「ディスク使用率が100%!?」自動メンテナンスが原因かも?
「最近、パソコンの動作がすごく遅い…」
「タスクマネージャーを開いたら、ディスク使用率が常に100%になっている!」
そんな経験をされたことはありませんか?実は私も、つい先ほどこの状況に直面しました。
調べてみたところ、どうやら原因はWindowsの「自動メンテナンス」だったようです。
自動メンテナンスは、パソコンの状態を良好に保つための大切な機能ですが、設定や他の要因によっては逆に動作を重くしてしまうことがあります。
ネット上では「2~3日放っておけば自然に直る」といった情報も見かけますが、それでは一時しのぎにしかならないこともあります。
根本的な解決には、原因をきちんと把握し、適切な対処を行うことが大切です。
そこで今回は、自動メンテナンスが原因でディスク使用率が100%になってしまう理由と、その具体的な対策についてわかりやすくご紹介します。
自動メンテナンスでディスク使用率が100%になる理由とは?

Windowsの自動メンテナンスでは、次のような処理が自動で行われています。
- ディスクの最適化(デフラグ):ハードディスク内のデータを整理し、読み込み速度を向上させます。
- システム診断:ハードウェアやソフトウェアの問題がないかをチェックします。
- セキュリティスキャン:ウイルスやマルウェアの有無を確認します。
- Windows Updateの確認とインストール:最新の更新プログラムを自動でダウンロード・インストールします。
これらの処理は、基本的にパソコンがアイドル状態(何も操作していない状態)のときに実行されるようスケジュールされています。
しかし、以下のような状況ではディスクに過度な負荷がかかり、動作が重くなる原因になっているようです。
- 複数の処理が同時に実行されている、または処理に時間がかかっている。
- メンテナンスの実行タイミングが悪い(パソコン使用中に重なるなど)。
- 他のソフトウェアと競合している(セキュリティソフトのスキャンやクラウド同期など)。
- 一時的なシステムの不具合によって処理が正しく終了しない。
今すぐ試せる!ディスク使用率100%を改善する方法
もし自動メンテナンスが原因かもしれないと感じたら、以下の対策を順番に試してみてください。
自動メンテナンスの実行状況を確認する
- 「スタートメニュー」で「セキュリティとメンテナンス」と検索し、開きます。
- 「メンテナンス」を展開し、「自動メンテナンス」の状態を確認します。
- 実行中であれば、しばらく待つか「メンテナンスの停止」をクリックしてみましょう。
メンテナンスのスケジュールを変更する
同じ「セキュリティとメンテナンス」の画面から「メンテナンス設定の変更」を選び、
- 実行時刻を変更する
- 「スケジュールされたメンテナンスによるスリープ解除を許可する」のチェックを外す
といった設定で実行タイミングを調整できます。
タスクマネージャーでディスク使用率の詳細を確認する
- Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開きます。
- 「パフォーマンス」タブでディスク使用率を確認し、
- 「プロセス」タブでどのプログラムが最もディスクを使用しているかをチェックします。
たとえば defrag.exe などが上位にあれば、自動メンテナンスが関係している可能性が高いです。
Windows Search や SuperFetch (SysMain) を一時的に停止する
ディスクに大きな負荷をかけている場合、以下の手順で停止できます。
- 管理者としてコマンドプロンプトを起動します。
- 以下のコマンドを1行ずつ入力して実行します。
net.exe stop “Windows search”
net.exe stop SysMain
改善が見られた場合は、サービスのスタートアップの種類を「手動」にしておくことも検討しましょう。
ディスクのエラーチェックを行う
1. エクスプローラーでCドライブを右クリック →「プロパティ」→「ツール」タブを開きます。
2. 「エラーチェック」セクションの「チェック」ボタンをクリックします。
ディスクの最適化(デフラグ)を手動で実行する
同じ「ツール」タブの「ドライブの最適化」で「最適化」を実行しましょう。
セキュリティソフトの設定を確認する
セキュリティソフトが自動でフルスキャンを頻繁に実行していると、ディスク使用率が高まります。スキャンの頻度やタイミングを見直してみてください。
不要なスタートアッププログラムを無効にする
タスクマネージャーの「スタートアップ」タブを開き、不要なプログラムを無効にすると、起動時の負荷が軽減されます。
「放っておけば治る」は本当に安全?
「2~3日放っておけば直る」
といった対応で一時的に改善することもありますが、根本原因が残っていると、またすぐに再発してしまう可能性が高いです。特に、設定ミスや他のソフトとの競合が原因の場合は、放置しても解決には至りません。
【補足】専門家に頼る前にできる「上級者向け」対策
【注意】ここから先は上級者向けの操作です
この先に紹介する方法は、Windowsの内部設定やシステムファイルに関わる操作を含みます。
PCの基本操作や用語にある程度理解のある方のみを対象としています。
もし少しでも不安がある場合は、無理に実行せず、専門家や詳しい方に相談することをおすすめします。
また、事前に重要なデータのバックアップをとってから作業を行ってください。
1.クリーンブート(最小構成起動)
→ Windowsを必要最低限のサービスだけで起動して、原因を特定します。
【設定】
「msconfig」と検索 →「システム構成」→「スタートアップの項目を無効化」+「Microsoft以外のサービスを無効化」にする。
2.イベントビューアーでエラーの詳細確認
→ Windowsの「イベントビューアー」を使えば、どのプロセスで異常が発生しているかを確認できます。
【イベントビューアーの基本的な使い方】
1. イベントビューアーの起動方法
- スタートメニューで「イベントビューアー」と検索し、Enter
- または、Windows + R → eventvwr.msc と入力してEnter
2. よく見るべきログの種類
■ Windowsログ → システム
- 起動やシャットダウン時のエラー、ドライバーの問題が記録されます。
- 「エラー」や「警告」のアイコンを探してみましょう。
■ Windowsログ → アプリケーション
- アプリやソフトの不具合が記録されます。
- 特定のソフトでフリーズやクラッシュがあるときに確認。
■ Windowsログ → セキュリティ(高度な用途向け)
- ログイン履歴やファイルアクセス記録など。一般的には確認不要。
3. 重要なエラーメッセージの見方
- イベントの「レベル」が 「エラー」や「警告」 になっているものをチェック
- 「イベントID」と「ソース」を確認
- 例:イベントID 10016(DCOMエラー)や、7000番台(サービス関連)
- ダブルクリックすると詳細が見られます。
【注意点】
● すべての「エラー」が深刻とは限らない
→ 実は日常的にエラーや警告は多数発生しており、すべてが問題というわけではありません。
無視してよいものも多いので、「頻繁に発生しているもの」や「PCが固まる直前に出ているログ」など、時間帯や頻度の一致を見るのがコツです。
● ネットでイベントIDを検索する際の注意
→ イベントIDを検索すると情報は出てきますが、中には不安を煽るような誤情報もあります。
Microsoft公式サイトや信頼できる技術フォーラムの情報を見るようにしましょう。
● 触ってはいけない項目もある
→ イベントログの削除やサービスの変更は、知識がないと余計に不安定にする可能性があります。見るだけにとどめ、設定変更は慎重にしてください!
イベントビューアーは、原因不明の不具合や動作遅延の「ヒント」を得るのに非常に役立ちますが、すべてのエラーに惑わされないようにしながら、実際の不調と関係するタイミングのエラーや警告を見つけ出すことがポイントです。
>イベントビューアーについてイベントIDの解説など詳しい記事を書きました。
▶︎【2025年版】イベントビューアーでPCトラブルの原因を特定する方法とよくあるエラーID解説
3.CHKDSK(チェックディスク)やSFC(システムファイルチェッカー)の実行
chkdsk /f /r
sfc /scannow
→ ハードディスクの物理的エラーや、Windowsシステムファイルの破損をチェック・修復できます。
4.「完全なクリーンインストール(初期化)」
→ すべてのファイルやアプリを消してWindowsをまっさらな状態に戻す方法です。
※データのバックアップ必須。
5.HDDの健康状態を確認(CrystalDiskInfoなど)
→ ハードディスク自体が壊れかけていることもあります。無償ツールで状態確認が可能です。
✔️ただし、こんなときは即プロに相談!
- 物理的な異音がする(カチカチ音など)
- 何をしても起動すらしない
- BIOSやUEFIの設定を変えたが改善しない
- 何度も強制終了を繰り返している(SSD/HDDが劣化します)
解決しない場合は専門家に相談を
上記の対策を試しても改善が見られない場合や、原因がよくわからない場合は、ハードウェアの故障やシステムの深刻な不具合の可能性も考えられます。
無理に自分で解決しようとせず、メーカーのサポートや修理業者など、専門家に相談することをおすすめします。
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