2025年6月最新版【Windowsエラー0x000036B7】システムパーティションを作成できないときの対処法

MBR2GPT実行時に「EFIシステムパーティションを作成できません(エラーコード: 0x000036B7)」と表示されたエラーメッセージ画面のイメージ

Windows 10やWindows 11で、MBRからGPTに変換するツール「mbr2gpt.exe」を使う場面は多いです。

ところが、変換中に突然「EFIシステムパーティションを作成できません」「エラーコード:0x000036B7(ERROR_INVALID_NAME)」という謎のエラーが出ることがあります。

このエラーは、パーティション構造やストレージの状態が原因になるケースが多く、解決には少しコツが必要です。この記事では、初心者でもわかるように、原因と対処法を丁寧に解説します。

0x000036B7とは?

このエラーコードは、正式には次のように定義されています。

項目内容
エラーコード0x000036B7
名前ERROR_INVALID_NAME
意味指定された名前の形式が無効です

つまり、「ディスクやパーティション名の指定が正しく解釈できなかった」という意味合いです。

MBR2GPTは内部的にパーティションを操作するため、その過程で「不正な名前」と判定されると、このエラーになります。

MBR2GPTの仕組みを理解しておこう

MBR2GPT.exeは、Windows 10以降に標準搭載された便利なディスク変換ツールです。これまでのMBR形式では2TBまでしか扱えなかったストレージ容量の制限や、セキュアブートが利用できないといった制約がありました。そこで登場したのがGPT形式です。GPTに変換することで、UEFIブートが可能となり、セキュリティ面や高速起動、最新のハードウェアとの互換性が大きく向上します。


▪️MBR2GPTは内部で次のような作業を行います。

  1. 対象ディスク全体のパーティション情報を詳細に検査
  2. GPT用の新しいパーティションテーブルを生成
  3. 新規にEFIシステムパーティション(ESP)を作成し、そこにブート用ファイルを配置
  4. ブート構成データ(BCD)の再構築
  5. OSがGPT構成で正しく起動できるよう設定変更

つまり、単に「形式を変更するだけ」でなく、ブート構成そのものを書き換えているため、わずかな構造の不整合が致命的なエラーにつながることがあります。今回の 0x000036B7 エラーも、こうした高度な内部作業の中で「EFIパーティションの作成」が正常に進められなかった結果発生しています。

主な原因

原因詳細
先頭に十分な空き領域がないEFIパーティション作成のために100MB程度の未割当領域が必要
不正な隠しパーティションが存在するOEM領域や回復パーティションが先頭に存在していると失敗する
ディスク構造が破損している過去のツール利用などでMBRの構造が微妙に破損している
ストレージドライバやRAIDの影響RAID構成や特殊なストレージ設定でディスク認識が正常にできない

多くの場合は、先頭領域の空き不足や隠しパーティションの存在が原因になります。特に、メーカー製PCでは初期状態からOEMパーティションが配置されていることが多いため、注意が必要です。事前にディスクの構造を確認し、慎重に作業を進めましょう。

対処法①:まずはディスク状態を確認する

コマンドプロンプトで diskpart を起動します。

diskpart
list disk
select disk 0 (※対象ディスク番号)
list partition
  • EFIを作る先頭に十分な未割当領域(100MB以上)があるか確認します。
  • もし先頭が隠し領域で埋まっていれば、整理が必要です。

対処法②:不要な隠しパーティションを整理する

  • OEMリカバリ、診断パーティションなどが先頭にある場合は、一時的に削除を検討します。
  • 注意:削除前に必ずイメージバックアップを取ってください。

対処法③:ディスクエラーを事前に修復する

以下のコマンドでファイルシステムのエラーを事前に修正しておきます。

chkdsk C: /f

必要なら、Windowsの起動メディアから「回復オプション → コマンドプロンプト」で実行します。

対処法④:MBR2GPTの実行オプションを変更する

Windowsが起動している状態で実行しているなら、以下のコマンドで権限エラー回避が可能です。

mbr2gpt.exe /convert /allowFullOS

本来はWinPEで実行が推奨ですが、このオプションで回避できることがあります。

対処法⑤:最終手段 — バックアップ+クリーンインストール

どうしてもEFI作成ができない場合は:

  • データを完全バックアップ
  • WindowsをUEFIモードでクリーンインストール

この方法が最も確実ですが、やや手間はかかります。

失敗を防ぐための事前チェックリスト

MBR2GPTの変換作業は慎重さが求められます。以下のポイントを事前に確認しておくことで、多くの失敗を未然に防ぐことができます。

  • バックアップを取る
     変換途中で万一失敗した場合に備え、システム全体のバックアップを確保しておきましょう。
  • パーティション構造を確認する
     「ディスクの管理」や diskpart で現在のパーティション状態を確認します。OEMパーティションやリカバリ領域などの隠しパーティションが先頭付近に存在していないかを特に注意して確認してください。
  • 先頭の空き領域を確保する
     EFIシステムパーティションを作成するため、100MB以上の未割当領域が先頭側に存在している必要があります。もし足りない場合は、既存パーティションを縮小して空きを作る必要があります。
  • ストレージドライバを最新化する
     RAID構成やNVMe接続など特殊なストレージ環境では、最新のドライバ適用が安定動作のカギになります。
  • ファイルシステムエラーの修正
     事前に chkdsk /f を実行し、ディスク上のファイルシステム破損を修復しておきます。

こうした事前準備を丁寧に行うことで、MBR2GPTの変換成功率は大きく高まります。

補足:なぜ最近増えているのか?

2025年6月のWindows更新以降、ストレージ管理やパーティション検証が内部で強化されています。

以前なら「ギリギリ通っていた微妙なパーティション構造」が厳格に拒否されるケースが目立っています。

特にMBRからの移行を考えている人は、今後こうしたエラーに遭遇する可能性が高まるでしょう。

実際によく報告される失敗例

今回のような 0x000036B7 エラーを含め、MBR2GPTで失敗するパターンにはいくつかの共通傾向があります。代表的な事例をご紹介します。

  • OEMリカバリ領域が先頭に固定されていたノートパソコン
     一部のメーカー製PCでは、工場出荷時のリカバリ領域が先頭に配置されており、これがEFI領域作成の邪魔になります。
  • SSD換装時に中途半端に残ったパーティション
     クローンツールなどを使ってSSDにコピーした際、不要な「空き領域(未割当)」が微妙に分割されて残っているケースがあります。
  • RAID構成の特殊マザーボード
     マザーボード側のRAIDコントローラが持つ独自の仮想ディスク名がMBR2GPT内部で正しく認識されず、失敗するケースもあります。
  • セキュリティソフトの干渉
     変換実行中にセキュリティソフトやアンチウイルスがストレージ操作を監視・ブロックし、結果的にエラーになることもあります。

こうしたケースでは、事前に環境を整理し、最小構成で作業を実行するのが成功への近道です。

まとめ表

今回、ご説明した対処法を以下にまとめてみました。

状況推奨対処
先頭に空きなしパーティション整理で未割当を確保
隠しパーティション干渉OEMや回復領域の削除検討
ファイルシステム破損chkdskで修復
権限エラー/allowFullOSオプションで実行
どうしても失敗バックアップ→UEFIクリーンインストール

今回のエラーは、ディスク構造や隠しパーティションの微妙な違いによって発生するケースが多く、特にメーカー製PCや古いSSD換装環境では注意が必要です。焦らず事前準備を整えれば、多くの場合は回避や解決が可能です。もし原因が特定できない場合でも、クリーンインストールという選択肢が最後の保険となりますので、諦めずに対処していきましょう。

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