ChatGPTに個人情報を入れるのは危険?「やっていいこと/ダメなこと」

ChatGPTを業務で安全に利用するためのセキュリティとプライバシーを表したビジネス向けイラスト
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セキュリティとプライバシーの不安を正しく理解する完全ガイド

「ChatGPTに入力した内容は保存されるの?」「個人情報を書いたら危険?」「仕事で使って大丈夫?」
生成AIが身近になる一方で、セキュリティやプライバシーへの不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、事実として分かっていること誤解されやすい点を整理し、ChatGPTを安心して使うための判断材料を提供します。


ChatGPTは誰が運営している?

ChatGPTは、OpenAI が開発・運営している生成AIサービスです。
OpenAIは、AIの安全性と透明性を重視する組織として、利用者データの扱いについても公式にルールを公開しています。


よくあるプライバシーの懸念と「正解」

① 入力した内容は保存されるの?

正解:一時的に保存されるが、用途は限定されている

ChatGPTに入力した内容は、

  • 不正利用の防止
  • サービス品質の改善

などを目的として一時的に保存される場合があります。

ただし

  • 個人を特定する目的で使われることはない
  • 勝手に公開されることはない

と公式に明言されています。


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② 入力した内容が学習に使われる?

正解:設定でオフにできる

結論から言うと、ChatGPTでは入力した内容を学習に使わない設定が可能です。
仕事やプライベートで安心して使いたい場合は、この設定を必ず確認しておくことをおすすめします。特に、

  • 文章の下書き
  • 仕事の相談
  • 業務メモの整理

などに使う場合は、学習オフ設定をしておくことで、心理的な不安も大きく減ります

【手順】入力内容を学習に使わせない設定方法(PC・スマホ共通)

以下は、ChatGPTの画面から数分でできる設定です。

① ChatGPTにログインする

ブラウザやアプリからChatGPTにログインします。


② 画面右上の「プロフィールアイコン」をクリック

自分のアイコン(または丸いマーク)をクリックし、
表示されたメニューから 「設定(Settings)」 を選びます。


③ 「データコントロール(Data Controls)」を開く

設定画面の中にある
「データコントロール」 または 「プライバシー」 に関連する項目を開きます。


④ 「チャット履歴と学習」をオフにする

「チャット履歴と学習(Chat History & Training)」という項目があります。

ここを
👉 オフ(無効) に切り替えてください。

これで、

  • 入力内容が学習に使われない
  • チャット履歴も保存されない

という状態になります。


③ 個人情報を入力しても大丈夫?

正解:入力しないのが基本

これはChatGPTに限らず、すべてのオンラインサービスに共通する原則です。

避けるべき情報の例

  • 氏名・住所・電話番号
  • マイナンバー・免許証番号
  • ログインID・パスワード
  • 顧客の個人情報や未公開の社内データ

ChatGPTは便利ですが、「誰かに見られても困らない内容」だけを入力するのが安全な使い方です。


セキュリティ面の実態

通信は暗号化されている

ChatGPTとの通信は、一般的なWebサービスと同様に
SSL/TLSによる暗号化通信が使われています。
途中で内容を盗み見られるリスクは低い設計です。


ウイルスやマルウェアの心配は?

ChatGPT自体がウイルスを配布することはありません。

ただし、

  • 生成されたコード
  • 外部サイトへのリンク

については、利用者自身の判断が必要です。
これは検索エンジンを使う場合と同じ考え方です。


「AIに監視されている?」という誤解

ChatGPTは

  • ユーザーを監視する
  • 行動履歴を追跡する
  • 個人ごとに評価する

といった仕組みは持っていません。

入力されたテキストに対して、その場で文章を生成しているだけで、
人間のように記憶したり、追跡したりする存在ではありません。


安心して使うためのチェックリスト

  • ✅ 個人情報を書かない
  • ✅ 機密情報・未公開情報は入力しない
  • ✅ 「チャット履歴と学習」をオフにする
  • ✅ 公共PCではログアウトする

この4点を守るだけで、リスクは大幅に下げられます。

仕事で使うなら押さえたい「社内ルール」と運用のコツ

個人利用であれば「個人情報を入れない」「学習設定をオフにする」だけでも十分に安全度は上がります。
一方、ビジネス利用では「自分だけが気をつける」では足りず、組織としての運用ルールがないと事故が起きやすくなります。ここでは、現場でよくある“つまずき”を避けるためのポイントを整理します。

1) 会社で起こりがちな情報漏えいパターン

情報漏えいは「外部から攻撃される」よりも、実は うっかり入力 で起きがちです。たとえば以下は要注意です。

  • 顧客名や担当者名、メールアドレスを含む相談文をそのまま貼り付ける
  • 見積書・請求書・契約書の文章を丸ごと貼って要約させる
  • 社内の未公開資料(企画書、決算見込み、採用計画など)を添削させる
  • ログイン情報やAPIキー、社内システムのURL(管理画面)を含めて質問する

対策はシンプルで、「固有名詞を匿名化してから使う」 こと。
「A社」「B社」「担当者X」「商品α」などに置き換えるだけでも安全性は上がります。

2) “入力していい情報”の線引きを決める

社内でChatGPTを使う場合、迷いが出るのは「結局どこまでOK?」という線引きです。おすすめは、次の3段階に分ける方法です。

  • OK:一般公開されても困らない内容
    例:文章の言い回し、一般的な操作手順、公開済みのFAQづくり
  • グレー:社内情報だが匿名化すれば使える内容
    例:顧客対応テンプレ(固有名詞なし)、社内手順書の構成案(機密部分は除外)
  • NG:機密・個人情報・未公開情報
    例:顧客データ、契約書原本、決算前の数値、社内アカウント情報、APIキー

この基準を社内共有しておくと、担当者ごとの判断ブレが減り、トラブル予防になります。

3) “出力の正しさ”もセキュリティの一部

意外と見落としがちですが、間違った回答を信じて作業する のもビジネス上のリスクです。
ChatGPTは文章生成が得意な反面、もっともらしい誤り(いわゆるハルシネーション)を出すことがあります。

安全に使うコツは、次のように役割を分けることです。

  • 下書き・要点整理・たたき台作り:得意(活用しやすい)
  • 最終判断・数値・規程・法務:人間が必ず確認(一次情報に当たる)

「AIに決めさせない、AIは作業を前に進める道具」と位置付けると、現場で事故が起きにくくなります。

4) チーム運用で効く「テンプレ運用」

社内で安全に使うなら、入力テンプレを作るのが効果的です。

【例】

  • 「固有名詞はA社/B社に置換済み」
  • 「個人情報は含まない」
  • 「目的:メールの丁寧な言い換え/マニュアルの構成案」
  • 「出力は参考。最終確認は担当者が行う」

テンプレがあると、誰が使っても安全水準が揃い、教育コストも下がります。


まとめ|ChatGPTは「正しく使えば安全」

要約表(ChatGPTのセキュリティ/プライバシー懸念と対策)

懸念・よくある不安結論(事実ベースの整理)リスクが上がるケース具体的な対策(すぐできる)
入力した内容は保存される?利用状況により保存されることがある(用途は安全運用・品質改善など)機密・個人情報をそのまま入力個人情報/機密は入力しない、匿名化して相談する
入力が学習に使われる?設定で学習利用をオフにできる既定設定のまま業務データを入れる「チャット履歴と学習」をオフ、業務では原則オフ運用
情報漏えいしない?“AIが勝手に漏らす”より、うっかり入力が原因になりやすい顧客名・契約書・見積・社内資料を丸貼り固有名詞を A社/B社 に置換、数値や原文は貼らない
個人情報を入れても平気?原則 入れない のが正解氏名・住所・電話・ID/パスワード・マイナンバー等個人情報は別管理、必要なら伏字・ダミーで相談
通信は盗み見される?一般的に暗号化通信で保護される公共Wi-Fiでログイン状態放置公共PC/共有PCはログアウト、端末ロック徹底
ChatGPT自体がウイルス?ChatGPT自体が配布元になるわけではない生成されたリンク/コードを鵜呑みリンクは開く前に確認、コードは検証環境でテスト
AIに監視されてる?監視・追跡目的のサービスではない何でも入力してしまう心理“見られて困る内容は入力しない” を基本ルールに
回答は正しい?もっともらしい誤りが出ることがある規程・法務・数値をそのまま採用一次情報で確認、AIは下書き・整理までに使う
会社で使っていい?“ルール化”すれば安全に使いやすい人によって判断がバラバラOK/グレー/NGの線引き、入力テンプレ運用
チーム運用のコツは?テンプレ+匿名化で事故が減る属人的な使い方、教育不足「固有名詞除去済み」等の入力テンプレを配布

このようにChatGPTは、

  • 適切なデータ管理
  • 暗号化通信
  • 学習オフ設定

など、一般的なWebサービスと同等以上の安全対策が取られています。一方で、「何を書いても大丈夫な魔法の箱」ではありません。

検索エンジンやメールと同じ感覚で、情報の出し方を選ぶこと

それが、ChatGPTを安心して活用する一番のポイントです。

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