
「昨日まで普通に使えていたWord/Excel/Outlookが、急に開かない・固まる・落ちる」──この症状は、PC故障よりも更新プログラムやOffice側の設定不整合で起きるケースが多いです。
特に2025年4月ごろは、Office 2016(MSI版)向けのセキュリティ更新KB5002700を入れた後に、Word/Excel/Outlookが応答なし・クラッシュする既知の問題がMicrosoftから案内され、追加修正としてKB5002623が提供されました。
この記事では、まず今すぐ復旧しやすい順で対処を案内し、該当する方だけKB5002700/KB5002623の対応へ進める構成にしています。
まず確認:あなたのOfficeは「MSI版」?「Microsoft 365」?
原因と直し方が変わるので、ここだけ先に確認します。
- Word(またはExcel)を開ける場合は開く
- 「ファイル」→「アカウント」を開く
- 「製品情報」付近に“Microsoft 365”や“Click-to-Run”の表記があればサブスク系/C2R版の可能性が高い
開けない場合は、後述のセーフモードで起動して確認してください。
最優先:Officeセーフモードで起動できるか試す
Officeが完全に起動しないときでも、セーフモードなら起動できることがあります。セーフモードはアドイン等を読み込まずに起動するため、「原因がアドインか/更新か/設定か」を切り分けられます。
| アプリ | セーフモード起動 |
|---|---|
| Word | Win + R → winword /safe |
| Excel | Win + R → excel /safe |
| Outlook | Win + R → outlook /safe |
| PowerPoint | Win + R → powerpnt /safe |
セーフモードで起動できた場合は、次の「アドイン無効化」から進めるのが近道です。
セーフモードでも落ちる/固まる場合は、更新プログラムやOffice本体の破損の可能性が上がります(KB対応や修復へ)。
【対処1】アドインを一度ぜんぶ停止(Adobe PDFなどで落ちるケースが多い)
Word/Excelは、アドインが原因で起動直後にクラッシュすることがあります。セーフモードで起動できたなら、ここが有力です。
- (セーフモードでもOK)Word/Excelを起動
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」
- 画面下の「管理」でCOMアドインを選び「設定」
- チェックをすべて外してOK(特にAdobe系/不明なもの)
- 通常起動に戻して、落ちなくなるか確認
直ったら、必要なアドインだけを1つずつ戻すと、犯人を特定できます。
【対処2】Officeの修復(クイック修復→オンライン修復)
更新直後の不整合やファイル破損には、修復が効くことがあります。
- Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ(アプリと機能)」
- Microsoft Office(またはMicrosoft 365)を選択 →「変更」
- まず「クイック修復」
- 直らなければ「オンライン修復」(時間がかかるが効果大)
※オンライン修復は再ダウンロードが入るため、通信環境に注意してください。
【原因】Office 2016(MSI版)+KB5002700で応答なし/クラッシュ
Office 2016のセキュリティ更新KB5002700を適用後、Word/Excel/Outlookが応答なしになる既知の問題が案内されています(主にMSI版)。
KB5002700が入っているか確認する
- 「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」
- 一覧で KB5002700 を探す(Office更新として表示される場合があります)
【対処3】KB5002623を追加適用(KB5002700を消さずに直す)
Microsoftは修正としてKB5002623を公開しています。ポイントは、KB5002700を削除するのではなく、KB5002623を追加で入れて“セットで正常化”することです。
公式にも、Office 2016スイートを正常状態に戻すにはKB5002700とKB5002623の両方が必要と明記されています。
- Microsoft Download Centerの「KB5002623」ページから入手(32bit/64bitに注意)
- インストール後に再起動
※「KB5002700をアンインストールしてしまった」場合は、KB5002700も再度入れた上でKB5002623を適用する、という案内をしている組織もあります(環境によってはこの流れが必要になることがあります)。
【対処4】Outlookだけ落ちる場合:「天気表示」をオフ
Outlookがカレンダー周りで不安定なとき、天気(Weather)表示が絡むケースがあります。Microsoft公式にも、カレンダーの天気をオフにする手順が案内されています。
- Outlookを起動(起動できない場合は
outlook /safeで) - 「ファイル」→「オプション」→「カレンダー」
- 下の方にある「カレンダーに天気を表示する」のチェックを外す
- Outlookを再起動
【対処5】保護ビューで開けない:ConfigContextData(レジストリ)をリセット
「保護ビュー(Protected View)で開けない」「保護ビューのエラーが出る」系は、環境によってはOfficeの“実験(Experiment)設定”系レジストリが原因になっている、という報告があります(Office 2019/2021/365でも報告あり)。
ただし注意:この手のキー削除は、範囲を間違えるとトラブルが大きくなる可能性があります。「Common配下を丸ごと消す」などは危険だという指摘もあります。実行するなら必ず対象キーだけ、バックアップを取って慎重に。
▶ レジストリ操作(自己責任・バックアップ必須)
⚠️ レジストリ編集は誤操作で不具合を招くことがあります。不安がある場合は、この方法は飛ばして「修復」や「IT管理者へ相談」を優先してください。
- Win + R →
regedit - 次のキーへ移動(例)
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\ExperimentEcs\ConfigContextData
3)削除の前に、キーを右クリック→「エクスポート」でバックアップ
4)ConfigContextData を削除(または名前を変えて退避)
5)Officeを起動して挙動を確認
※キーの場所・名前は環境で違うことがあります。「ExperimentEcs」「ExperimentConfigs」「ConfigContextData」などが絡む例が報告されています。
【再発防止】
- 更新は即日入れず、数日〜1週間ほど様子を見る(業務PCは長めが安心)
- 大きな更新前は「復元ポイント」またはバックアップを作る
- 企業PC・共有PCは、ポリシーや管理ツールが絡むので勝手に深追いしない(まずは管理者へ連絡を)
補足:Office 2016/2019はサポート終了(移行も検討)
Office 2016/2019は2025年10月14日でサポート終了です(延長やESUなし)。アプリ自体は動作しても、更新が止まることでセキュリティ面のリスクが増えます。長期運用ならMicrosoft 365などへの移行も検討してください。
まとめ
Officeが起動しない=PC故障とは限りません。まずはセーフモードで切り分け、アドイン停止→修復を試す。それでもダメなら、該当する人はOffice 2016(MSI)+KB5002700の既知問題を疑い、KB5002623の追加適用で復旧を狙うのが王道です。
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