
- 1 はじめに
- 2 【原因1】2025年4月のWindows更新「KB5002700」がOffice 2016に悪影響
- 3 【対処法1】KB5002623 を追加でインストールする(Office 2016ユーザー向け)
- 4 【対処法2】Outlookだけがクラッシュする場合は「天気表示」をオフに
- 5 【対処法3】Word・Excelで「保護ビュー」から開けない時のレジストリ修正
- 6 【対処法4】アドインの無効化(Adobe PDFなど)で安定することも
- 7 【対処法5】Officeが完全に起動しない場合は「クイック修復」「オンライン修復」を試す
- 8 【再発防止】今後も更新プログラムに注意を!
- 9 裏ワザ:Officeが起動しないときは「Officeセーフモード」を活用せよ
- 10 補足①:Officeの自動更新を一時停止して様子を見る方法(特にMSI版)
- 11 補足②:Officeの一時ファイルや設定キャッシュをクリアしてみる
- 12 まとめ|「あわてず一つずつ」解決すれば必ず回復します
はじめに
「昨日まで使えていたWordが急に開かない…」そんな経験ありませんか?
最近、Windowsパソコンで
「Officeが急に動かなくなった」
「WordやExcelが開かない」
「Outlookを起動すると落ちる」
といった深刻なトラブルが増えています。しかも、この現象はパソコンの故障や操作ミスではなく、「あるWindowsの更新プログラム」が原因となっていることがわかってきました。
そこで今日は、急増しているこのトラブルの背景と原因、そして自分でできる具体的な対処法を、くどいほど丁寧に解説していきます。
【原因1】2025年4月のWindows更新「KB5002700」がOffice 2016に悪影響
▶ 何が起きたのか?
2025年4月9日に配信されたWindowsの月例更新プログラム「KB5002700」をインストールしたユーザーの間で、以下の不具合が多数報告されました。
- WordやExcelを開こうとすると、フリーズする・落ちる
- Outlookが起動直後に強制終了する
- Office全体が動作しない、応答しない
特に「Office 2016(MSI版)」を使用しているユーザーに集中して発生しており、この更新が一部のOfficeファイルとの互換性に影響を与えたと考えられています。
▶ KB5002700の確認方法
- スタートメニューを開く
- 「更新履歴」と検索して開く
- 「更新プログラムの履歴を表示」をクリック
セキュリティ更新プログラムの中に「KB5002700」があれば対象です。
【対処法1】KB5002623 を追加でインストールする(Office 2016ユーザー向け)
Microsoftはこのトラブルを受け、緊急修正パッチ「KB5002623」を公開しました。このパッチをインストールすることで、正常に動作するようになります。
▶ 手順
- 公式ダウンロードページにアクセス
- お使いのOfficeが32bit版か64bit版かを確認
- 該当するインストーラをダウンロード・実行
- パソコンを再起動
* 重要:KB5002700はアンインストールせず、KB5002623を「追加で」入れるだけでOKです。
【対処法2】Outlookだけがクラッシュする場合は「天気表示」をオフに
一部ユーザーでは、Outlookのカレンダー表示にある「天気情報」が原因でクラッシュしていたケースがあります。
▶ オフにする方法
- Outlookを開く(クラッシュしないセーフモードならOK)
- 「ファイル」→「オプション」→「カレンダー」
- 一番下にある「天気」のチェックを外す
- Outlookを再起動
Outlookのセーフモード起動方法
Windowsキー+R → outlook /safe と入力してEnterを押すとセーフモードで起動します。
【対処法3】Word・Excelで「保護ビュー」から開けない時のレジストリ修正
「保護ビュー(Protected View)」でファイルを開こうとすると、エラーが出て開けないトラブルも発生しています。これは特定のレジストリキー ConfigContextData が壊れているのが原因で、削除すると改善される場合があります。
▶ レジストリ操作手順(自己責任で)
- Windowsキー+R → regedit と入力
- 以下の場所に移動
- ConfigContextData を右クリック → 削除
- 再起動後、保護ビューでファイルが開くか確認
⚠️ レジストリ操作は慎重に!必ずバックアップを取ってから行ってください。
【対処法4】アドインの無効化(Adobe PDFなど)で安定することも
特定のアドイン(特にAdobe PDF Makerなど)が原因でWordやExcelが落ちるケースもあります。
▶ アドインを無効化する方法(Excel/Word共通)
- アプリが起動できるなら、上部の「ファイル」→「オプション」→「アドイン」へ
- 下部の「管理」プルダウンで「COM アドイン」を選択し、「設定」
- 不明なアドインやAdobe関連を一度無効化
アプリを再起動して動作確認してください。
【対処法5】Officeが完全に起動しない場合は「クイック修復」「オンライン修復」を試す
Officeの修復ツールは、システムの破損や更新ミスによって動作不良になった際に有効です。
▶ クイック修復手順
- スタート → 「アプリと機能」へ
- Microsoft Officeを選択 → 「変更」
- 「クイック修復」を選択 → 実行
改善されない場合は「オンライン修復」も試してください。
【再発防止】今後も更新プログラムに注意を!
WindowsやOfficeの自動更新でこうした不具合が発生することがあります。
▶ 再発を防ぐためにできること
- 更新プログラムはすぐに適用せず、数日様子を見てから適用(手動に変更)しましょう。
- 重大な更新の前に、復元ポイントを作成しておくことをおすすめします。
- アドインの整理・不要な常駐アプリの停止も定期的に行いましょう。
裏ワザ:Officeが起動しないときは「Officeセーフモード」を活用せよ
Officeが完全に起動しない場合でも、「セーフモード(Safe Mode)」なら起動できることがあります。これはトラブルの切り分けやアドイン原因の確認に非常に便利です。
▶各アプリの セーフモードで起動する方法
アプリ | セーフモード起動コマンド |
---|---|
Word | Winキー + R → winword /safe |
Excel | Winキー + R → excel /safe |
Outlook | Winキー + R → outlook /safe |
PowerPoint | Winキー + R → powerpnt /safe |
この状態で正常に動作する場合は、アドインが原因である可能性が高いため、アドインを無効にしてから通常起動に戻すことで改善することがあります。
補足①:Officeの自動更新を一時停止して様子を見る方法(特にMSI版)
Officeが勝手に更新されてトラブルを引き起こすのを避けたい場合、一時的に更新を無効化する方法があります(※Microsoft 365などのClick-to-Run版ではやや難)。
▶ Office 2016(MSI版)の場合
- WordやExcelを開く
- 「ファイル」→「アカウント」
- 「更新オプション」→「更新を無効にする」
⚠️ 安全性のため長期無効は非推奨ですが、不具合が再発している場合の一時対処としては有効です。
補足②:Officeの一時ファイルや設定キャッシュをクリアしてみる
意外と見落としがちなのが、Officeの一時ファイルやキャッシュが壊れていて異常動作を引き起こしているケースです。
▶ 簡易的なキャッシュ削除手順(ユーザーフォルダ)
- エクスプローラーで以下にアクセスします。
- 16.0 フォルダなどバージョンごとのフォルダ内にある OfficeFileCache を削除(またはリネーム)してください。
⚠️ 削除する前にフォルダのバックアップを取るのが安心です。
まとめ|「あわてず一つずつ」解決すれば必ず回復します
WordやExcelが突然開かなくなると不安になりますが、今回の問題はMicrosoft公式の修正パッチ(KB5002623)で回避可能です。
また、アドインの無効化や保護ビューのレジストリ修正など、複数のアプローチで改善した事例も多く報告されています。
「原因を知って」「正しく対処」すれば、トラブルから立ち直ることは可能です。
ぜひ、上記の対策を順番に試してみてください。
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