リラックスタイムにふと家のパソコンを開いたら、突然「ウイルスに感染しました」「マイクロソフトのサポートに連絡してください」といった警告が表示されたことはありませんか?
その警告、ほぼ確実に「偽のセキュリティ警告」です。

実際には、マイクロソフトとはまったく関係のない悪意のある業者が表示しているページであり、連絡してしまうと詐欺被害に巻き込まれる恐れがあります。
こうした警告は、「サポート詐欺」と呼ばれています。
特に、ニュースサイトや動画サイトの広告枠などを悪用して表示されるケースが多く、完全に不意打ちで表示されます。
偽のセキュリティ警告の主な特徴
- 突然、警告音や音声案内が再生される
- 「ウイルス感染しています」「今すぐ電話を」など不安を煽る文言
- 電話番号が表示されている(←マイクロソフトは電話番号を載せません)
- ×ボタンで閉じられない、何度も警告がポップアップされる
⚠️こうした挙動があったら、即座に詐欺を疑ってください。
対処法の手順「落ち着いた処理を!」
1.絶対に電話をかけない
→ 詐欺業者につながります。費用をだまし取られたり、遠隔操作ソフトを入れられる危険があります。
2. ブラウザを強制終了する
キーボードで
①「Ctrl + Alt + Del」を押す
②「タスクマネージャー」からブラウザを終了してください。
3. ブラウザの通知設定を見直す
→ 許可していない通知送信元が設定されていないか確認し、怪しいものは即削除してください。
4. セキュリティソフトでフルスキャン
→ マルウェアやアドウェアの混入がないかチェックしましょう。
なぜ今でも表示されるのでしょうか?
サポート詐欺は2010年代から存在しますが、2025年現在でも絶えません。
これは、詐欺業者が「広告配信ネットワーク」や「誘導型の不正SEO」を使って、正規サイトに似せたURLやポップアップ広告を表示しているためです。
特に、動画サイト・まとめ系・無料ソフト配布サイトなど、広告が多いページで発生しやすく、クリックしただけで警告が表示される「クリックジャッキング」も使われます。
クリックジャッキングとは
クリックジャッキングとは「見えているボタン」と「実際に押しているボタン」が違うように見せかける詐欺技術です。
例えば、あなたが見ている画面には「動画の再生ボタン」が見えています。
でも実はその裏に、透明な「詐欺サイトへ飛ぶボタン」が重ねられていて、動画を再生しようとクリックした瞬間、実は詐欺サイトを開いてしまう、ということです。
クリックジャッキングの被害パターン
『動画再生ボタンを押したら「偽のセキュリティ警告」が出る』
『無料ダウンロードボタンを押したら「ウイルスに感染しました」ページへ飛ばされる』
『ログインボタンを押したつもりが、詐欺業者に情報を送ってしまう』
などが、最近でも多い被害パターンです。
クリックジャッキング対策
- 信頼できるサイト以外では、怪しいポップアップや広告をクリックしない
- ブラウザの「ポップアップブロック」や「セキュリティ機能」をONにしておく
など、普段から意識しておくことが大切です!(お子様にもね)
「電話してしまった人が実際にされたこと」実際例
実際に電話をかけてしまった人の多くは、次のような手順でだまされているようです。
- 「リモートでパソコンを修復します」と言われ、遠隔操作ソフト(AnyDeskなど)を入れさせられる
- Windowsの設定やエラー画面を操作して見せかけの「ウイルス感染」を演出
- 「サブスクリプションが必要」などと称して3〜10万円を請求される
被害額は数万円で済むこともありますが、パスワードやクレジットカード情報が抜かれるケースもあり、深刻な被害に発展しています。
再発防止のための推奨設定
再び同じ偽警告に引っかからないためには、以下のようなブラウザ設定の見直しが有効だと言われています。
◆ 通知設定の確認(Chromeの場合)
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」→「通知」へ
- 不審なサイトが「許可」になっていたら「削除」または「ブロック」へ
◆ ポップアップブロックの有効化
- 同様に「サイトの設定」から「ポップアップとリダイレクト」を「ブロック」に設定
◆ 拡張機能の整理
- 不明な拡張機能は削除しておきましょう。不正広告を出すアドウェア型もあります。
これらの対策を取るだけで、詐欺広告が表示されるリスクを大幅に減らすことができます。
◆ 体験型ページで練習できます
IPA(情報処理推進機構)では、こうした偽警告に慣れておくための「体験型ページ」が用意されています。→ IPA公式:偽警告の体験ページはこちら
突然表示されてもパニックにならないよう、ぜひ一度ご覧ください。
あなたの冷静さが身を守ります
このようなサポート詐欺は、年々巧妙になっています。ですが、
「電話をかけない」
「落ち着いて対応する」
というだけでも、被害を未然に防ぐことが可能です。
しかし、実際は誰でも引っかかる可能性があるというのも事実です。沢山の注意喚起がされ
「自分だけは大丈夫」と思っていても
不意打ちで動揺してしまうものです。
万が一
・情報を入力してしまった
・遠隔操作を許可してしまったという場合は、
迷わずすぐに、警察または消費生活センターに相談をしてください。
また、ご家族や周囲の人とも、こういった被害があることを共有し合うのが、被害を防ぐ一番の近道です。
安心できるネット利用のために、今一度チェックしてみてくださいね。
よくある質問
Q. 画面が閉じられないのですが、本当にウイルスではないのですか?
A. 偽のスクリプトによってブラウザを閉じられないようにしているだけです。タスクマネージャーで終了し、念のためウイルススキャンを行ってください。
Q. 電話をかけてしまいました。どうすれば?
A. 相手に遠隔操作を許可してしまった場合は、即座にインターネットを切断し、初期化または信頼できる修理業者に依頼することをおすすめします。
参考リンク
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