※この記事の内容は 2025年12月8日時点 の情報です。
この記事でわかること
- KB5070311 を入れたあとに発生する「エクスプローラー白フラッシュ問題」の概要
- どの環境・操作で起きるのか(Microsoft公式が認めている内容)
- ダークモードユーザーが今できる現実的な対処法
- 「入れるべきか様子見すべきか」の判断材料
1. KB5070311とは?どの環境に配信されているアップデートか
①KB5070311 の基本情報
KB5070311 は、Windows 11 バージョン 24H2 / 25H2 向けの累積更新プレビュー(非セキュリティ更新) です。
OS ビルドはおおよそ次の通りです。
- Windows 11 24H2:ビルド 26100.7309
- Windows 11 25H2:ビルド 26200.7309
位置付けとしては:
- 月例の「プレビュー」更新
- セキュリティ修正は含まれず、主に機能改善・不具合修正・新機能の試験配信
そのため、この更新は 「必ず入れなければならないものではない」 点が重要です。
不具合が気になる場合は、そもそもインストールを見送る選択肢があります。
② KB5070311で強化された“ダークモード”
今回の更新では、次のような「ダークモード強化」が含まれています。
- エクスプローラーのコピー/移動/削除ダイアログがダークモード対応
- 進行状況バーや一部のシステムダイアログの見た目統一
- UI 全体として“まぶしさ”を軽減する方向の改善
…のはずでしたが、その裏側で 「白フラッシュ」という逆方向のバグ が発生してしまっています。
2. 何が起きている?「白フラッシュ」問題の症状
① Microsoft公式が認めている不具合
Microsoft の公式サポートページでは、KB5070311 の「既知の問題」として次の現象が明記されています。
File Explorer might flash with a white screen in dark mode
具体的には、ダークモード使用時にエクスプローラーで以下の操作を行うと、
- エクスプローラー起動時(特にホームに開く場合)
- ホームやギャラリーに移動するとき
- 新しいタブを作成するとき
- 「詳細ウィンドウ(Details pane)」のオン/オフ切り替え
- ファイルコピー中に「詳細を表示(More details)」をクリック
一瞬だけ画面が真っ白になる(白い画面がフラッシュする) ことがあります。
PCゲーム系メディアや海外テック系サイトでは、この現象を「フラッシュバン」「flashbang」と表現しており、暗い部屋で作業していると 目に強い刺激になる と指摘しています。
② すべての環境で必ず起きるわけではない
検証記事やユーザー報告によると、次のような傾向があります。
- 毎回必ずフラッシュするわけではない(ランダムに近い挙動)
- フルスクリーンで使っていると特にまぶしく感じる
- 大型・高輝度ディスプレイ、OLEDディスプレイなどで体感的にきつい
- 一方で「ほとんど気にならない」というユーザーもいる
つまり、
✓ “発生しうる問題”ではあるが、
✓ “すべての環境で常に再現する”不具合ではない
という位置づけです。
3. 影響を受ける人・受けにくい人
①影響を受けやすいパターン
次の条件に当てはまるほど、体感的なストレスは大きくなります。
- Windows 11 24H2 / 25H2 で KB5070311 をインストールしている
- Windows の表示モードを 「ダーク」 にしている
- エクスプローラーを頻繁に開く/タブを多用する
- 夜間や暗い部屋で作業している
- 27インチ以上のディスプレイ、OLEDディスプレイなど高輝度環境
とくに「暗い部屋での長時間作業 × ダークモード」が前提の人には、眼精疲労や不快感がかなり強いバグ になり得ます。
② 影響が比較的小さいパターン
逆に、次のケースでは影響が小さい場合があります。
- もともと ライトモード で使っている
- エクスプローラーの利用頻度が低い
- ノートPC の小さめの画面で、輝度も抑えている
- 白フラッシュが起きても「あまり気にならない」感覚の人
このような場合は、
「機能改善のメリット > 白フラッシュのデメリット」
になる可能性もあり、必ずしもアンインストールが必須とは限りません。
4. 公式の対応状況
Microsoft は KB5070311 の「既知の問題」としてこの現象を認め、「原因を調査中で、修正に取り組んでいる」 としています。
現時点(2025年12月8日)では、
- 恒久的な修正パッチはまだ提供されていない
- 明確な回避策(ワークアラウンド)は公式には示されていない
- 今後の月例更新や追加のプレビュー更新で修正される見込み
といった状況です。
5. すでに KB5070311 を入れてしまった人の対処法
ここからは、ダークモードユーザーが取れる現実的な対策を整理します。
対処法①:そもそもプレビュー更新なので「アンインストール」する
もっともシンプルで確実なのは、KB5070311 自体をアンインストールしてしまうことです。
KB5070311 は プレビュー(任意)更新 のため、通常の一般ユーザーにとって「必須のアップデート」ではありません。
アンインストールの手順(Windows 11)
- 設定 を開く
- [Windows Update] をクリック
- [更新の履歴] を開く
- 一番下の [更新プログラムをアンインストールする] をクリック
- 一覧の中から 「KB5070311」 を探して選択
- [アンインストール] を実行
- 再起動を求められたら指示に従う
アンインストール後は、再び KB5070311 が自動的に入らないように
- プレビュー更新を当面「手動インストールのみにする」
- 月例の通常アップデートのみ適用する
といった運用にしておくと安心です。
対処法②:一時的に「ライトモード」に切り替える
どうしても KB5070311 を残しておきたい場合の最も現実的な回避策は、Windows 全体のカラーモードを一時的に「ライト」にすることです。
カラーモードをライトにする手順
- 設定 を開く
- [個人用設定] → [色] をクリック
- [モードを選ぶ] を 「ライト」 に変更
これで、エクスプローラーも含め Windows 全体がライトモードになります。
白フラッシュも「白 → 白」で見た目の変化が少なくなり、“フラッシュ感”は大きく軽減 されます。
対処法③:エクスプローラーの利用方法を工夫して刺激を減らす
根本解決ではありませんが、少しでもまぶしさを減らすための工夫もあります。
- ディスプレイの 輝度を下げる
- エクスプローラーは フルスクリーンではなく、ウィンドウを小さめにして使うPC Gamer
- 夜間はディスプレイの「夜間モード(ブルーライト軽減)」をオンにする
- ファイル操作の回数を減らすよう、作業フォルダをある程度まとめる
これらはあくまでも「つなぎ」の対処ですが、視覚的なストレスを少しでも抑えたい人には有効です。
対処法④:サードパーティ製ファイルマネージャーを併用する
海外の検証記事では、一時的な回避策として
Explorer++ などの サードパーティ製ファイルマネージャーを使う
という方法も紹介されています。
- Windows 標準のエクスプローラーではなく、
- 別のファイル管理ソフトで日常的な操作を行う
という運用にすれば、白フラッシュに遭遇する機会自体を減らせます。
ただし、
- UI や操作感が変わる
- 権限やネットワークドライブなど、挙動が標準と異なる場合がある
といった点には注意が必要です。
6. これから KB5070311 を入れるべきか?判断の目安
最後に、「まだ KB5070311 をインストールしていない人」の判断材料を整理します。
① すぐ入れたほうがよいケース
- KB5070311 で修正される 特定の不具合(エクスプローラーのフリーズや検索不具合など) にすでに困っているBleepingComputer+1
- ダークモードは使っていない(または視覚的なフラッシュにあまり敏感ではない)
- 新しいダークモード対応ダイアログを試したい・検証したい
この場合は、白フラッシュのリスクを理解したうえで
インストール → 気になればアンインストール という選択肢もあります。
② 様子見したほうがよいケース
- 仕事や長時間作業で ダークモード+エクスプローラーを常用 している
- 目の疲れや光の刺激に弱い
- 今のところ、KB5070311 で解決される不具合には困っていない
この場合は、12月の月例アップデート以降に、修正版が出るかどうかを見てから判断するのが無難です。
プレビュー更新は「テストをかねたお試し版」なので、無理に今すぐ適用する必要はありません。
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今回のKB5070311に限らず、今後も大きなアップデートは続きます。更新の仕組みやトラブル対策をまとめて学んでおくと、毎回あわてずに済みます。
7. まとめ
KB5070311 は Windows 11 24H2/25H2 向けの プレビュー累積更新 で、ダークモード強化や不具合修正を含む一方、エクスプローラーが「白フラッシュ」する既知のバグ を抱えています。
問題が顕著なのは、ダークモード+エクスプローラー常用+暗い環境 のユーザーです。
現時点での実用的な対処は
・KB5070311 をアンインストールする
・一時的にライトモードへ切り替える
・輝度を下げる/ウィンドウサイズを小さめにする
・必要に応じてサードパーティ製ファイルマネージャーを併用する
といったものです。Microsoft はこの問題を「既知の問題」として認め、修正に取り組んでいるとしています。今後の月例アップデートで修正される可能性が高いため、ダークモード前提のユーザーは、様子見 or 一時的な回避策でしのぐ のがおすすめです。
