
Windows Update を実行したときに、突然
「KB5027231 のインストールに失敗しました」
というエラーが表示されて、戸惑ったことはありませんか?
このエラーは単に「更新できなかった」だけでなく、システム内部の不具合やドライバの競合、パーティションの問題など、さまざまな要因が関係しています。
特に「0x800f0922」や「0x80242FFF」などのエラーコードが表示された場合、原因を特定しないと何度やっても失敗してしまう可能性があります。
この記事では、KB5027231に関連する主なエラーの種類と原因をわかりやすく整理し、それぞれに対して有効な対処法を丁寧に解説します。
初心者の方でも手順通りに進めれば、無事にアップデートを完了できるよう、トラブル別のポイントや補足も含めてご紹介します。
KB5027231と0x800f0922の関係性とは?
1. KB5027231は「Windowsの更新プログラム」
まず、KB5027231は「Windows 11 22H2」などに対して配信された累積更新プログラム(Cumulative Update)です。→ 新機能やセキュリティ修正、バグの修正が含まれています。
2. 0x800f0922は「更新がインストールできない時に出るエラーコード」
一方、0x800f0922 は「Windows Updateの処理中にインストール段階で何らかの問題が起きた」ことを意味します。
▪️このエラーは例えば
- KB5027231 をインストールしようとしたけど…
- 必要な構成に切り替えられなかった
- 再起動後の更新適用に失敗した
- 更新に必要なパーティション(特に回復パーティション)が不足していた
→ などの理由で「更新できません」となると、0x800f0922 が表示されることがあります。
つまり関係性はこうです
項目 | 内容 |
---|---|
KB5027231 | インストールしようとする「更新プログラム」 |
0x800f0922 | その更新が「失敗したときに出るエラーコードのひとつ」 |
このエラーは「KB5027231に特有」ではなく、他の累積更新でも出ることがある汎用的なインストールエラーです。
失敗する一般的な原因と対策
KB5027231 の失敗原因としてよくあるものは
- ディスク容量不足
システムドライブに空きが少ないとインストールに失敗しやすく、MiniTool 等でクリーンアップが必要とされることがあります。 - 破損したシステムファイル
SFC(sfc /scannow)や DISM(/RestoreHealth)を用いて修復することで改善します。 - 更新関連サービスの停止
Windows Update、BITS、Cryptographic Services 等が正しく起動設定・実行されているか確認しましょう。
【補足】
これらの方法で解決しない場合、「インプレースアップグレード」や「メディア作成ツールによる上書きインストール」も有効です。
再インストール(インプレースアップグレード)で解決?
エラーが切れ間なく続く場合、ISO イメージを使った再インストール(インプレースアップグレード)は強力な解決手段です。ただし、時間がかかる作業になるため、最終手段としての利用が推奨されます。
【補足】
再インストール後は、アップデート履歴の異常やレジストリ設定の不整合が解消されるケースが多いです。
Bluetooth 接続への影響
KB5027231 は Bluetooth Low Energy(LE Audio)をサポートする一方、インストール後に接続障害が報告されることがあります。
【補足】
この場合、Bluetooth 設定で「詳細」モードへ切り替えると、認識されなかったデバイスが表示され、接続できるようになることがあります。
状況別の対処法
対策1:Windows Updateのキャッシュを手動で削除
更新ファイルが破損していると、何度試してもインストールが失敗します。以下の手順でキャッシュを削除すると、更新処理がスムーズになることがあります。
【手順】
- 管理者としてコマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを順番に実行
net stop bits
rd /s /q %windir%\SoftwareDistribution
net start wuauserv
net start bits
- PCを再起動し、再度Windows Updateを実行
*「SoftwareDistribution」フォルダーは更新の一時データを保存しており、破損の原因となる場合があります。
対策2:スタートアップの最小構成(クリーンブート)
常駐ソフトやドライバが干渉して、KB5027231の適用に失敗することがあります。クリーンブートによって不要なソフトを一時的に停止して、インストールを試みます。
【手順概要】
- 「msconfig」でサービスを最小構成に
- 「タスクマネージャー」でスタートアップを無効化
- 再起動してアップデートを実行
対策3:手動インストール(Microsoft Updateカタログ
更新プログラム(KB5027231)をMicrosoft Update カタログから直接ダウンロードして手動でインストールすることで、回避できるケースがあります。
【補足】
- 自分のOSバージョン・ビット数(例:Windows 11 22H2 / x64)に合ったパッケージを選択してください。
- すでに破損した更新情報がある場合は、事前にキャッシュ削除(前述の対策1)をしてから試すのがベストです。
対策4:Windows Modules Installerを強制的に再起動
TrustedInstaller.exe(Windows Modules Installer)がハングしていると、アップデートが途中で止まることがあります。
【手順】
- タスクマネージャーを開き、「TrustedInstaller.exe」が動いているか確認。
- 動いていなければ、以下で再起動
net start trustedinstaller
対策5:セーフモードでの適用
セーフモードでは最低限のドライバーしか読み込まれず、干渉の原因となるソフトを回避できます。以下の手順で一時的にセーフモードにして更新を適用できます。
【補足】
- 一部のWindows更新はセーフモードでは実行できない場合もあるため、その場合は「クリーンブート」や「手動インストール」を優先してください。
対策6:更新順序の見直し
累積更新(KB5027231)の前にセキュリティスタック更新(SSU)や.NET更新がある場合、それが先にインストールされていないと失敗することがあります。
【対応方法】
- 「設定 → Windows Update → 更新履歴」から、他の重要な更新が保留になっていないか確認。
- 優先されているものから手動で更新してから、KB5027231を再試行。
対策7:一時的にドライバをロールバック(特にRealtek/NVIDIA)
ネットワークやグラフィックのドライバがKB5027231と競合することがあります。
【補足】
特に、RealtekネットワークドライバやNVIDIAディスプレイドライバを最近更新した直後にKB5027231が失敗するケースが多いです。
- 「デバイスマネージャー → 該当デバイス → ドライバ → ロールバック」または
- 一時的にアンインストールして再起動
ドライバの競合は、Windows Updateの失敗原因として見落とされがちですが、意外と多くのケースで発生しています。特に、更新直前にドライバ(とくにネットワークやグラフィック関連)を最新版にした場合は、その影響を疑ってみましょう。ロールバックや一時的なアンインストールでアップデートを成功させたあと、改めて安定版のドライバを導入すれば、安全かつスムーズにシステムを保つことができます。
まとめ
対策 | 内容 | 補足 |
---|---|---|
Windows Updateキャッシュ削除 | 破損ファイルを削除して更新再試行 | コマンド実行でSoftwareDistributionを初期化 |
クリーンブート | 常駐ソフトの影響を排除 | msconfigとタスクマネージャーで最小構成に |
Microsoft Updateカタログから手動更新 | .msuファイルを直接適用 | OSバージョンとビット数に合ったものを選択 |
TrustedInstallerの再起動 | 更新処理サービスを再起動 | サービスコマンドで実行可能 |
セーフモードでの試行 | 最低限の構成で更新を適用 | 一部アップデートはセーフモード非対応 |
更新順序の調整 | SSUや.NETの先行インストール | インストールの順番が失敗に影響する場合あり |
ドライバの一時ロールバック | ドライバの競合を防ぐ | RealtekやNVIDIAドライバが原因のことも |
KB5027231 は Windows 11 向けにリリースされた重要なセキュリティアップデートで、多くの脆弱性修正や機能追加を含んでいます(例:LE Audio サポートなど) 。しかし、適用時にエラーが出るとシステム更新が滞るため、今回紹介した対策方法をぜひ試してみてください。
【おすすめ記事】
▶︎【Windowsエラーコード0x800f0831とは?】更新に失敗する原因と対処法
▶︎【Windowsエラー0xc000021a」再起動ループやログインできないときの原因と対処法