

  • VMを起動しっぱなし(翌朝の請求で後悔する定番)
  • 全開放のNSG(世界に公開=ボットの餌食)
  • “誰が作ったか分からないリソース”(タグなし・命名ルールなしは運用崩壊の入口)

9. 小さく始めて、確実に広げるロードマップ(初心者→中級)

  1. 1週間目:VM作成→接続→停止→削除の一連を体で覚える
  2. 2週間目:Storage/Database(運用お任せ型)を1つずつ触る
  3. 3週間目:Monitorとログを眺め、アラート・自動バックアップを設定
  4. 1か月目:仮想ネットワーク・NSG・Bastionで“安全な接続”を習慣化
  5. 2か月目:App Service/Functionsで“サーバ管理なしのデプロイ”に挑戦

目標は“止める・守る・見える化”。この3つができたら、Azureはもう怖くありません。

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  • 用語の腹落ち:ポータル操作/リソース構成の全体像を章立てで確認
  • 請求&コスト最適化:初心者がやりがちな“課金事故”の回避を体系化
  • 実務の型:VM・NSG・バックアップ・監視のベストプラクティス
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10. まとめ:Azureは“難しい用語”より“手順の型”で覚える

  • 骨組み(サブスクリプション→リソースグループ→リソース)を理解
  • VMのライフサイクル(作る・繋ぐ・止める・消す)を型で習得
  • コストは動作時間と保存量アラート・自動停止・削除で事故防止
  • セキュリティは最初から(NSGの最小化、JIT/Bastion、ロック、RBAC)
  • タグ/命名/ポリシーで“あとから困らない”運用に

まずは、小さなVMを1台だけ。今日“作って・止めて・消す”を実体験すれば、Azureの全体像は一気にクリアになります。

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