
- 1 はじめに
- 2 ブルースクリーン(BSoD)とは?仕組みと画面の見方
- 3 よくある停止コードと原因の目安
- 4 まず最初に:やってはいけないこと&正しい初動
- 5 ステップ1:セーフモードで起動して最低限の状態にする
- 6 ステップ2:ドライバを点検する(グラフィック・ストレージ・ネットワークが要注意)
- 7 ステップ3:メモリ・システムファイルのチェック(MEMORY_MANAGEMENTなど)
- 8 ステップ4:ストレージ(NTFS_FILE_SYSTEMなど)のチェック
- 9 ステップ5:クリーンブートで常駐ソフトの影響を切り分ける
- 10 ステップ6:どうしても起動しないときの最終手段
- 11 ブルースクリーンを防ぐための習慣(再発防止チェックリスト)
- 12 まとめ:ブルースクリーンは「終わり」ではなく、対処できるトラブルのひとつ
はじめに
突然の「青い画面」に焦っていませんか?
突然、Windows 10/11の画面が真っ青になり、白い文字だけが表示された…。
そんな「ブルースクリーン(BSoD)」は、見た目のインパクトが強く、誰でも不安になります。
しかし、ブルースクリーンは「PCが完全に壊れた」というよりも、Windowsが自分自身とデータを守るために、あえて動作を止めている状態です。原因の多くは、
- ドライバ(とくにグラフィック・ストレージ・ネットワーク)
- メモリやストレージの不具合
- 直近のWindowsアップデートや大型更新
- 常駐ソフト・セキュリティソフトとの相性
この記事では、まずPCを起動させるための基本ステップから、原因別の対処法・やってはいけない初動・再発防止のコツまでを、Windows 10/11(22H2・24H2・25H2世代を含む)向けにわかりやすく解説します。
「青い画面が出た=終わり」ではありません。
焦らず、この記事の手順を上から順番に進めていきましょう。
ブルースクリーン(BSoD)とは?仕組みと画面の見方
ブルースクリーン(Blue Screen of Death/BSoD)は、Windowsが致命的なエラーを検出したときに、システムとデータを保護するために強制停止するときの画面です。
画面の下部には、次のような情報が表示されます。
- 停止コード(Stop Code):例)
CRITICAL_PROCESS_DIED、MEMORY_MANAGEMENTなど - 場合によっては、問題のあるドライバファイル名:例)
nvlddmkm.sysなど
この「停止コード」が、原因を推測するための重要なヒントになります。まずは、スマホで画面を撮影するなどして、停止コードを記録しておきましょう。
よくある停止コードと原因の目安
| 停止コード(Stop Code) | 原因の概要 |
|---|---|
| CRITICAL_PROCESS_DIED | Windowsの重要プロセスが異常終了(ドライバ・ストレージ・システム破損など) |
| MEMORY_MANAGEMENT | メモリ(RAM)の物理的な故障や仮想メモリ設定の異常 |
| IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL | ドライバやメモリアクセスの不正・競合 |
| VIDEO_TDR_FAILURE | グラフィックドライバやGPUの不具合、過負荷・高温など |
| NTFS_FILE_SYSTEM | SSD/HDDやファイルシステム(NTFS)の破損・ケーブル不良 |
| SYSTEM_THREAD_EXCEPTION_NOT_HANDLED | 古い/互換性のないドライバ、常駐ソフトの異常 |
| KMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED | カーネルモードドライバの例外処理失敗、低レベルドライバの不具合 |
| BAD_SYSTEM_CONFIG_INFO | レジストリ設定やブート構成(BCD)の破損 |
同じ停止コードでも原因は複数ありえますが、「どのあたりを重点的に疑うべきか」を知ることで、無駄な作業を減らすことができます。
まず最初に:やってはいけないこと&正しい初動
ブルースクリーンが出た瞬間、つい慌てて電源ボタンを長押しして終了したくなりますが、これはできれば避けたい行動です。
ブルースクリーン表示中、Windowsはエラー情報(ミニダンプ)を保存しようとしている場合があります。強制終了を繰り返すと、後から原因を分析しづらくなることがあります。
- してはいけないこと
- 何度も電源ボタン長押しで強制終了を繰り返す
- あやしい「レジストリクリーナー」「PC最適化ツール」をいきなり実行
- エラーの原因が不明なまま、OSの再インストールに突っ走る
- まずやるべきこと
- 停止コードと画面のメッセージをメモ(スマホで撮影がおすすめ)
- 自動で再起動されるのを一度待ってみる
- 最近行った変更(新しい周辺機器、ドライバ更新、ソフトインストール、Windows更新)を思い出す
それでは、具体的な復旧ステップを「安全な順番」で見ていきましょう。
ステップ1:セーフモードで起動して最低限の状態にする
まずは、Windowsを最低限のドライバ・サービスだけで起動する「セーフモード」を試します。通常起動ではブルースクリーンになってしまう場合でも、セーフモードなら起動できるケースは多いです。
■ Windows 11 の場合
設定 → システム → 回復 →「今すぐ再起動」
→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」
→ 再起動後、「4:セーフモードを有効にする」または「5:ネットワーク有効のセーフモード」を選択
■ Windows 10 の場合
設定 → 更新とセキュリティ → 回復 →「今すぐ再起動」
→ 以降は Windows 11 と同じ手順で「スタートアップ設定」からセーフモードを選択します。
通常画面から設定が開けない場合は、電源ボタン横の「再起動」を Shift キーを押しながらクリックすることで、同じ回復オプションに入れます。
セーフモードでもキーボードやマウスが反応しない場合は、有線のUSBキーボード・マウスに差し替えると改善することがあります。
ステップ2:ドライバを点検する(グラフィック・ストレージ・ネットワークが要注意)
ブルースクリーンの原因として最も多いのが、不具合のあるドライバです。とくに以下のデバイスは優先的に確認しましょう。
- ディスプレイアダプタ(GPUドライバ)
- ストレージコントローラ(SATA・NVMeドライバ)
- ネットワークアダプタ(有線/無線LAN)
- サウンド・オーディオデバイス
手順:
- Win + X →「デバイスマネージャー」を開く
- 気になるデバイスを右クリック →「プロパティ」→「全般/ドライバー」タブで状態を確認
- 直前にドライバを更新した場合 →「ドライバーを元に戻す」を試す
- エラー表示(!マークなど)がある場合 →「デバイスのアンインストール」→ 再起動で自動再インストールを試す
グラフィックドライバについては、メーカー公式サイト(Intel / NVIDIA / AMD)の最新安定版ドライバに入れ替えると改善するケースが多いです。
ステップ3:メモリ・システムファイルのチェック(MEMORY_MANAGEMENTなど)
MEMORY_MANAGEMENT や IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL など、メモリ関連が疑われる停止コードが出る場合は、物理メモリとシステムファイルの両方をチェックしておきましょう。
- Windowsメモリ診断
Win + R →mdsched.exe→「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」 - SFC(システムファイルチェッカー)
管理者としてターミナル/コマンドプロンプトを開き、sfc /scannowを実行 - DISM(Windowsイメージ修復)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthを実行
この2つ(SFCとDISM)は、ブルースクリーンに限らずWindowsが不安定なときの基本セットとして覚えておくと便利です。
メモリやSSD/HDDに物理的な異常がある場合は、早めの交換が結果的に一番安全な解決策になることもあります。
ステップ4:ストレージ(NTFS_FILE_SYSTEMなど)のチェック
NTFS_FILE_SYSTEM や CRITICAL_PROCESS_DIED など、ストレージが関係していそうな停止コードの場合は、ディスクチェックも実施しておきましょう。
- chkdskによるチェック
管理者でコマンドプロンプトを開き、chkdsk C: /f /rを実行(再起動時にチェックが行われます) - SSDの場合:メーカー公式ツール(Crucial / Samsung / Western Digitalなど)でヘルス状態やファームウェア更新を確認
ディスクチェックは時間がかかることがあります。ノートPCの場合は、ACアダプタを接続した状態で実行しましょう。
ステップ5:クリーンブートで常駐ソフトの影響を切り分ける
ゲーム録画ソフト・古いセキュリティソフト・チューニングツールなどが、ドライバと衝突してブルースクリーンを起こすこともあります。
これを切り分ける方法が「クリーンブート」です。
- Win + R →
msconfigと入力 - 「サービス」タブ →「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェック →「すべて無効」
- 「スタートアップ」タブ →「タスクマネージャーを開く」→ 不明なもの・不要なものを無効化
- PCを再起動して様子を見る
クリーンブート状態でブルースクリーンが出ない場合は、元に戻したときに有効化したどれかの常駐ソフトが原因です。少しずつ有効にしながら、問題のソフトを特定していきましょう。
ステップ6:どうしても起動しないときの最終手段
上記の方法を試しても通常起動やセーフモードができない場合は、Windowsの回復環境(WinRE)から次の手段を検討します。
- システムの復元:ブルースクリーンが出る前の日付に戻す
- スタートアップ修復:起動関連の問題を自動修復
- このPCを初期状態に戻す:「個人用ファイルを保持する」を選べば、データを残したままWindowsを再インストール可能
とくにノートPCやメーカー製PCでは、回復オプションを使うことで、自分でゼロからインストールメディアを用意しなくても復旧できるケースが多いです。
ブルースクリーンを防ぐための習慣(再発防止チェックリスト)
- Windows Update は定期的に適用し、保留をためこまない
- ドライバ更新は、できるだけメーカー公式ツール・公式サイトから行う
- よくわからない「最適化ツール」「レジストリクリーナー」は入れない
- 不要な常駐ソフトを減らし、スタートアップを整理する
- 重要なデータは、外付けSSDやクラウドに定期バックアップする
- PC本体が高温になりすぎないよう、通気や設置環境に気を配る
まとめ:ブルースクリーンは「終わり」ではなく、対処できるトラブルのひとつ
ブルースクリーン(BSoD)は突然現れるため不安になりますが、その多くはドライバ・メモリ・ストレージ・更新プログラムといった、原因がある程度絞り込めるトラブルです。
- まずは停止コードをメモし、セーフモードで起動を試す
- ドライバの更新/ロールバック・システムファイルの修復(SFC/DISM)を行う
- メモリ・ストレージ診断やクリーンブートで原因を切り分ける
- どうしてもダメな場合は、回復オプションやPCのリセットを検討する
「青い画面が出た=もうおしまい」ではありません。正しい順番で落ち着いて対処すれば、修理に出さなくても自力で復旧できるケースは意外と多いのが実情です。
この記事が、あなたのPCトラブルを「また普通に使える状態」へ戻す手助けになれば幸いです。どうしても不安な場合や業務用PCの場合は、無理をせず専門サポートに相談することも検討してください。
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