レジストリの変更はシステムに影響を与える可能性があるため、操作には十分ご注意ください。必ずバックアップを取った上で、自己責任で実施してください。
はじめに
Windowsでは、特定のリンクや機能が自動的にMicrosoft Edgeで開かれる仕様になっています。「既定のブラウザをChromeやFirefoxにしているのに、なぜかEdgeで開いてしまう」という経験はありませんか?
この記事では、Edgeの強制を回避し、他のブラウザを完全に既定として扱うための「レジストリ編集による方法」を詳しく解説します。操作には注意が必要ですが、Edge優先の仕様に不満を感じている方には有効な方法です。

注意事項:レジストリ変更は慎重に
レジストリエディタはWindowsの中枢を直接操作するツールです。操作を誤ると、システムが不安定になったり、最悪の場合は起動しなくなる可能性もあります。
⚠️【注意事項】
- 必ず作業前にレジストリのバックアップをとっておきましょう。
- ご自身で作業する際は、自己責任でお願いします。
手順1:レジストリエディタを起動する
- キーボードで「Windowsキー + R」を押す
- 「ファイル名を指定して実行」に regedit と入力し Enter
- 「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリック
レジストリエディタを開くには管理者権限が必要です。
手順2:該当キーを探す
以下のキーに移動します
このキーは、HTMLファイルを開くときに使われるプログラムのパスを指定する場所です。
手順3:値を変更する
デフォルトでは次のように設定されています。
これを、使用したいブラウザに書き換えます。
たとえば Firefox の場合は
Chrome の場合は
というように書き換えます。
【補足】
- パスが正しいか確認してください(環境によって異なります)。
- 値を変更したら、右上の「×」でエディタを閉じてOKです。
手順4:動作を確認する
ブラウザを再起動し、HTMLファイルやリンクを開いてみてください。設定したブラウザで開かれるようになっていれば成功です。
- 反映に再起動が必要な場合もあります。
- Windowsのアップデート後に設定が初期化される可能性があるため、再設定が必要になることもあります。
元に戻すには?
レジストリ値を元の状態に戻せばOKです。控えておいた初期値(Edgeのパス)を再入力してください。
バックアップから復元する方法でも構いません。
レジストリ変更はアップデートでリセットされることも
レジストリを編集して既定のブラウザを変更しても、Windowsの大型アップデートや一部のセキュリティパッチによって設定がリセットされることがあります。特に HKEY_CLASSES_ROOT やHKEY_LOCAL_MACHINE に対する変更は、Microsoftのポリシーで元に戻される傾向が強いため、ブラウザが勝手にEdgeに戻ってしまった場合は、再度設定を確認・修正する必要があります。
トラブル例と対応策の表
症状 | 原因 | 対応策 |
---|---|---|
ブラウザが起動しない | パスの入力ミス | パスを再確認、正確に入力し直す |
Windows機能で再びEdgeが開く | 一部は強制的にEdge固定 | 完全な回避は不可能なケースあり。別対策検討を |
システムが不安定になった | レジストリ操作ミス | バックアップから復元するか、システムの復元を行う |
トラブル例と対応策を一覧表にしました。参考にしてみてください。
なぜEdgeが強制されるのか?その背景とMicrosoftの方針
Windows 10以降、Microsoftは自社製ブラウザ「Microsoft Edge」を積極的にユーザーに使ってもらうため、さまざまな施策を講じています。特に問題視されているのが、システム内部でEdgeを優先的に開く仕様です。
たとえば、検索結果やウィジェット、ニュース通知など、通常の設定では「既定のブラウザ」に指定したはずのChromeやFirefoxではなく、強制的にEdgeが起動されるようになっています。これはレジストリだけで完全に制御するのが難しい領域であり、Windows内部の仕様として「Edgeリンク」が個別に用意されているためです。
フリーソフトで回避できるケースも
実は、こうしたEdge強制を部分的に回避するために作られたサードパーティ製のツールも存在します。
【例】
- EdgeDeflector:Edge専用リンクを既定ブラウザにリダイレクトする小型ツール(ただし、現在のWindowsでは無効化される傾向あり)
- MSEdgeRedirect:Edge関連プロセスを監視し、ChromeやFirefoxに置き換えてくれる上級者向けツール
これらのツールを使うことで、Edge強制をかなりの精度で回避することが可能ですが、Microsoftはアップデートでこのような回避ツールの無効化を進めているため、使い続けられる保証はありません。
レジストリ編集が有効な場面と限界
レジストリ編集はたしかに強力な方法ですが、万能ではありません。以下のような用途には有効です。
- HTMLファイルの関連付けを変えたい
- 特定のリンク動作を変更したい
- ファイルプロトコルの開き方を細かく調整したい
ただし、「microsoft-edge:」という特殊リンクスキームには無効で、これはOS側で明示的にEdgeで開くようにハードコードされています。
裏技的な応用:既定ブラウザのカスタムスキーム登録
上級者向けになりますが、独自にスキーム(プロトコル)を登録して、それをブラウザで処理させるという応用テクニックもあります。たとえば、「mybrowser://」というスキームを自作し、それをChromeに関連付けると、特定用途でEdgeを完全にバイパスできるケースもあります。
これは教育機関や企業のシステム管理者が一部で利用している手法ですが、一般家庭のユーザーが行うには高度な知識とスクリプトの作成が必要です。
まとめ
このように、Microsoft EdgeはWindowsで優先的に使われるよう設計されていますが、ユーザーの自由な選択を妨げることもあります。今回紹介したレジストリ編集によって、Edge以外のブラウザを強制的に既定として使えるようにすることが可能です。
操作には十分な注意が必要ですが、日々のストレスから解放される価値はあるかもしれません。あくまで自己責任の範囲で、慎重にお試しください。
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