「自宅のWi-Fiを変更した」「職場の新しいネットワークに接続した」など、ネットワークを切り替えた直後に表示されることがあるエラーが…
「新しいネットワークが接続されません」
このトラブル、実はWindowsの設定やキャッシュが原因で起こることが多く、再起動だけでは直らないことも。この記事では、初歩的な確認から裏ワザまでを順番にご紹介します。
よくあるケース
ネットワーク接続のトラブルは、特定の操作をきっかけに突然起こることがあります。とくに「新しいネットワークに切り替えた直後」は、Windowsの設定や過去の接続情報が原因で不具合が発生することが少なくありません。
以下は、実際によく相談される具体的なトラブル例です。
- 引っ越し直後に新しいルーターに接続できない
- Wi-Fiを切り替えた途端「接続されません」の表示が出る
- 職場やカフェの新しいネットワークが検出はされるのに繋がらない
- 有線LANに変えたのに「ネットワークなし」と出る

基本の対処法5つ
1. ネットワーク設定を一度削除して再接続する
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」→「既知のネットワークを管理」
- 該当のネットワークを削除 → 再度接続&パスワード入力
2. ネットワークアダプターを無効→有効にし直す
- 「設定」→「ネットワークの詳細設定」→「アダプターのオプションを変更」
- 使用中のアダプターを右クリック → 「無効にする」→数秒後に「有効にする」
3. 「ネットワークのリセット」を試す
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「状態」→「ネットワークのリセット」
- ※PCが再起動します
4. IPアドレスの再取得(コマンドプロンプト)
ipconfig /renew
上記のコマンドは「コマンドプロンプト(黒い画面)」で実行します。手順は以下の通りです。
■ コマンドプロンプトの開き方(Windows 10 / 11 共通)
- 画面左下の「スタートメニュー(Windowsのロゴ)」をクリック
- 「検索ボックス」に cmd と入力
- 表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして『管理者として実行』を選択
※通常の実行でも可ですが、ネットワーク関連の変更には管理者権限が必要な場合があります
■ コマンドの入力方法
コマンドプロンプトが開いたら、以下を順番に入力してEnterキーを押します
続けて↓を入力しEnterを押します
これにより、現在のIPアドレスがいったん解放され、新しいアドレスがルーターから再取得されます。
「IPアドレスが競合している」
「一時的にネットが不安定」
というトラブルに非常に有効な方法です。
5.ルーターの再起動(自宅Wi-Fiの場合)
必ずルーターの再起動を行なってください。
手順は以上となります。
【裏技】それでも繋がらないときの試してほしい対策
①IPv6を無効にする
IPv6は最新のネットワーク通信方式ですが、古いルーターや一部のネットワーク環境ではうまく機能せず、接続エラーの原因になることがあります。以下の手順で一時的にIPv6を無効にすることで、接続が安定する場合があります。
【IPv6を無効にする手順(Windows 10 / 11共通)】
- 「スタートボタン」を右クリックし、「ネットワーク接続」を選びます
→ または「設定」→「ネットワークとインターネット」→「アダプターのオプションを変更」を開きます - 表示されたネットワーク一覧から、現在使っている接続(Wi-Fiやイーサネット)を右クリックし、「プロパティ」を選択
- 「この接続は次の項目を使用します」の一覧から
「Internet Protocol Version 6(TCP/IPv6)」のチェックを外す - 「OK」をクリックしてウィンドウを閉じ、ネットワークを一度切断 → 再接続します
②DNS設定をGoogle DNSに変える
インターネットに接続しているのに
「Webページが表示されない」
「接続エラーが出る」
などの問題は、DNSサーバーの不具合や遅延が原因のことがあります。
そのようなときは、DNS設定を安定性の高い「GoogleパブリックDNS」に変更することで、問題が改善する可能性があります。
【DNSをGoogleパブリックDNSに変更する手順(Windows 10 / 11 共通)】
1. スタートボタンを右クリック →「ネットワーク接続」を選びます
または「設定」→「ネットワークとインターネット」→「アダプターのオプションを変更」
2. 表示されたネットワーク一覧から、現在使用中の接続(Wi-Fiまたはイーサネット)を右クリックし、「プロパティ」をクリック
3. 「この接続は次の項目を使用します」から
「Internet Protocol Version 4(TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」ボタンをクリック
4. 表示されたウィンドウで、下部の「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択し、以下のように入力
•優先DNSサーバー:8.8.8.8•代替DNSサーバー:8.8.4.45. 「OK」をクリックしてすべてのウィンドウを閉じ、ネットワークを一度切断 → 再接続します
💡 補足
GoogleのDNSは高速・安定しており、特に国内外問わずアクセスがスムーズになりやすい特長があります。企業ネットワークを除き、個人使用ではこの設定で問題が起きることはほとんど無いと言われています。
ネットワークの場所を変更してみる
Windowsでは、新しく接続するネットワーク(Wi-Fiや有線LAN)に対して、セキュリティ上の理由から「パブリックネットワーク」として自動的に設定する仕組みがあります。
■ パブリックネットワークとは?
「パブリック」は、カフェ・ホテル・空港などの不特定多数が利用するネットワークを想定した設定です。
このモードでは、
- ファイル共有やプリンターの検出が無効
- 他の機器との通信が制限される
- 一部のアプリやリモート接続が機能しない
といった制限が自動的に適用されます。
つまり、安全性は高まるが、家庭や職場のネットワークでは不便が生じることがあるのです。
■ 接続先を「プライベート」に変更する方法(Windows 11の場合)
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi(またはイーサネット)」
- 接続しているネットワーク名をクリック
- 「ネットワークのプロファイル」の項目から
「パブリック」→「プライベート」に切り替える
補足・「プライベート」にするとどうなる?
- 同一ネットワーク内のPCやプリンターと通信できるようになります
- ファイル共有が可能になります
- 一部アプリがネットワークアクセス可能です
⚠ 注意点
不特定多数がいる場所(例:カフェや商業施設)で「プライベート」にすると、他人の機器と通信可能になり、セキュリティリスクが高まるため、自宅・職場など信頼できる環境以外では「パブリック」のままが安全です。
よくある質問
Q. 「新しいネットワーク」とは何のこと?
A. WindowsはSSIDが異なるネットワークを「新しいネットワーク」として判定し、セキュリティのために初回接続時に制限をかける場合があります。
Q. 家族のPCでは繋がるのに、自分のだけ繋がらないのはなぜ?
A. 自分のPCだけが「過去の接続情報」や「ドライバーの問題」を抱えている可能性があります。
もし、上記の方法を試しても解決しない場合は、複数の要因が絡んでいる可能性があります。Windowsのバージョンによる不具合や、セキュリティソフトの干渉、古いネットワークアダプターのドライバ不具合なども考えられます。
また、他の端末(スマホや別のPC)では接続できるかどうかを試してみると、ネットワーク側の問題なのか、PC側の問題なのかが切り分けやすくなります。
「なんとなくつながらない」という症状ほど原因特定が難しいため、ひとつひとつ丁寧に確認していくことが解決の近道になります。
まとめ表
ネットワークの接続エラーは、一見すると複雑に思えるかもしれませんが、原因ごとに適切な対処法を試すことで多くのケースは改善されます。
以下に、今回ご紹介した対処法を「効果」ごとに整理した表をまとめましたので、ご自身の状況に合った方法を見つけてみてください。
対処法 | 効果 |
---|---|
ネットワーク削除→再接続 | 一時的な設定ミスの解消 |
アダプター再起動 | 接続エラーのリフレッシュ |
IP再取得 | IP競合や認識ミスを解消 |
IPv6無効化 | 古いルーターとの相性対策 |
DNS変更 | 名前解決のトラブルを改善 |
どうしても繋がらないときは
• スマホのテザリングで一度接続し、設定をリフレッシュすると復活する場合があります。
• それでもダメなら、Windows Updateの影響も疑いましょう。特定の更新プログラムでネットワーク接続に不具合が出ることもあるのでご注意ください。
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