【2025年10月版】WordやExcelが急に起動しない?最近増えているOfficeトラブルの原因と対処法

はじめに

「昨日まで普通に使えていた Word/Excel が突然開かない」──2025年に入り、Windows 環境で Office アプリが起動直後にフリーズ・強制終了・応答なしになる事例が増えています。
多くはPC本体の故障ではなく、特定の Windows 更新プログラムの影響アドイン/設定キャッシュの不整合が原因です。この記事では、背景と原因を整理しつつ、“いま自分でできる復旧手順”を優先順でわかりやすく案内します。

【原因1】2025年4月配信「KB5002700」が Office 2016(MSI 版)に影響

2025/4/9 配信の Windows 月例更新 KB5002700 適用後、Office 2016(MSI 版)を中心に以下が発生したとの報告が相次ぎました。

  • Word/Excel 起動時にフリーズ・クラッシュ
  • Outlook が起動直後に落ちる
  • 「応答なし」で操作不能になる

MSI 版は Microsoft 365(Click-to-Run)と更新方式が異なり、修復の選択肢も変わります。企業・自治体で採用されているケースが多く、影響が集中しやすいのが特徴です。

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KB5002700 の適用有無を確認

①スタートで 「更新履歴」と検索 → 開く

②「更新プログラムの履歴を表示」を選択

③「応答なし」で操作不能になる

▶ KB5002700の確認方法

  1. スタートメニューを開く
  2. 「更新履歴」と検索して開く
  3. 「更新プログラムの履歴を表示」をクリック

セキュリティ更新プログラムの中に「KB5002700」があれば対象です。

【対処法1】Office 2016 ユーザーは KB5002623 を追加適用

Microsoft は影響に対する修正として KB5002623 を公開。KB5002700 を削除せずに、不具合のみを解消できます。

▶ 手順

  1. 公式ダウンロードページにアクセス
  2. お使いのOfficeが32bit版か64bit版かを確認
  3. 該当するインストーラをダウンロード・実行
  4. パソコンを再起動

※ 重要:KB5002700をアンインストールする必要はありません。KB5002623を追加インストールするだけで、既存の更新内容を保持したままOfficeの不具合を解消できます。

【対処法2】Outlookだけがクラッシュする場合は「天気表示」をオフに

一部ユーザーでは、Outlookのカレンダー表示にある「天気情報」が原因でクラッシュしていたケースがあります。

▶ オフにする方法

  1. Outlookを開く(クラッシュしないセーフモードならOK)
  2. 「ファイル」→「オプション」→「カレンダー」
  3. 一番下にある「天気」のチェックを外す
  4. Outlookを再起動

Outlookが通常起動できない場合は、セーフモード(outlook /safe)で開いた上で設定を変更してください。セーフモードはアドインを読み込まずに起動するため、安全に設定変更が可能です。

Outlookのセーフモード起動方法

Windowsキー+R → outlook /safe と入力してEnterを押すとセーフモードで起動します。

【対処法3】保護ビューから開けない → ConfigContextData のリセット

「保護ビュー(Protected View)」でファイルを開こうとすると、エラーが出て開けないトラブルも発生しています。これは特定のレジストリキー ConfigContextData が壊れているのが原因で、削除すると改善される場合があります。

▶ レジストリ操作手順(自己責任で)

⚠️ レジストリの編集は誤操作するとシステムに深刻な影響を与える可能性があります。必ずバックアップを取り、自己責任で実行してください。操作に不安がある場合はこの方法を避けましょう。

① Windowsキー+R → regedit と入力

② 以下の場所に移動

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\ExperimentEcs\ConfigContextData

③ ConfigContextData を右クリック → 削除

④ 再起動後、保護ビューでファイルが開くか確認してください。

【対処法4】アドインの無効化(Adobe PDFなど)で安定することも

特定のアドイン(特にAdobe PDF Makerなど)が原因でWordやExcelが落ちるケースもあります。

▶ アドインを無効化する方法(Excel/Word共通)

  1. アプリが起動できるなら、上部の「ファイル」→「オプション」→「アドイン」へ
  2. 下部の「管理」プルダウンで「COM アドイン」を選択し、「設定」
  3. 不明なアドインやAdobe関連を一度無効化

アプリを再起動して動作確認してください。

【対処法5】Officeが完全に起動しない場合は「クイック修復」「オンライン修復」を試す

Officeの修復ツールは、システムの破損や更新ミスによって動作不良になった際に有効です。

▶ クイック修復手順

  1. スタート → 「アプリと機能」へ
  2. Microsoft Officeを選択 → 「変更」
  3. 「クイック修復」を選択 → 実行

改善されない場合は「オンライン修復」も試してください。

【再発防止】今後も更新プログラムに注意を!

WindowsやOfficeの自動更新でこうした不具合が発生することがあります。

▶ 再発を防ぐためにできること

  • 更新プログラムはすぐに適用せず、数日~1週間様子を見てから適用する(企業環境ではさらに長めがおすすめ)
  • 重大な更新前には「システムの復元ポイント」や「完全バックアップ」を必ず作成する
  • 業務用PCでは、IT管理者や公式情報サイトの告知を確認してから適用する

裏ワザ:Officeが起動しないときは「Officeセーフモード」を活用せよ

Officeが完全に起動しない場合でも、「セーフモード(Safe Mode)」なら起動できることがあります。これはトラブルの切り分けやアドイン原因の確認に非常に便利です。

▶各アプリの セーフモードで起動する方法

セーフモードはアドイン非読み込みで起動し、原因の切り分けに最適です。

アプリセーフモード起動コマンド
WordWinキー + R → winword /safe
ExcelWinキー + R → excel /safe
OutlookWinキー + R → outlook /safe
PowerPointWinキー + R → powerpnt /safe

この状態で正常に動作する場合は、アドイン/テンプレート/キャッシュが原因である可能性が高いため、アドインを無効にしてから通常起動に戻すことで改善することがあります。

補足①:Office 2016(MSI)で自動更新を一時停止

Officeが勝手に更新されてトラブルを引き起こすのを避けたい場合、一時的に更新を無効化する方法があります(※Microsoft 365などのClick-to-Run版ではやや難)。

▶ Office 2016(MSI版)の場合

  1. WordやExcelを開く
  2. 「ファイル」→「アカウント」
  3. 「更新オプション」→「更新を無効にする」

⚠️ 安全性のため長期無効は非推奨ですが、不具合が再発している場合の一時対処としては有効です。

補足②:Officeの一時ファイルや設定キャッシュをクリアしてみる

意外と見落としがちなのが、Officeの一時ファイルやキャッシュが壊れていて異常動作を引き起こしているケースです。

Office キャッシュをクリア

① エクスプローラーで以下にアクセスします。

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Office

② 16.0 フォルダなどバージョンごとのフォルダ内にある OfficeFileCache を削除(またはリネーム)してください。

⚠️ 削除する前にフォルダのバックアップを取るのが安心です。

TPM(セキュリティチップ)を一時的にクリアする【2025年8月補足】

一部のPCでは、TPM(Trusted Platform Module)に保存されている古いWindows Helloの認証情報が干渉し、顔認証や指紋認証が正しく動作しなくなるケースが続いています。

※この操作は慎重に行ってください。
BitLocker(ドライブ暗号化)を有効にしている場合、TPMをクリアすると回復キーの入力が求められます。事前にMicrosoftアカウントや紙などに回復キーを保存しておきましょう。

①「Windows セキュリティ」→「デバイスセキュリティ」→「セキュリティプロセッサの詳細」→「TPMをクリア」

②再起動して、PINや顔認証を再設定します。

まと

「起動しない=壊れた」ではありません。
今回のような更新起因の不調は、KB5002623 の追加適用(Office 2016/MSI)アドイン無効化保護ビュー関連の再生成修復ツールの順で多くが解決します。
焦らず上から順に試し、復旧後は更新の受け止め方(遅延/バックアップ)を見直すことで再発リスクをぐっと下げられます。

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