Microsoft公式の無償ユーティリティ「Sysinternals」の基本3ツール入門

青い背景に「初心者向け!Sysinternals基本3ツール入門」という日本語タイトルが表示されたバナー画像。右側にはWindowsノートPCのイラストがあり、画面にはSysinternalsのロゴとWindows 10/11のインターフェースが描かれている。周囲にはProcess Explorer、Autoruns、TCPViewを象徴するアイコンが光っていて、全体的に初心者向けで安心感のあるデザイン。

本記事は Microsoft公式の無償ユーティリティ「Sysinternals」から、現場で最も使われる3本を厳選して解説します。導入→最初の一歩→安全な戻し方まで、スクショなしでも再現できる手順でまとめました。ツールの配布元と機能の概要は、Microsoft Learnの公式解説をご参照ください。

Sysinternals Suiteの導入手順(最短)
  1. 公式の Sysinternals Suite を開きます。
  2. ご利用環境に合うパッケージ(通常は「Sysinternals Suite(ZIP)」)をダウンロードします。
  3. ZIPを任意のフォルダーに展開します(例:C:\Tools\Sysinternals)。
  4. 使いたいツール(procexp.exe / procmon.exe / autoruns.exe)を実行します。
  5. ストア配信を使いたい場合は、Microsoft Store版も選べます。

※企業PCではインストール/実行に制限がある場合がございます。社内ルールにご留意ください。

・公式の一括配布ページ:Sysinternals Suite(日本語あり)

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1) Process Explorer(プロセスの“正体”とハンドルを可視化)

できること(要点)

  • どのプロセスがどの ファイル/フォルダー/ DLL(ハンドル) を掴んでいるかを特

最初の一歩(基本操作)

  1. procexp.exe を起動します。
  2. 上部メニュー Find → “Find Handle or DLL…” を開き、検索欄に「消せないファイル名」「ロック中と言われるフォルダー名」などを入力して Search
  3. 下部に結果が出たら該当行を ダブルクリック → ロックしているプロセスにジャンプします。
  4. そのプロセスを選択 → 右クリック → Close Handle(まずはこのハンドルのみ解放を試す)
    • いきなりプロセス終了(Kill Process)は最後の手段です。保存されていない作業が失われる可能性があります。
  5. うまくいかない場合は、該当プロセスを 右クリック → Suspend で一時停止→削除→Resume(再開)の手順も選択肢です。

見抜き方のコツ

  • ツリービュー:親子関係を辿ると、「ブラウザー → 拡張機能」など関与元が見えます。
  • Lower Pane(下ペイン)Ctrl + L でDLL/ハンドルの明細を表示し、どのファイルやレジストリを掴んでいるかを確認。
  • Verify Image Signatures:メニューから署名検証を有効化すると、正規/不明の切り分けが捗ります。

どのプロセスが“握っているか”が分かるだけで、ファイル削除・更新不可の原因が一気に解決へ前進します。使い方の軸はFind → Handle/DLL検索です。


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2) Process Monitor(ファイル/レジストリ/プロセスの“今”を全記録)

できること(要点)

  • ファイルシステム / レジストリ / プロセス/スレッドのアクティビティをリアルタイムで収集・フィルタリングできます。OSやアプリの不具合原因の特定に必須です。

最初の一歩(標準トラブル切り分け)

  1. procmon.exe を起動します(初回は許諾に同意)。起動直後は自動記録が始まります。
  2. 右上の 虫眼鏡アイコン(Capture)を一度押して停止。不要なログの増加を防ぎます。
  3. Filter → Filter… を開き、
    • 例:Process Name is アプリ名 → Include
    • 例:Result is ACCESS DENIED → Include
      のように、対象プロセス/エラー種別で絞り込みます。
  4. Capture再開 → 事象を再現 → 停止
  5. 右クリック “Jump To…” で該当のキー/パスを即表示し、原因(権限・パスの誤り・存在しないキー など)を特定します。
  6. 必要に応じて Save(PML形式) でログを保存しておくと、後から再解析できます。

典型的な“見え方”

  • ACCESS DENIED:権限不足(フォルダーACL/レジストリ許可)
  • NAME NOT FOUND:パス/キーが存在しない、もしくは見ている場所が違う
  • PATH NOT FOUND:中間フォルダーが欠落/リダイレクトの想定違い

Microsoftの公式手順でも、アプリ起動失敗の原因究明にProcess Monitorを使う流れが紹介されています。ダウンロード→抽出→記録・フィルターが基本です。

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3) Autoruns(“起動時に勝手に動くもの”を全部見せる)

できること(要点)

  • Windows起動/ログオン時・Explorer/ブラウザーなどあらゆる自動起動ポイントに登録されたプログラム/ドライバー/拡張を一覧化します。MSConfigでは見えない領域まで網羅的に把握できます。

最初の一歩(安全第一の使い方)

  1. autoruns.exe を起動します。
  2. 上部のオプションで “Hide Microsoft Entries”(Microsoftエントリを隠す)にチェック → “Everything”タブで全体を俯瞰します。
  3. よく分からない項目は チェックを外す = 無効化 から。削除は最後にしてください。
  4. 変化を見たい場合は、再起動なしでログオフ/ログオンや対象アプリの再起動で挙動を確認します。
  5. 影響が出たらチェックを戻すだけで簡単に復帰できます。

重点チェック箇所

  • Logon:ユーザーログオン時の常駐物
  • Scheduled Tasks:自動実行のタスク
  • Services / Drivers:サービス/ドライバーの自動起動
  • Explorer / Browser:拡張機能やシェル拡張

Autorunsは“広く見つけて、まずは無効化で様子を見る”のが基本姿勢です。公式ドキュメントの配布ページから最新版を入手してください。

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